今日も ぺこぺこ

ジョリ夫婦&ぺこ。3匹とも、今日も元気に「ぺこっ」てます。

かかりつけのお医者さん

2006-01-06 16:19:13 | Weblog

風邪があまりにスッキリしないので、お医者へ行ってきました。

英語で言う「ホーム・ドクター」ってヤツで、フランスでは「かかりつけの医者」を決めるという制度が
2005年に決まったみたいで、いつも同じお医者さまの所へ通っているわたしたちも改めて
「自分のかかりつけ医」を選びました。この制度、双方が選べるそうで、医者が患者数を減らし
たい(過労なので仕事を減らしたい)という場合、「かかりつけのお医者さんになってくださ~い」
っていう患者さんの意向を医者が断ることができるそうなのです。
(タチの悪い患者を無視することができるようになる、とも言えますな・・・。)

前置きはこれくらいにして。
わたしの“公的に認められた”かかりつけ医のところへ行ってきました。
このお医者さん、わたしがフランスに来てからずーっとお世話になってるジェネラリスト(一般医)
なのですが、西洋医学だけに頼ろうとしない(=薬をやたらめったら処方しない)のがウチの夫の
お気に入り。わたしも、食べ物とか生活改善で病気が軽減するのならそのほうが好きだし。それに
この先生は薬草や東洋医学にも興味があるので尚更、話してて面白いのです。

今回は「気管支炎」ということでした。(肺炎でなくてヨカッタ。)
呼吸の際に気管がゼーゼーいってるのと、治りが悪いのとでわたしもなんとなくコレを疑ってました。
なかなかスッキリ治らないこの病気、今回は、もう10日近く患ってるということでスグに抗生物質
を処方してもらい、「夫婦で治さなきゃ、病気のキャッチボールになるからね。」と言って、夫のぶんの
処方せんももらってきました。
そして昨夜から抗生物質を飲み始めたのですが・・・
なんかねぇ、昨夜から二人とも調子をよけい悪くしたような。(そんなものなのでしょうか。)
でも、先生は「土曜にはかなり良くなってるはずだから、症状が改善しないようならまた月曜に
来てくださいね。」と言ってたから、もうちょっと待ってみよう。

結局、お医者さんに出してもらった薬はというと、抗生物質と風邪シロップだけでした。
(日本だったら、粉薬に、錠剤に、そして注射か点滴の1本でも打たれそうな気がするけれど。)


さっきからずっと「お医者さん」って書いてるけどね、これには理由があるのです。
こういうドクターは大抵「病院」ではなく、「診察室」でやっているので「病院へ行く」という日本語の
表現があまりしっくり来ないから。だってねぇ、普通のアパートの一室に、パソコン1台とデスクと
診察台と血圧測定器と聴診器・・・そんな程度の設備だからね、ジェネラリスト(一般医)って。

で、このお医者さんへ昨日行った際に、待合室で待っていたら、チョット面白いことがありました。
わたしが入ってからしばらくして、一組の親子(母&男の子)が入ってきたのです。子どもはまだ
7~8歳くらいに見えたので、わたしが占領していた二人用の長椅子をゆずって、わたしは一人用
の椅子に腰掛けたのです。
「メルシー」とお母さんのほうに言われたのですが、その時に改めて姿を見て あ、東洋人だ。 と。
しかし、どこの国の人かということまではわかりませんでした。
子どもをせっつかせて上着を脱がせてる母親。そして・・・「てぶくろも、」という声が聞こえてきた
のです。あれ?日本語???
どうやら日仏家庭の親子のようでした。男の子は、その後も母親が日本語で話してる時もずっと
フランス語で答えていましたが、母親の日本語は完璧にわかっていました。
日本語が時々混ざる、仏語の会話。
それをすぐ横で聞いてるワタシ。
ワタシには全部話の内容がわかってしまうのが面白くて、つい、聞くでもなく聞いてしまいました。
そうしていると、男の子が手の中で弄んでいた5セント硬貨がころころっとわたしの方へ転がってきた
ので、わたしが拾い上げて「voila ! (ヴォワラ)」(ハイッ!)と男の子に手渡したら、「merci !」と元気の
良い、でもちょっと照れた口調での返事がうつむき加減の顔から返ってきました。
そういう年頃なんでしょうね。

このお医者さんの所では、予約して行ってるのに散々待たされる(普通20分くらいは)ので、
いつもなら退屈しちゃうんだけど、今回はこのかわいい親子のおかげで退屈することなく待つこと
ができました。

そしてお医者さんとの話が始まると、これはこれでまた、楽しいのです。
今回も、薬の話(ホメオパシーの話)から植物、東洋医学の話になっていき、もっとゆっくり時間が
取れたらもっと突っ込んだ所を話したいのにな~と思いつつ。でも後に患者さんが控えているので
ワタシばかりが占領するわけにもいかず。
お医者さんの言ってた「植物の力で回復を助ける」ということ、そして「ナスタチューム(金蓮花)」
(仏語でcapucine)が咳に効くということが非常に頭に残りました。
お医者さんの言ってたのは、エッセンシャルオイルではなさそうでした。ハーブティーでもないかも。
それとも、この花のハーブティーは売っていない、という意味だったのかもしれません。とにかく、
お医者さんは「昔はこういう知識があって、そこから薬を作ったはずなのに、今はその知識が
失われていっていて・・・でも一部でまだ売ってるところもあるみたいだから。」と言っていました。
彼女は「西洋医学の薬は、所詮“コピー”にすぎないのだから。」と言って、柳の葉からアスピリン
(だったかな?)を作ったという話をしてくれました。

面白い、「薬」の世界。

そう、化学薬品はつまり、自然界のコピー。自然の物質の中で“良い”と思われる部分を濃縮
するためにその部分だけを取り出したものなのだから。
自然であって、自然ではない。不自然な形態の自然、とでも言うべきか?
でもそうでなくても、多少効率が悪くても昔からの植物の利用法で助けになるのなら・・・

お医者さんは「植物だけで治すのでもなく、西洋医学の薬と同時に使うことに興味がある」と
言っていました。彼女もまだ、いろんな本を読んでいる段階で、なかなか実践的なことができ
ないでいる様子でした。

強烈な作用が必要な場合以外の病気治療、特に長期の治療が必要になってくる場合に、
植物の力で治療する、もしくは治療の助けとすることに、何か重要性を感じているということで
わたしたちの意見は一致したのですが。
じゃあ、具体的にどうしたらいいのか?

虚弱体質、頭痛持ち、便秘症、精神的な問題、そしてアレルギー。これらの、病気と言えるのか
どうか難しい、“体質”とも言ってしまえる状態(重度でない場合)に対しては、西洋医学の薬は
あまりコレといったものが無いので、そういう場合に植物の力はとても頼りになるのではないか
という気がします。