今日も ぺこぺこ

ジョリ夫婦&ぺこ。3匹とも、今日も元気に「ぺこっ」てます。

考えること

2005-06-22 20:50:13 | 妊娠急行 (途中下車 編)
(ひとしきり書いたので、もう終りにしようかと思ったんですが、わたしの中にまだ残っている別の気持ちを書くことにしました。ここをまだ誰かがそっと覗いて見ていることを願って。)

流産したことからはじまり、今後また妊娠したらその時どうするのか?と最近考えていることがあります。それは、「結果次第ではおなかの子をおろしてしまうことになるかもしれない、出生前検査」についてです。

出生前検査にはエコー検査も含まれており、肯定的に受け止められるものが多いのですが、その中には、赤ちゃんの両親の倫理観を試すかのようなテストが存在しています。
「トリプルマーカーテスト 羊水検査」とでも入力して、検索してみてください。いろいろな記事が出てきますから。

このテストは、現在、主にダウン症の子どもが生まれてくる可能性の高さを知るために使われています。(あくまで可能性の高さ、なんです。)結果、可能性が高いとなると、人工妊娠中絶を選択することが事実として多いようなのです。
このテストで判断ができるのは妊娠中のごくわずかな期間のみであり、その期間は人工妊娠中絶ができるギリギリ直前なのです。そして、このテストの存在を教えてくれる病院とそうでない病院があり、テストをそれとなく薦める病院と、こういったテストは生命倫理に反するという視点から患者に全く教えない病院とがあるそうです。それとなく薦める病院は、「障害のある子が生まれたら、両親はさぞ大変だろう。」という思いからのようです。
「可能性が高いのであれば、やむをえず中絶すると思う」と考えているカップルは、妊娠する前からこういう事についてきちんと話し合う機会を持つのが良いと思うし、しかし逆にそれは、恐ろしい選択と後に残るかもしれない心の傷の可能性を意味するかもしれません。

なんでこんなテストがあるのでしょうか。ダウン症は、忌み嫌うべき病気なのでしょうか。
このテストが生まれたのは、他の病気を発見しようと努力した結果だそうです。
先天性の病気は、何もダウン症に限ったことではありません。
世の中には沢山の先天性の病気があり、こういったテストでは発見できない遺伝性の病気なども沢山あるのです。

わたしたちは、もっといろいろなことを知らなければいけないのかもしれません。
親になる前に。

妊娠急行(おわりに)

2005-06-18 02:56:30 | 妊娠急行 (途中下車 編)
今回の内容は、現場がフランスなので日本とは(病院などの)対応の違いなどがあると思うし、症状名など医療用語はフランス語で聞いているので正しく日本語で書けているのかどうかはわかりません。そのあたりで誤解が無いよう、さらに詳しい情報を知りたい方は、ちゃんとお医者様に相談するなり、日本語のサイトを検索してみるなり、それぞれに情報収集して下さいね。今回のはあくまでわたしの体験談であり、症状を説明すると言うよりもむしろ、こういうことが起こってわたしはどう感じてどう行動したのか、結果どうだったのか、ということを列記したに過ぎません。

妊娠に限らず、突然知らない病気になった時でも、「これって何?どうしたらいいの?」と、病気の程度がわからずに病院に行くのを躊躇したりすることってありますよね。はじめて妊娠した妊婦さんの抱える不安はとてつもなく大きいもので、みんな、ほんのちょっとのことで一喜一憂してると思います。これから妊娠を考える人にしても、いろいろと不安に思うことがあると思います。
実際、妊娠初期に関することで一般に誤解されていることは山ほどあり、わたしもそういう誤解を山ほど抱えていたうちの一人でした。誤解によって不安はさらにさらに高まるばかりなんです。正しい情報を多く求め、誤解を減らし、不安を減らしましょう。

わたしが一番大事だと思うのは「生きるも死ぬも自然の摂理であり、いくら発達した医学を用いても無理を通すことはできない。」ということで、「宿った命の力を信じて、待つしか無い。」ということです。結局、「親」になるわたしたちには、「宿す」ことはできてもそれ以上のことはできないのですから。ただ待つことのみ、です。今回それを痛感しました。

今回わたしは残念ながら、この妊娠急行列車を途中下車することになりましたが、また次の機会が何度も訪れることを願っています。悲しくは無いんです。咲きかけたつぼみが開かずに枯れることもあるし、鳥が4つ卵を産んで2羽のヒナしか巣立ちができないことも、ごく普通のことなんです。自然はしっかりと生命を見定め、異常があったり十分な力の無いものを再び自然に戻していきます。

わたしの今回の妊娠では、胎児の心拍は全く確認されませんでした。もしかしたら、日本語で言う「胎芽(たいが)」であって、まだ胎児にまで至っていなかったのかもしれません。心拍の動きを実際にエコーで見たり聞いたりし、さらに子どもが動いてるのも見ていたら、今ほど穏やかな気持ちで薬を飲むことはできなかったかもしれません。産科救急には沢山おなかの大きな妊婦さんが来ていて、そのうちのいくらかの人は、育っていた子どもを流産してしまうのかもしれない・・・そう思うと、妊娠ごく初期の流産は、「子どもがいた」という実感が無いだけに、気持ちの上では楽かもしれません。(少なくとも、わたしはそうでした。)誰にもどうすることもできなかったわけだし、すぐに気持ちの転換ができます。
ただ、最後の最後まで夫が女医さんに「どうしても、生きてる可能性ってのは無いんですか?」と聞いていて、うっすら涙目になっていたのが痛々しかったです。男こそ、実感も無いままに、ですからね。

流産について考えていると、「生命の誕生っていつなのか?」「おなかの子どもに生きる権利が生まれてくるのっていつなのか?」という倫理的な事も同時に考えてしまいます。
心臓さえ出来ていない状態の胎児(胎芽?)に、人権はあるのでしょうか?
これは人それぞれに考え方や価値観が違うと思います。わたしの気持ちとしては、一度も心臓が動いていない、脳もあるか無いかわからないような生き物は、「生命体」とは呼べないのではないか?と思うし、実際に心臓がドキドキ動いてるのを画像で見ていないのだから実感も無いから、本心としては「赤ちゃん」って思えないんです。(記事の中で何度も「子ども」だとか「赤ちゃん」だとか書いてますが、便宜上です。この存在をどう呼んでいいのか、言葉が見つからないので・・・。)
「何か(赤ちゃん)がいた」という実感をわずかに感じていたのに、「赤ちゃん」と呼ぶ気になれないのです。
「間違って、ベビーベッドだけが勝手に出来てたのかもね」というのが実感です。

大事なのは、こういう流産の場合ほとんどが「胎児がそもそも遺伝子の異常を持っており、成長できる状態になかった」ということで、それをきちんと理解することだと思います。これについてはあちこちのサイトに書かれていますから、気になる方は検索してみたらいいですよ。「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」で探すとすぐ出てきます。
胎児の遺伝子異常というのは、受精後に卵が育っていく過程で「その卵自体」が「遺伝子異常のある卵」であったということで、次に受精する卵も同様ということは普通は無いそうです。妊娠初期に流産を繰り返すカップルの中には夫婦どちらかに問題がある場合もあるそうで、3度以上流産が続くとそういう可能性が高いとか。(これら全て、産婦人科のお医者さまがきちんと話をしてくださると思うので、むやみに心配することは無いです。)

ここまでアレコレ書いておきながら「けっこう平気だから、心配しないでねっ。」なんて言うと「ウソでしょ」って思われそうなんだけど、ホント、案外平気なもんです。(きちんと理解していなかったら、「流産」という二文字のせいでかなり落ち込んだかもしれません。)
一番胸にグッと来た瞬間は、実は今ではなくって、初めてエコーをかけた時でした。
お医者さまに「正常な位置に立派な袋が見えてますよ」って言われて、まだ胎児もきちんと確認されていないのに「あ~、わたしも妊娠できるんだ」って思うと自然と涙が出てきたのです。(普通はココは泣くところじゃないと思うんだけど・・・。汗)
一度妊娠できたのだから、次も大丈夫よっ!と明るく考えている我々夫婦です。
かといって、夫ももうすぐ40代に入るので・・・気持ちとしてはちょっと焦っちゃいますねぇ。「来年は不妊治療開始?」と妊娠する前にうっすら考えていたので、今回の件は見方を変えれば朗報でもあるんです。だって年内にまた妊娠が発覚!?ということも十分にありうるのですから。

さいごに。
何がなんでも子どもが欲しい!とワタシは思っているわけではないんですが、やはり夫は欲しいみたい。甥っ子がウチに泊まりにくる度に、夫は「かわいい~」って顔をしてます。そんな甥っ子の最近の口癖は「いとこが欲しい」です。同じ幼稚園にいる子でいつも「いとこが生まれた」という話をしてる子がいるらしくって、それで「いとこ」という単語を覚えたんだって。(笑)でも意味わかってないみたいだけどね・・・。夫は「いとこ作ってあげなきゃね~」って言ってます。
今回もしも流産することになったら、悲しい?って、一週間くらい前に夫に聞かれてました。それが自然なことだとしたら、悲しくは無いんです。ただ、今回わずかに「2人感覚」を味わってみて、悪くないもんだって思ったから、また妊娠したくなったのも事実です。
妊娠中、わたしはよくフランス語で「On a faim !」って言ってました。日本語に訳せば(おなかがすいた!)なんですが、それのいわば複数形。つまり、わたしと赤ちゃんがおなかが空いてるのよっ!ってことです。これはけっこう楽しい言い回しでした。ベッドで夫と寝てる時も3人の気分でした。「今我が家で多数決したら、ワタシと赤ちゃんは一心同体なのでワタシの意見は赤ちゃんの意見を含むから、2対1で常にワタシの勝利か?」って思ったり。妊娠中ってけっこう楽しい考えが浮かぶものです。(気分悪くもあるけどね・・・。)
長年、無意味に「わたしは子供ができないかも」とか「子どもはあんまり欲しくないなぁ」とか思っていたわたしに、今回は、望んでいたとはいえ突然の出来事でした。下準備ができてなかっただけに、夫婦そろって慌てました。でも、考えてみたら、こうして自然が「フェイントをかけた」のかもしれません。「次に備えてしっかり勉強しとけよぉ~」ってね。そう思うと、悲しい気分にはならないんですね、不思議と。それよりもむしろ、未来に道が開けたような気分です。

妊娠に対して不安のある人、妊娠初期に不安なことが起こってしまった人が、これを読んで少しでも「自分をまっすぐに」たもつことができますように、そう思って書きました。
少しでも多くのカップルが、望んだ妊娠に成功しますように・・・。

妊娠急行(8) 「途中下車(胎嚢排出のため、薬を服用)」

2005-06-18 01:36:41 | 妊娠急行 (途中下車 編)
6月18日の朝から、薬の服用を開始。この薬は1日3回、2錠ずつ飲むそうです。
薬の作用で「生理のような出血と下腹部の痛み(もしくは、生理よりちょっと多いくらいの出血と少し強めの痛み)」があると女医さんに言われていました。
朝10時ごろ、第一回目を服用。急にひどい貧血みたいになってきたので、そのまま居間のソファーに寝ました。体が寒くなってくる。でも、外の気温は25度くらい。ゆたんぽを使うと寒さがやわらいできました。1時間ほど寝る。
目が覚めると、もう、体がダルくてしょうがない。そして下腹部の痛みがはじまってきた。
ちょっとトイレに行ってみる。もしかしてもう出血してるかも?と思ったので。
実際には出血はまだでしたが、それよりもびっくりしたのが、いきなりピューッと下痢が出たことです。(汗)
そんなの聞いてないよぉ~っ
あんまりビックリしたので夫に話すと、「あ、そういえば、女医さんがそういう人もいるって言ってたよ。みんなじゃないらしいけどね。」と当然そうな顔をして言う。
あ、そうですか。じゃ、さっきの痛みはもしかして下痢の痛みだったの?なんだか拍子抜け。
でも、そんなワタシを待ち構えていたのは、本格的な下腹部痛でした。

2年ほどピルを服用していたので、もともとそんなに激しくなかった生理痛がさらに軽減してて、ピルを止めてからの1年半の間も前ほどは痛くなかったんです。(20代半ばまでは全く生理痛の無かったワタシですが、20代後半に入ってから30歳まで、生理痛がひどい時期もありました。)それが、急にギューッと下腹部が痛くなるんですから。しかも吐き気もしてくるし。なんで?(これはオマケか?)もう赤ちゃんいないんだから、吐き気は懲り懲りよっ!と思っていても、気分の悪さは一向に軽減されません。
「気分悪くなってきた・・・」と言うワタシに、夫は畳み掛けるように言います。「そういえば女医さんが言ってたけどね、子宮あたりがギューッて収縮してくるらしいよ。感じる人とそうでない人がいるらしいけどね。」って。もしかしたら、やっぱり?陣痛がおきるの?

夫が出勤。午後になったので、お昼のぶんの薬を飲む。
何か食べてから薬飲まなきゃ・・・って思っても、食べ物がノドを通らない。今までの「つわり経験」にない、強い吐き気。でも吐けない。(これってけっこうツライです。)せっかく飲んだ薬を吐いてしまっては困るので慎重に飲むタイミングを考え、少しだけカップスープを飲んでから、服用。
服用後、しばらくしてから、かなり痛くなってきました。これは・・・昔の生理痛を思い出すなぁ。(なんて懐かしがってる場合じゃありません。)一緒に処方されていた「痛み止め」を少し飲んでみると、かなりの部分が楽になりました。でもやっぱり痛いけど。仕方ないね。

痛みは納得済みだったのでガマンできるけど、吐き気とこの下痢は・・・なんとかして欲しい!そんなの聞いてないよ!
15分に1度くらいの割合でトイレへ駆け込み、まるで水道の蛇口をひねるかのごとく下痢。恐ろしいことになってしまいました。これではワタシが干からびてしまう・・・。手元に常に水を置いておき、ちびちびと飲む。痛み止めが効いてるせいかどうなのか、少しずつ吐き気もおさまってきたような。そして、水もちゃんと飲めるように。
(そんな最中にコレを書いてます。少しでも何かに集中して気をまぎらわせようと・・・。)

つづきは、また今度。
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というワケで、つづきです。

その後、痛みも和らいできて、気持ち悪さも無くなってきた。(下痢もだいぶ前から終わってる。)これはつわりが完全終了したってこと?な~んて思いながら、ずっとPCの前に座っていたのでトイレに行ってみた。すると、びっくりするほどの出血。ホントに、どぼどぼと大量に落ちる出血でした。確かに3時間くらいトイレに行ってなかったから大量に出るのはわかるけど・・・。生理二日目あたりにすごい出血でびっくりしたことってありませんか?あれよりもうちょっと多い感じです。ドロッとした赤黒い血液でした。
気が付けばもう夜9時になっていたので、薬を飲まなきゃと思い、ちょうど食欲も出てきたので簡単に食事をし、薬を飲む。
すると、5分とたたないうちにまた下痢が!トイレに駆け込むと、腹痛が再開してきた。(下痢と腹痛はセットなのか?)人による、と言われていたけれど、わたしの場合は見事にこの薬の作用で下痢になってました。しかも飲んですぐに反応するなんて、スゴイ。
腹痛は前ほどひどくは無いにしても、これからまたひどくなる可能性もあるんだろうなぁ・・・と思いつつ、就寝。

翌日もまだ出血は多かった。でも吐き気や下痢はもうほとんど無くなっていた。なんとなく貧血のような感じで、疲労感から体が寒くなってきて、外は暑いと言うのにソファーに寝転び、フリースの毛布をかぶってお昼寝をした。夫は「ウソだろ??」って顔してる。だって外は26℃以上あるんだから。夫は半そで姿で暑い暑いって言ってるのに。
トイレに行くと、どろりとした赤黒い血の塊が出た。昨日はこんなのが3個くらい続けざまに出ていたように思う。どれが胎嚢なんだかわからないけど、多分そんなモノが出てしまったんだろうと思う。

3日目の、月曜日。今日から薬を飲まなくていい。
出血の量も減るのかな?との淡い期待はもろくも崩れ、生理二日目ほどの出血量。薄い水っぽい血の時もあれば、赤黒いどろっとした血の時もあり。夫が扇風機をひたすら回している。その風で冷えたのか?腰が痛くなってきた。ここ数日使い続けていた「ゆたんぽ」が、まだ手放せないでいる。

4日目。火曜日。ようやく全てがリセットされたような気分になってきた。でも、まだ外を出歩くような気分ではない。明るすぎる太陽が眩しいのと、暑く重い空気に圧倒されて貧血で倒れるんじゃないかというわずかな恐怖心から。
今までの人生で、貧血で完全に倒れてしまったことは無いんだけど、これだけ出血してるんだから、やっぱりちょっと不安。ウチに一番近いスーパーに行って、ステーキ肉を買ってきた。今夜は夫にステーキを焼いてもらおう。(半生に焼いた赤身の肉は、貧血に良いんだって。)

5日目。水曜日。生理3~4日目ほどの出血になってきた。でも相変わらず緩慢に血は下りてくる。量こそ減ってはいるけれど。もう腹痛は無い。昨夜はビールも飲んだ。久々のビール。久々のアルコール。
前はあんなに眠くて仕方なかったのに、昨夜もその前も、夜すぐに眠りはじめることができなくなっていることに気が付いた。しばらく読書をしようと思ったら、昨夜は2時近くまで読んでいたらしい。今朝、夫に叱られた。「一体何時まで起きてたの!?」ってね。
土曜日にあんなに吐き気がしたのは、もしかしたら薬の副作用だったのかもしれない、と今にして思う。つわりが残っていたにしては、ひどかったから。あれはつわりじゃないと思う。
でもね、実はまだ、胸が少しだけ張ってる感じがするんです。何かがグッと胸に当たると、重く鈍い痛みが少し走る。なんだか、夏の日にお庭を眺めてすぐに部屋の中を見た時みたいに、妊娠の残像が残ってるみたいな感じ。残像って言葉がよく合うような気がしない?

6日目。木曜日。もうそろそろ終わりじゃないのか?いい加減に終わって欲しい。
出血量は減ったものの、やはりまだ止まらない様子。夕方、わずかに腹痛と腰痛を感じて、その後トイレに行くと、ごろっとした肉々しい塊が出てきた。大きさは3~4cmくらいとけっこう大きい。これは・・・
まるで破れた袋のような形をしていたので、やっぱりこれか?と思った。一時的に出血量が増えたような感じだった。

7日目。金曜日。グッと血の量が減り、もうそろそろ終りって感じ。今日は腰もおなかも痛くもなんともないけれど、なぜか頭痛。でも明日にはきっと気分スッキリになるだろう。来週火曜日に最終エコー検査を受ければ、全てが終わるはず。

11日目。火曜日。エコー検査を受ける。
「ほんのちょっとなんですけどねぇ、まだ残ってます。」と言われた。小指の先ほども無いくらいのものがまだしっかりとくっついていて、そこに栄養を供給しているらしいのです。このまま放っておくのは良くないと言われたので理由を訊ねると、「必要ない部分に栄養供給するので良くない(体が疲れる?)のと、化膿することもあるから一日でも早く取り除くのが良い」と言われました。絶対ではないが、それがベストだと。で、エコー検査をしてもらったラボの受付の方がその日のうちに診てくれる婦人科医を電話でかたっぱしから当たって探してくれました。この時すでに夕方6時半、わたしのかかりつけの婦人科医はすでに帰宅しており、他の近所の医師も同様でしたが、幸い1人見つかったのでそこに行き、7時半に診てもらい、子宮内容物排出の薬、そして化膿防止?として抗生物質と膣薬をもらいました。ほんのわずかな断片だけなのに、だんだん薬が増えてきてます・・・。(なんだかだんだん大げさになってきてる気もしますが。)

第二次投薬
1日目。6月29日水曜日。今日から5日間の投薬開始。前と同じ薬だが、今回は半分の量を服用。
昨日、婦人科医でのことですが、月曜日に下腹部にずーんと鈍い痛みが続いてて、薬を飲まなくても良いくらいだったけど気になったのでその事を話したら、「あぁ、それは体が子宮の中のものを自然に排出しようと努力しているからなんですよ。良い反応です。」と言われました。わたしはそれらを早く出すために薬を飲んでるわけですが、そんなことしなくても自然な体の反応として、こうして体がそれを押し出すらしいのです。ただ、自然の反応で子宮内容物が出るのを待つ場合、もちろんそれなりの痛みは伴うし、化膿したり発熱したりしないように始終見守っていないといけないみたいです。

5日目。7月3日、日曜日。今回は薬の量が半分だったのでかなり楽でした。が、やはり多少気分が悪いかな?といった感じで食欲が少し落ちてました。抗生物質のせいでお酒飲むの止めてたし、楽しみが無い~!などと文句たれてたワタシ。明後日には解決するのか?

7月5日、火曜日。再度のエコー検査。
が、またしても「う~~ん、まだ残ってますよぉ。」と言われる。もういいじゃん、放っておいても、と思うワタシ。でも「7月14日から1ヶ月間の予定で日本に行くんです」って言うと、みなさん口を揃えて「このまま飛行機に乗って旅立つのはちょっと・・・」とおっしゃる。それがダメっていうわけじゃないらしいけど、万が一の可能性として、旅の途中に(最悪、飛行機の中で)化膿して高熱が出ることも考えられるとかで。
この日は以前から、かかりつけの婦人科医に予約を入れていたので、検査の後でそちらに行く。
が、ここでも同じことを言われる。すぐにでも摘出したほうが良い、と。そしてその処置ができる医師を紹介された。
(日本ならば婦人科の病院ですぐできる簡単な処置だと思うけれど、パリの個人医は小さなアパートの一室に居を構えていることが多いので設備が整っていないのと、いくら簡単とはいえ「手術並み」のことをするので麻酔も使うから、麻酔医のいる所=病院 でないとダメらしいのです。)
かかりつけの婦人科医に紹介された医師(こちらも婦人科医)と翌日に会うことになった。フランスでは、麻酔などを使う手術をする「前日までに患者を診察してからでないといけない」という決まりがあるらしい。ほんのちょっとのことでもこんなに大げさになってしまうので厄介です。

7月6日、水曜日。
子宮内容物摘出(そうは術)をしてもらう医師と会う。
てっきり手術されるものだと思っていたので身構えていたのですが、実際にエコー写真を見たお医者さまは「う~ん、こんな小さいのなら、手術するほうがリスクがありますよ。」とおっしゃる。
こちらは経験者の意見。毎日のようにこんなケースを見ていて、実際に手術をしてる人なのです。対してわたしのかかりつけの婦人科の先生は、良い先生ではあるけれど、こういう手術に関しては(知識はあっても)実際の経験は無いようなので、やはり経験者の考えに従うべきだという気がしたのです。
触診をしてもらい、このぶんなら大丈夫と言われ、結局は「自然に排出されるのを待つ」ことに。
お医者さまの言うには「こういう手術は内容物をひっかいて出すので、閉じている子宮の入り口を一度開けることになるから、それが原因で菌が入り感染し化膿することがあるんですよ。(今の状態では閉じてるので化膿しないらしい。)ひっかく時に、ひっかきすぎたらその部分が反対側と癒着することもあるし、そうなると次の妊娠のためには癒着部を開かないといけなくなるし・・・」ということで、夫とも合意の上、今回はひたすら待つことに。

というわけで、ようやく「終り」ということになりました。ふぅ~っ。

次の生理は普段よりも重いものになるそうです。(流産後から大体1ヶ月か1ヶ月半くらいで来るらしいです。)
そして、次の生理が来た後からようやく「次の妊娠ができる状態」に体がスタンバイするらしいです。これに関しては人によって全く違うことを言われたので、実際どうなのかはわかりません。多分、それぞれの患者さんによってまた話が変わってくる、ということでしょうね。ケース・バイ・ケースですね。

今日から鉄剤を飲み始めました。散々出血したので貧血ぎみになってるかもしれないから、ということで火曜日に婦人科で処方してもらっていたのです。これを1ヶ月続けて体調を整えて・・・次の妊娠に向けてガンバルゾ!
(あ、なんか別の薬ももらいました。それは、胎児に脳の障害が出る可能性を抑えるとかナンとかいう目的の薬だそうで、最近、妊娠希望者がそれを服用することが義務づけられた?ということです。そんな薬、日本でもあるんでしょうか・・・。)

妊娠急行(7) 「いよいよ再エコー。そして再び救急。」

2005-06-18 01:36:13 | 妊娠急行 (途中下車 編)
6月17日。待ちに待った、2度目のエコーの日です。
二日前からまた義父母がパリに来ています。(今回は甥っ子も一緒に。)ウチの部屋の窓を全部取り替えることになっていたので、その現場を義父にもしっかり見てもらおう、ということだったんです。(手抜き工事とかされたらイヤだしね。)

わたしの出血はおさまってきて、わずかな出血とわずかな茶色(もしくはピンク)のおりもの程度になっていました。が、それでも不安は残り、体のだるさもあり、甥っ子の相手はちょっとしんどかったです。2歳半の男の子なんですが、わんぱく盛りで。でもかわいいんですけどね。
妊娠のごく初期での流産の場合は、「家で寝てても流産する」って言われるそうです。つまり、赤ちゃん自身に生きるだけの力が備わっていないのが主な原因だから、親がどんなに用心をしても、死ぬものは死ぬんだ、と。
前回診てもらった時に「様子をみましょう」と言われただけで、安静にしなさいとは一言も言われなかったので、普通にしていました。義母と甥っ子を連れてブーローニュの森の北側にある公園へ行って遊んだり。(ここ、子どもを遊ばせるのにはなかなか良い場所です。)

そして、再エコー。今回は救急ではなく、街のラボにて。
再び夫にも同伴してもらいました。だって、「赤ちゃんもう死んでますよ」って言われるかもしれないんだから・・・。それでも、わずかに残る可能性を一応は信じて、「どうぞ心拍が見えますように・・・」と思いながら待合室で待っていました。
診察室に入り、エコーをかける。今回はおなかの上をこする形のエコーでした。
お医者さんがあちこち探してみたけど、「袋しか見えませんよ?何週目なんですか?」とかなり雑に聞かれた。

わたしの場合、生理不順が激しいので、排卵日の特定ができないのです。(生理がきちんと来る人でも、排卵日にきちんと排卵しているとは限らないらしいですが。)排卵日が次の生理の1日前、ってことも実際ありうるんだ、とかかりつけの婦人科医師に言われていたので、妊娠週数の計算は教科書どおりにはできないな~って思っていました。実際、「前の生理はいつでしたか?」と聞かれた場合に算出された週数は「7週目か8週目(日本で言う10週くらい?)」で、でも胎嚢のサイズなどから考えた場合は「5週目くらい?(日本で言う7週くらい?)」って答えですから。これによって結果がかなり左右されると言うのに、ホント、アテにならないったらありゃしない。(実際、正しく週数を決定するには胎児のサイズを測定するそうです。)

ラボの先生も首をかしげています。一体どう判断したものやら。現状だけでは「胎児が見えない」ということで、すでに流産という診断をされるはずなのですが、1週間前のエコー画像が手元に無いので「胎嚢が育っているかどうか」が確認できない、とのことでした。つまり、胎嚢が1週間前よりも育っているとしたら、これから胎児が見えてくる可能性が無きにしもあらず、と。
真綿で首を絞められるようなじわじわ攻撃に遭い、もう、夫もワタシも精神的に「なんとかしてくれぇ~」状態。
一旦帰宅し、義父母にその話をし、この日田舎に戻る義父の車に便乗して再び産科救急へ行きました。
(長時間待たされる産科救急へわざわざエコーに来なくても、街のラボにてエコー診断して胎児が確認されればそれで問題は無かったのですが、「胎児が見えない」と言われてしまったので、再び産科救急へ行ってアレコレ確認する必要が出てきたのです。)
また3時間ほど待たされてようやく診察室へ。
ここで再び、下から挿入するタイプのエコー。妊娠のごく初期の場合、胎児などがものすごく小さいので、こういうエコーでないと詳しくは見えないそうで。
実はエコーの直前にわたしはトイレに行ったんですが、その間に夫と婦人科医は話をしていたらしく、「望んでいた妊娠なのか、できちゃった妊娠なのか」と聞かれたそうです。もちろんウチは前者。だから、実際にエコーではものすごく丁寧に、何度も何度も隅々まで見てくれました。

それでも、無いものは見えないのです。

重い表情の婦人科医が、胎児が確認されないことと、心拍が見えないことを告げました。若いインターンの女医さんだったので、帝王切開の最中だという医師のところまで確認と指示を仰ぎに行くことに。10分ほど待たされ、再びその女医さんと話を。
胎児がいないということは、すでに胎児が体外へ出てしまっているんだ、と言われました。胎嚢と、胎児がくっついていた部分は確認されたけれど、肝心の胎児がいない。つまり、胎嚢をおなかの中に抱えておく意味がもうすでに無くなっていたのです。受精した卵子は、ほんの数日ほど育っただけで、何の挨拶も無しにわたしの体の中から勝手に出ていったのでした。

若いインターンの女医さんは重い表情をしたまま、懇切丁寧に、わたしたち夫婦に気を使いながら、状況説明と今後について説明してくれました。それを聞いて、稽留流産であろうと確認。すでに用無しになった胎嚢などを排出するために「自然のはたらきを待つ」か、「薬を用いて(自然のはたらきの速度を)少し早める」か、のうち一つを選べといわれました。前者であれば、1週間ほどしたら痛みとともに出血がおこり、不要なものが自然に体外へ排出される。後者は、薬でそれを即座におこさせると言う。しかし、一度に全てがきれいに排出されるとは限らないので、うまくいかない場合には「そうは手術」(子宮の内容物を摘出する)ということになるらしいのです。来月半ばに帰国を控えているので、ここでまた何度も病院に通ったりしているわけにはいきません。あっさりと薬を飲むことにしました。早く解決して、早く子宮を回復させ、そして再び妊娠するために。

女医さんは、何度も何度も「こういう妊娠は自然の摂理であって、生きる力の無い胎児は自然に死んでいくようになっている」ことや、「はじめての妊娠がこういう流産であった人のほとんどが、2度目の妊娠は無事出産している」ことなど、話してくれました。
わたしも夫も、この2週間ほどPCにかじりついて検索していたので、お医者さんに言われることも一応頭の中には入っており、ここに来るまでにも2人で話し合っていました。だから、2人ともショックはほとんど無かったです。それよりも逆にわたしは、今回の妊娠が一応は成功であったことの喜びがあったくらいです。(もしかしたら不妊症かも?と思っていたので。)
女医さんは、「次の妊娠は、できれば2度以上の生理を待った後のほうが望ましいと思いますよ。」と言ってました。子宮内が完全にきれいになってから妊娠するほうがいい、ということで。でも実際、自然の摂理としては、流産して子宮の中身が出てすぐにまた妊娠可能なんだそうで。だから、実際には稽留流産をしていたのに、妊娠したことにすら気が付いていない女性も多いんだと。
いつもきちんと来る生理が1週間ほど遅れ、車酔いみたいに胸のあたりがむかむかしたりして、あれ~?もしかして?と思っていたらすぐに生理がきちゃったよ・・・なんて経験のある女性、それはもしかしたら流産していたのかもしれませんよ。でも心配しないでください。10回の妊娠につき1回という割合で、それは起こり得ると言うのですから。(わたしは今回たまたま、初回に当たっただけなんです。)

処方箋をもらって、産科救急を出ました。まだ胸は少しむかむかするし、軽い貧血もあります。赤ちゃんはもう居ないと言われても、余韻だけは残っているのです。
「赤ちゃん居ないんなら、この不快感、なんとかして欲しいなぁ~っ」と夫にグチッたところでどうしようもありません。まだ胎嚢が残っているのでホルモンは出続けていて、体は「妊娠続行中でしょ?」って思っているんですから。
この日はとっても暑くて、もう夕方も7時近くだと言うのに、汗がだらだら。夫にアイスクリームをねだって、買ってもらいました。(いまだに妊婦気分、抜けきれず。)
もうこの日は夕方なので、薬は翌日から飲むことに。

帰宅後、夫の妹に電話で流産を知らせました。実は彼女もわたしと同時期に妊娠が発覚していて、「来年のクリスマスは大変になるね~」なんて言っていたんです。夫が彼女に今日のことを話していると、「あれ・・・もしかして・・・、わたしもソレだったのかも。」と言い始めました。現在妊娠中の彼女、2ヶ月ほど前にわたしと似たような状況だったそうなんです。でも、妊娠検査薬を使う前に生理がきたので「あ、ちがったのね」って思って、それでオワリだったと。でもつわりの症状も出ていたらしいので、多分妊娠後数日の流産だったのでしょう。意外にも、身近な所に「それと知らずに体験してた人」が居ました。お医者さまの言うことは正しかった。
その後、ようやく帰宅した義父母にも電話。悪いニュースを告げる夫。

妊娠急行(6) 「赤ちゃんはいづこへ?」

2005-06-18 01:35:28 | 妊娠急行 (途中下車 編)
6月13日ごろからだんだんと出血の量がおさまってきました。かといって、全く止まったわけではありません。
最初のころにあった「2人感覚」はもう全く無くなっていて、すでに「やっぱりダメなのかも」とは思っていました。が、わずかにある「普通の正常な妊娠かもしれない」という可能性が全く破棄されるまでは、「親」としては諦めてはいられないのです。「子」がそこでがんばっているのかもしれないのですから。毎日毎日、軽い車酔いみたいな感じで食欲もあまり無いのに、それでも何か食べなきゃ~って思って、自分に食べられるものを探しては何でも口に入れていました。
驚いたことに、「妊娠すると味覚が変化する」んですよ。今まであんなに好きだったロースト・チキンが、においだけでもオエッと思うようになり、わずかな切れ端が口に入っただけで、口から出してしまう始末。小さな鶏肉を飲み込むことさえできないのです。
「好きだったモノが嫌いになるってことは・・・その逆もアリ?」と思って、もしかして豚肉が好きになるってこともあるのかなぁ?なんて考えていたんですが、これは試してみませんでした。

その後もネットでの情報収集は続けていました。流産の形態についてです。
流産には「母体に危険のあるもの」と、そうでないものがあるそうです。たとえば子宮外妊娠は「母体に危険のあるもの」としてアタマにすぐ浮かんできますが、「胞状奇胎(ほうじょうきたい)」という、危険性のあるものも存在するそうです。
今回もし流産してしまったとしても、またすぐに正常な妊娠ができるのなら問題は無いけれど、続けての妊娠にストップがかかるとなると・・・。
わたしの現状に一番近いのは「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」と呼ばれるものかなと思いました。(気になる人は、検索してみてください。)でもまだ判断はつきません。生きている可能性だってあるのですから。でも「生きてる実感」は日々薄くなっていってるような気がするんです・・・。

妊娠急行(5) 「はじめての産科救急」

2005-06-18 01:34:52 | 妊娠急行 (途中下車 編)
6月10日。
内科以外に定期的に診てもらっているお医者へ行く日だったので、いつもどおりに病院へ。そこで「実は、妊娠したんです。」と告げる。担当の女医さんはとても喜んでくれたんですが、わたしが少し出血してる話をしたら、「わたしもそういう出血があって、結局流産したのよ。」と。
その女医さんはわたしの事をとても気にしてくれ、産婦人科ではないのにわたしの症状を聞き、「下腹部の痛みが無いようなら・・・確かに、普通のことかもねぇ。」と内科医の指示に賛同の傾向を示してきた。が、「私がこうなったらすぐさま産科救急へ向かうわよ」、と。女医さんの話では、産科救急はそういった若い妊婦さんが多いらしく、「行って調べた結果、何も異常が無く普通のことだとわかるなら、いいじゃない。」って。確かにそうだ、わたしは何を遠慮してたんだろうか?
そのことを夫に話し、その日のうちに産科救急へ向かったのでした。

6月10日の夕方。産科救急に到着。
まったくもってシステム化されておらず、とにかく手際が悪い場所でした。走り回ってるのは一部の人たちだけで、のそのそ歩いてる職員やら、建物の隅でのんびりタバコ吸ってる職員も。そんな病院に入って、2時間も待たされた挙句にようやく受付をしてもらえました。
なんでそんなに待たされたのかって言うと、「忙しいから」という返事でした。受付のお兄さんは「すみませんが・・・お待ちいただけますか」と丁寧な対応をしてくれるのですが、それで2時間も待たされては「一体どこが救急なんだ?」って思っちゃいますよね。わたしたちの場合はホントにホントの救急患者ではないものの、この出血を放置しておいて良いのかどうかを知るためにココに来たんだから、やはりできるだけ早く診てもらいたいです。
待合室に2時間も居る間に、そこでかなりのドラマを拝見しました。「朝の11時からここに居る人」「毎週ここに、単なる血液検査のために来なければいけなくて辟易としてる人」「流産を宣告されて泣き崩れるカップルと、それを慰める人たち」みんな、妊婦さんたちです。半数以上の妊婦さんは、夫(彼氏)同伴で来ていました。わたしも同様。
2時間くらい待つのはごく当たり前のことだと、毎週ここに血液検査に来てる女性が言ってました。悶々とした雰囲気の中で待たされるのは、移民に囲まれて滞在許可証発行を待つ時のあの気分と一緒です。

ようやく受付をしてもらいました。
まず状況を話し、血圧と体温の測定。そして尿検査。(この3ツはセットらしいです。)
フランスで血圧測定をしたら、大抵「11」とかって言われるんですが、これがわかんなくって・・・いつも「は?」って顔してたら、お医者さんに「大丈夫、普通ですよ。」と言われて納得するんですが。今回の血圧測定器では「上112 下65」と出てました。あれ?これは日本と同じ・・・?
そうなんです、フランスでは ml ではなく cl で量るので、血圧も1ケタ繰り上がるのです。フランスで「血圧11」って言われると、それは日本式の「110くらい」なのです。

受付の後、さらに1時間ほど待たされる。そしてようやく診察室へ入る。
この時、夫にも一緒に入ってもらうことにしていた。早口のフランス人医師の問診への対応が大変なのもあるんですが、それ以上に、「きっとエコー検査するだろうから」夫にも見てもらおうと思ったんです。
問診後、医師が「実際見てみないとわかりませんねぇ。妊娠のごく初期だし。」と。そして触診の後、エコー。(妊娠してからのエコーはこれが始めてなので、ものすごくドキドキしました。はっきりと見るために、器具を下から挿入してのエコーでした。)
画面には何やら黒く丸いものが映っています。場合によってはひょうたんみたいに変形して見えます。何だろう?と思っていたら、お医者さんが「sac(袋)」だと。つまり、胎嚢のことでしょうか。それがきれいに正常な位置に確認できたそうです。(つまり、子宮外妊娠の可能性はゼロ。この時点でかなりホッとしました。)
診察後にお医者さんと再び話をし、「袋は見えたけど、心拍が確認されないから、胎児の生存の可能性はまだわかりません。1週間後にまたエコー検査をしてみて、それで心拍が見えなければ・・・」とのことでした。

一週間も待たなければならないだなんて・・・。
可能性としては、
「赤ちゃんは生きてて、妊娠も全く正常。けど、現状ではまだそれらが確認できるほど大きく育っていない。」
「妊娠事態は正常に行われたけれども、胎児がもともとなんらかの異常を抱えていて、自力で生存できる状態にないので、自ら成長を止めてしまった。(=胎児は死んでいる)」
の2つがありえると言われました。
よく考えてみてください。この2つは、全く逆のことを意味しています。つまり、前者は「赤ちゃんは生きている」のであり、後者は「赤ちゃんは死んでいる」のです。こんな重い2択の結果発表を、一週間も待っていなければならないのです。親になるって、大変なんだなぁ~と思いました。(こういうことも乗り越えていかなければならないので。)

妊娠急行(4) 「気になる出血(うすい血)」

2005-06-18 01:34:22 | 妊娠急行 (途中下車 編)
6月5日あたりから、茶色のおりものに血が混じるようになり、さらに7日あたりからは出血に変わりました。と同時に、いろいろと妊娠初期に関する情報がわたしのアタマの中に蓄積されてきました。それを整理して、今回のわたしの場合を考えてみると・・・
(1)ちょっとした下腹の痛みはあったものの、すぐに消えた。(異常な痛み、続く痛みは無い。)
(2)出血量は、生理開始日程度かそれ以下であり、異常な量ではない。(水のようにサラサラした薄い血。)
(3)出血は毎日続き、量が一定になってきた。
以上。1と2に関しては、危険材料では無い様子。3に関しては、今後どのように変化するのかによってまた違ってくるかも。

これらの事と平行して、6月1日ごろから出てきた「胸の張り」が少しおさまってきたのが気になりました。最初のうちは、乳首とブラジャーが擦れただけで痛みを感じていたのですが、そういう痛みが無くなってきたのです。これって・・・?
そういえば、胸のむかつきも貧血っぽさも、少し軽くなったような・・・?
(後でわかったことですが、この反応はアテにならないそうです。個人差も激しいし。)

この頃は、「一体どうなるの?」と思って不安で不安で、「普通」なのか「異常」なのか区別がつかず、誰かに判断してもらいたい気持ちでいっぱいでした。でも婦人科の予約は7月5日、かなり先なのです。。。
(一応、内科に言って相談してみたんですが、「そういうこともあるんですよ。でも、来週月曜日まで続くようなら、産科救急へ行ってみたほうがいいですね。」と。1週間も待てと言うのか???)

妊娠急行(3) 「気になる出血(茶色のおりもの)」

2005-06-18 01:33:46 | 妊娠急行 (途中下車 編)
妊娠した後で出血があったとしたら、それは流産の兆しなんじゃないのかと、ずっと思っていました。

6月3日ごろから、わずかに茶色のおりものが出てきました。
茶色というのは、つまり、古い血液が混じっているということです。
古いといえども、血ですよ、血。すっごく気になりました。夫に話してみたけど、「そういうことってあるらしいよ」と言うばかり。
わたしはあんまり気になるので、ネットでさんざん「妊娠後の茶色のおりもの」について検索。納得いく情報が出てくるまで、検索しまくりました。
そしてわかったことは、「下腹部に異常な痛みがあるか無いか」「血の量が増えていくかどうか」などによって、良くも悪くもあるということでした。

翌日、日本にいるお友達で同じく妊娠を希望しているMちゃんのところへ電話して、「妊娠したみたい」だと告げました。でも気になるモノが下りてきてると話してみたら、「妊娠しても生理みたいなのが来ることってあるらしいよ」と言うではありませんか。
妊娠後に生理??
そんなこと聞いたこと無かったのですごく不思議に思いましたが、確かに、ホルモンのいたずらってこともあるかもねと思って、電話の後でまたネット検索。そして妊娠後の月経について色々と知ることができました。
妊娠した後、それまであったホルモンにバトンタッチする形で「妊娠したら放出されるホルモン」が出てくるらしいのですが、すぐにはそれがきれいに切り替わらず、どっちつかずの状態で非妊娠時のホルモンも出てしまうことがよくあるらしいのです。それで、生理かも?と思うような軽い出血が起きてしまうんだとか。(これは全く危険性の無いものだそうです。)こういう出血の場合、下腹部に異常な痛みなどは無いので、大体において自分で判断できるようです。(が、やはり医師に診ていただく方が良いと思います。血が下りたからって大慌てしないでも大丈夫よ、ってことです。)

妊娠急行(2) 「血液検査」

2005-06-18 01:33:17 | 妊娠急行 (途中下車 編)
6月2日。
別に妊娠検査薬で陽性反応が出たからでは無いと思うんですが、昨日あたりからなんとな~く「2人」な気分のワタシ。上手い表現が出来ないんですが、「常に誰かと一緒にいる気分」なんです。たとえば、ぺこが常に洋服の中にもぐりこんでいて、襟元から顔だけちょこんと出してるような感じ。
胸のむかつきはあるものの、かなりばくばく食べるワタシ。「2人分食べてるの?」って義父母にからかわれながら、朝から果物を沢山食べる。(この頃から、食べられるものと食べられないものが出てきました。パンと紅茶がいつものワタシの朝食だったのに、それがちょっと辛くなってきたのです。)
体がだるいな~って思っていたのが、だんだんと貧血っぽい感じになってきて、普通に行動することがしんどく感じるようになってきました。こういう事がイッキに降りかかってきたので、まるで「精神的に妊娠したことに振り回されている」かのようなんですが、でもホント、検査で(+)が出たあたりから急に「妊婦」な感じになってきたのです。

午後、夫同伴で内科に行き、妊娠したことを告げる。
今の時代の検査薬かなりの精度だそうで、検査薬が陽性なら、ほぼ間違いなく妊娠してるそうです。(中には稀に、擬陽性ってこともあるそうですが。擬陽性とは、排卵日に反応しちゃうとか、そういうことらしいです。)
早速、「これから何をしなければいけないのか」を聞いた。
まずは「血液検査」を。そしてなんと、「産院探し」もしなければならないと言うのです。
パリ市内で産みたい!っていう妊婦さんがとても多いらしくて、妊娠がわかったら即刻産院を探さないと、後で大変なことになるんだとか。良さそうな産院の名前を2~3聞いておきました。

ウチの近所にあるラボでいつも血液検査してるんですが、ここは普通その日の夕方に結果が出るので、採血後にどこか買い物とかに出かけて、帰宅する途中にラボに寄って結果をもらえるから便利。
たまたま義母と買い物に出る予定もあったので、義母同伴で採血に行くことに。
ラボの窓口にて採血の処方箋を渡し、その場で支払。(ここはいつも、こうなんです。)支払を済ませちゃったもんだから、義母は「じゃ、夕方また寄りますね」って言って、出て行こうとする。オイオイ、まだ血、採ってないよ~。(義母、赤面。)
タダでさえ貧血っぽくてクラクラしてるのに、血を抜かれるだなんてね。その後義母と歩いてる時も、何度も息切れがしました。

夕方になって再度ラボに入る。
わたしが入り口のドアを開けた瞬間に「陽性ですっ」と受付のお姉さんが勢いよく答えてくれた。「は???」わたしは一瞬、何か聞き間違えたか、お姉さんが相手を間違えたんじゃないかと思ったんですが、お姉さんがゴソゴソと検査結果の紙を取り出してきて、「ホラ、陽性ですよ。」って。
義母に「よかったわねぇ~」と言われながら、ラボを出る。
ラボのお姉さん、義母の「失敗」etc.できっとわたしたちの事を覚えていたのでしょう。
翌日、義父母は「吉報」を胸に抱えて田舎へ戻っていきました。

妊娠急行(1) 「乗車」

2005-06-18 01:32:46 | 妊娠急行 (途中下車 編)
今年の春先から、マジメに基礎体温をつけてました。
5月下旬、前の生理開始日から45日を過ぎようというのに、まだ生理になりそうにないので、夫に「もしかして~?」なんて話をしてました。でも妊娠検査薬って高いでしょ?今まで2度試して(-)だったから、夫は検査薬を使うのをシブってたんです。(あくまでケチる夫。)
「妊娠したら、何かわかるだろ?感じるだろ?」って言う夫。そんなんわかるもんなんか??と疑いを持つワタシ。
妊娠したらどうなるの?と思ってネットで調べてみても、ごくごく初期のことはあんまり書いてない。実際に妊娠がわかってからの事なら沢山情報があるのに。

5月最終日、夫の両親がウチに泊まりに来た。わたしはここ数日なんとなく気分が悪くて軽い吐き気のようなものを感じ、食欲の感覚がヘンになっていたので(食べる直前までは全く食欲が無く、でも食べ始めるとけっこう沢山食べれる)、正直言って義父母と一緒に過ごすのは苦痛でもあった。昨日から眠くて仕方ないし、体がダル~イ。
6月1日朝、出かける義父母に「一緒に来る?」と誘われても「ううん・・・」って言って、結局こっそり家で昼寝しちゃってたワタシ。お昼すぎに義父母が戻ってきたのに気が付いたけど、体が心底ダルくて起き上がれない。でも、時々わたしはこういうことがあるので、あまり真剣に「妊娠したかも?」とは思ってなかったんです。
しかしさすがに義父母の手前、昼間っからグースカ寝てばっかり(しかも3時間ぐらい!)じゃイカンだろうって思って、言い訳?を探していたところ、「あれ?もしかして、妊娠したのかも?」と真剣に思い始めたのでした。妊娠したとたんにやたら眠くなったという体験談をネットで読んだことがあったので。

義父母が午後になってまた出かけた。家にはワタシ1人っきり。夫の帰宅を待って妊娠検査薬を使うかどうか聞いてみようかと思ったんだけど、夫に相談したところで、最終的に決めるのはワタシなんだし、夫の帰宅を待ってなんかいられない!って気分になってきて、結局、駆け足で近くの薬局へ行ったのでした。
「妊娠検査薬くださいっ」と、一応流暢に?言った。薬剤師さんも、にこやかな顔で売ってくれた。(こういうの売る時、一応神経使うのかな?とか考えてしまった・・・)
そして、帰宅して改めて検査薬を前にすると、ますます夫の帰宅なんて待ってられなくなっちゃったのです。

検査っ!

そして、立派な(+)が浮かび上がってきました。
最初は一瞬、それが何を意味するのかわかりませんでした。こう言うとすっごくヘンでバカみたいですが、実は、この頃からすでにアタマがボ~ッとしてたんです。(妊娠すると、アタマがボーッとしたり、反射神経が鈍ったり、記憶力が低下したりするそうです。)
しっかりと(+)は出ているが、+記号のヨコ線部分がやたら薄いんで、それがすっごく気になって気になって。もしかして、擬陽性ってヤツか?とか考えて、何度も自分の目を疑って。とりあえず、結果が消えないうちに写真撮っとこっ!(パチリ)
10分くらい経ってからまた検査薬を見たけど、変化無し。使用説明書を読んでみて、「結果が不明瞭な場合」の項目を見つけたので凝視。そこに3つ、図が載っていた。1つ目は「タテ線がやたら薄い場合」、2つ目は「全体的に薄い場合」、そして3つ目は「検査が正しく行われた時に表示される線が薄い場合」でした。ワタシのは、どれにも当てはまらない・・・。
ここで不安が訪れる。「一体何なんだ??」
で、改めて記号を見つめて、あれ?これって・・・プラスではないですかっ!と気が付いたのです。検査反応が出てから、すでに15分は経過してたんじゃないでしょうかね。(遅すぎ!)

そうこうしていたら、夫が帰宅してきました。で、写真を見せると・・・
「マジ? マジ?」と。信じられない!という反面、やたら嬉しげな夫。
「でも、まだちゃんとした検査してないからね。正常な妊娠かどうかはわからないよ。」と言うワタシの言葉をちゃんと聞いてはいるものの、やはり嬉しさが先に立つらしい。
義父母が戻ってきたので、同様に写真を見せると、義父母はポカンとした顔をしてました。(彼らの時代には、こういった検査薬など無かったので、コレが一体何なのかわからなかったらしいのです。)義父が写真に写ってる「Enceinte(+), Pas Enceinte(-)」という部分を読んで、初めて「妊娠したの!?」と。それを聞いてようやく義母も理解した様子。
「Bravo Yaco !」
義父母にとっても、待ちに待った息子の子。孫はすでに1人居ても、やはり息子の子どもの顔も見たいに違いありません。

その日のうちに、夫が内科へ予約を入れ、わたしのかかりつけの婦人科へも電話。(しかし、婦人科はすぐには予約が取れず、7月5日の診察になってしまいました。長すぎじゃっ!)

妊娠急行(序章) ~乗車から途中下車まで~

2005-06-18 01:32:05 | 妊娠急行 (途中下車 編)
はじめに。

 今回自分の体験をブログに載せようと思ったのは、自分が妊娠したことがわかってから散々ネットで情報を探し、いろんな妊婦さんたちの体験談を読んだからなんです。沢山の方の体験談をアレコレ比較し、産婦人科のお医者様の作るサイトで勉強し、自分の状況が危険であるのかそうでないのか、異常なのか普通なのか、おおよそ知ることができたからです。今回のわたしの経験した話は「これから妊娠を考えている人たち」の参考になるだろうと思うので、この場にて公開することにしました。
 こういう話について全く知りたく無いと思う人もいると思うので、興味のある人たちに読んでもらえたら、と思います。(興味の無い人は、スッ飛ばしてくださいね。)
(写真上は妊娠検査薬の反応、下は胎嚢のエコー映像&胎嚢排出のために服用した薬です。)

では、まず全体の流れからお話します。

(5月末、生理の遅れが目立ち、胸が軽くむかつくようになる。)
<1>6月1日 市販の妊娠検査薬にて陽性反応が出る。
<2>  2日 かかりつけの内科医に相談し、血液検査の結果、妊娠が確定される。
<3>  3日 わずかに茶色のおりものが。 5日、それに加えてわずかに血が混じる。
<4>  7日 薄い血液が下りてくるようになる。(内科にて相談。)
<5> 10日 出血が続くので内科にて相談。産科救急へ行く。(1回目)
<6> 13日 出血が少なくなってきた。(わずかずつ、貧血や胸のむかつきが軽減。)
<7> 17日 ラボにてエコー検査の後、産科救急へ。(2回目)妊娠停止と言われる。
<8> 18日 胎嚢排出のため、薬を服用する。

こんな感じでした。
わずか17日間の間に、いろんなことが起こっていたワケなんです。
ではこれから、各ステップの詳しい内容を書いていきますね。