フランスのテレビってトーク系の番組が多くて、そのうち半分くらいは相当つまんない内容なんじゃないかって気がする。もともとフランス人は、テレビが存在する以前からコミック(劇場でやるやつ。日本で言うなら漫才か?)が好きで、そこには高度な言葉の芸術とも言える表現が盛り沢山で、アタマの良い人はより高度なものを見ては笑い、さほど教育の無い人は単純かつ愉快な内容で笑ってたんだと思う。けど、それが今はテレビでいとも簡単に視聴覚の刺激が得られるようになり、そしてつまりは堕落の一途を辿っているんじゃないかって気がする。
フランスのつまんなそうなトーク番組は傍から見てると、中途半端でつまんない芸人や俳優なんかの、いつも同じ顔ぶれ。
そんな中、わたしがフランスに来た当初は朝7時から9時まで「morning live」という番組をやっていて、コレをやってた人たちはまるでダチョウ倶楽部のようなノリでとにかく下品な内容の一発体当たりネタで笑わせてたんだけど、他のトーク番組では見られないストレートな笑いに、ついつい早起きしてはテレビのスイッチを入れていたのでした。(話してることが良くわかんないので視覚的に笑えるものを求めてたという理由もある。)しかしある時を境に彼らのうち1人が有名になってしまい、その番組はメンバー総入れ替えでタイトルも変わり、つまんなくなった。(またしても、堕落。)
「モーニング・ライブ」時代には、メガホン持って(時には半裸で)いろんな所へ駆け込んで行き(交差点から老人ホームまで)、そこで「モォーーーーニング・ラーーーーーイヴ 朝7時から9時までやってるよ!」と番組の宣伝をしてたのでした。時には警官と追いかけっこしながら。(笑)日本で目覚ましテレビなんてやってる時間に、フランスではそんな深夜番組みたいなモノを放送していたのでした。
そんな彼ら、オリンピックの時期にはチープにオリンピックを再現して見せたり、公園で「犬の散歩」ならぬ「ウサギの散歩」(with 皮を剥がされたウサギ肉! 笑)をしてみたり。とにかく、予算の少ない番組の中で何か奇抜なことをしようとがんばっていた彼ら。CDを出して(ここで番組終了)、映画を作って、そしてだんだんつまんなくなっていったのでした。
彼らのリーダー格だったミカエル・ヤング?(Michael Young)という人は、ピンで劇場に立ってます。例の番組後に「お尻出し芸人」として有名になった彼の芸なので、内容的にはその路線だと思うのですが、劇場で1時間半ほどの間それだけでは持たないと思うので、案外面白いことしゃべってるのかも。
この人の宣伝ポスターがけっこう面白くて。パリの街中にあるあの丸い広告塔に、巨大なスーツ姿の彼のポスター。スーツの上着の前をバン!と両手で開いてる。でもやっぱりズボンは下ろしてる・・・。でも腰の部分だけはお肌は見えず、全て骨。まるでレントゲン写真のよう。そしてその股間の部分には人間の指の骨?のようなモノが。。。(こういう感覚は、いかにもフランス的だという気がするのです。)
この人をTVで見てはワタシが「面白い」と言っていたので、なんと夫がその巨大なポスターを家に持ち帰ってきました。(1年以上前の話。)どうやって取って来たのかと言うと、たまたまポスターを交換してた現場に出くわしたので、おじさんに「そのポスター、捨てるならちょうだい」って言ってもらって来たらしいのです。コレ、ウチにいまだにあります・・・。
上品ぶってコムヅカシイ内容で笑って見せたって、つまんない時にはつまんない。時に笑いの原点として、体力勝負な内容を見るのもイイんじゃないかと思います。
で、その「モーニング・ライブ」の後続番組は何年も見ていなかったんだけど、先日たまたま見てみたら、なんと久々に「ズボン下ろし」をやっていた。
ジョギングしてる一般人の後ろからこっそり付いて行き、ズボンをガッと下ろす。ただそれだけの内容だけど、笑えます。(で、ちゃんとパンツは下ろさずズボンだけ下ろしてるので、これはこれでテクニックが必要なんじゃないかって気がします。)数人分を放映してて、一番最後のは、ズボン下ろされた人が怖い顔して怒ってくるヤツで、「隠しカメラ番組なんですよ」って言って慌ててフォローする“ズボンを下ろした”張本人。でもカメラがあるから何やっても許されるってわけじゃないよねぇ。(笑) その後、ぼこぼこにヤラレてしまったのかどうかは不明・・・。
でも久々にそういう路線のも見れて、ちょっと楽しかったです。(日本だとしょっちゅうこんなのやってるかもしれないけれど。)
そういえばMTVで体力勝負なことばっかりやってるお笑い番組やってたけど、アレは英国のだったと思う。(英語だったし。)
フランス人にももっとTVを面白くする努力をしてもらいたいなぁって思うのでした。