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中小企業での販売管理プログラムの作成についての所感

最近の市況

2008年07月12日 21時26分55秒 | Weblog
このブログはコンピュータ関係のメモ代わりに記録していますが、本業は工業薬品の販売です。
よく、「原材料の高騰」ということが言われますが、基礎薬品を販売しているとそれがよくわかります。こういった傾向は2年くらい前からあり、当時は「北京オリンピックの影響で中国の景気が非常によいため、輸入原料が値上がりしている。」という説明をよく聞きました。ならば、値上げも北京オリンピック景気が終わるまでか、長くても2010年に中国で予定されている、万国博覧会までと予想されていました。それも、中国の購入品の支払いがチャント決済されれば、という条件付きでした。

ところがここにきて、値上げの説明は必ずしも中国一辺倒ということではなくなってきています。基礎化学品の代表格である、苛性ソーダの値上げは内外価格差の是正というという意味合いが非常に大きいです。
輸出価格の代表値とも言える、オーストラリア向け価格トン当たりは2008年下期495ドルで決まりました。この価格は2006年上期245ドル、2002年下期59ドルと比較して異常に高価格です。
495ドル×105円/ドル=51,975円/トン
でキロ当たり52円ということになります。しかもこの価格は運賃が含まれないFOB(メーカー置き場渡し)です。10tローリーの運賃を3万円とすると、固形分の運賃はキロ6円(48%苛性ソーダの固形分だけで計算します)になります。置き場52円は納入価格として58円相当です。この価格は大量に消費している紙パルプメーカーの購入価格(たぶん40円台)と比較するとかなり開きがあります。

何が言いたいかというと、海外価格と国内価格との間にかなり差があるということです。

こういった価格差は苛性ソーダにかぎりません。今、特に問題になっているチッソ、リン酸、カリといった肥料原料となるような化学品はさらに深刻です。それぞれ全く違った理由で値上がりしているのですが、全く、右肩上がりで値上がりしているという状況は同じです。
こういった、理由が違うが、様子が同じということを全体的に考えてみると、産業革命以来、安い原料に工業的な加工を加えて比較的安価に販売するという構造が変わってきているとしか思えません。

やはり、問題の原因は、中国、インドという2大、人工大国が先進国化していることにあると思います。2国合わせて20億以上、世界人口の約1/3が付加的に先進国化するために現在の原料数量そのものが不足しているということだと思います。そのため価格が上がります。
これまで、価格が上がれば、原料開発のコストが十分ペイできるため生産数量が増え、価格がまた下がるという構造がありましたが、今回の薬品価格の高騰は一筋縄ではいきそうもありません。人口問題あり、元々大して数がありもしない鉱山開発保証の問題あり、原因が多岐にわたっています。要するに高止まりする可能性が高いということです。

結果として、全世界の人が平均的に生活レベルを下げていくということになれば、ハッピーですが、実際にはそうはならないと思います。片や食べていくのがやっとという国もあれば、札束で頬をたたいて原料を購入してこれまで以上に先進的で浪費的な生活をおくることが可能な国あり、とさらに差が広がっていくのではないかと考えています。それはとりもなおさず国際的な治安の悪化につながります。

最近の扱い商品の高騰を見ていると、色々と考えてしまう今日この頃です。
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