音楽の喜び フルートとともに

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レハール

2009-06-23 20:25:43 | 近代

今年も、庭の擬宝珠が咲きました。北向きの庭の塀沿い、影の濃いところに咲きます。楚々とした山野草の風情が、はかなげで美しいです。宝珠のような葉は、お料理の時、ハランのような使い方もできます。

「メリー・ウィドウ」の作者フランツ・レハール(1870年~1949年)は、ハプスブルグ・オーストリア生まれのドイツ人。活躍した場所はベルリンやウィーン。大衆に愛される美しいメロディーで有名です。
生前に成功した音楽家ですが、この時代の音楽家にもれず、ナチスとの関係に苦しんでいます。

「メリー・ウィドウ」はヒトラーに愛された歌劇です。レハールもヒトラーにそのスコアを送ったりしています。そのおかげで、ヒトラーに庇護されています。
「微笑みの国」を作詞したユダヤ人作家フリッツ・レーナー・ベーダーは、強制収容所送りを免れようと、レハールを頼りますが、レハールの妻はユダヤ人。そのことをナチスに持ち出されて、沈黙してしまいます。
レーナー・ベーダーは強制収容所に送られ、1944年死亡します。
レハールは35年を最後に新作を発表しませんでしたが、戦後ナチスの協力者として、非難されました。

レハールこそ、現代の私達、政治に関心がなく、自分の小さな身の回りのものだけを大切に生きている大半の人々と繋がる気がします。
だからこそ、彼の音楽は大衆のものだったし、特別な英雄でないレハールは友人の苦境に沈黙した。
・・・こんな選択をする立場にはなりたくないものです。
1935年がウィーンのオペレッタの終焉の年と言われています。
そのすぐ後、世界は楽しい夢から覚めて、人の作り出す地獄を見たのです。



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