[ドラマ紹介]
タイ発のクライムミステリー。
業績不振の保険会社から
くじ引きで解雇されたトゥムは、
自宅の前に届けられた箱を明けてみると、
そこには、莫大な金額の札束が入っていた。
部屋番号の「6」が
ネジの緩みで逆転して「9」になっており、
間違って届けられたらしいのだ。
それは、犯罪組織が取引相手に渡す予定の金であった。
すぐに怪しい男が二人押し入って来て、
金を奪おうとするが、
殺されそうになったトゥムが
とっさに持った包丁で刺されて死んでしまう。
(正当防衛だ)
その上、別なボスによって送られた男が
クローゼットに隠れていると、
隣室の麻薬扱いのグループの偵察を頼みに来た警官と
撃ち合って、二人とも死んでしまう。
なぜか死体が増えていく。
一度は警察に出頭しようとしたトゥムだったが、果たせず、
死体の処理に箱を買い、
階下の住人の話からヒントを得た、
沼に箱を捨てようとするが・・・
ひょんなことで事件に巻き込まれた不運な女性が
もがけばもがくほど窮地に陥る、
という展開が面白い。
これに、階下の女性と警官の関係や、
保険会社のCEOと
麻薬のボスの暗躍や
ラッパーの入れ墨騒動などがからむ。
様々な人間の思惑が
あるマンションの中で展開し、
どんどん死体が増えていくのがブラックで、
何だかタランティーノの映画みたいだった。
と思ったら、
このドラマ、
1999年の同名映画のドラマ版で、
監督・脚本のペンエーグ・ラッタナルアーンは、
「タイのタランティーノ」と呼ばれているらしい。
オリジナル作品は、
各国の国際映画祭で絶賛されたという。
死んだ者を運ぶ天使たち(天使には見えない)が
車で(なぜ)死者受付係の前に死者を連れて来て、
受付の中年女性が本名を入力して、「Deleat」キーを押して
天国(または地獄)に送り込む、
というシステムが笑わせる。
(天国もコンピューターを使うのか。)
で、この経緯が、
後でとんでもなく可笑しい展開を呼ぶ。
これも笑える。
背景にタイ政治の混乱が置かれているのも興味深い。
窮地に陥ったトゥムが
親友まで殺され、
偽造パスポートでフィンランドに逃げようとするが・・・
その結末はご自身がお確かめ下さい。
拾い物のタイのサスペンス。
もう少しテンポを上げてもいいのでは、と思うが。
Netflixで配信中。
6話完結 計4時間37分
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