午睡前、子どもたちの大好きな絵本タイムが始まります。
ひざのぬくもりを感じながら読んでもらう絵本はもちろんですが、園長先生から
作ってもらったベンチに、友だちと一緒に体を寄せ合って見る絵本も子どもたちは大好きなんです。
その日は、『はじめてのおつかい』(福音館)を読んでもらいました。
赤ちゃんから手の離せないお母さんの代わりに初めておつかいを頼まれたみぃちゃんのお話。小さな手にしっかり200円をにぎりしめて牛乳を買いに行くのですが、途中でころんでお金を落としてしまったりお店に着いても大きな声で
「牛乳くださーい」 と言えずにモジモジしてしまう場面に、ゆみはりづき組の子どもたちも すかっりみぃちゃんになりきって固唾を飲んで食い入るように見入っていました。
落としたお金が見つかった時の喜びの顔や、勇気をふりしぼって大きな 声を出したおばさんに気付いてもらった時の安堵感。子どもたちの表情がみぃちゃんと一緒に心の中で大冒険をしていたのが手に取るように伝わってきました。
絵本が終わって・・・
R君が「よかった・・・」とつぶやきました。「R君はおつかいできる?」と聞くと「小さいからまだできないよー」と答えながらしばらくじーっと考えている様子。すると「あっ!ママと一緒ならおつかいできる!」とかわいらしい返事が返ってきました。
おつかいに限らず、ゆみはりづきの子どもたちにとっても、日々の生活の中で初めて体験するものは、大冒険
一人ひとりの不安と喜びに共感しながらワクワク・ドキドキするような体験をたくさんして欲しいと願っています。
なんでも「自分で~」と自立への旅に踏み出している反面、「できない」「やって」「抱っこ~」と自立と甘えの間を激しく揺れ動かしている子どもたち・・・甘えを温かく受け入れ、じっくりと子どもの思いに寄り添って励ましていくことで、子どもたちは安心して次の世界へ飛び出していけるのだと思います。小さな冒険者たちを応援してくださいね~