虫探しが大好きなてんのうせい組の子どもたち。
日頃からダンゴムシ、おなら虫(通称ごみ虫)、てんとう虫など様々な虫を見つけ、捕まえることを楽しんでいます。
「ご飯は何を食べるのかな?」「どんなお家なら喜ぶかな?」捕まえた後も考え飼育する姿も見られています…が色々な遊びに興味が湧いている子どもたち。
他の遊びもしたい!の思いから毎日のお世話は難しい姿がありました。
捕まえてはお世話が続かずに生き物が死んでしまう…
そんなことが繰り返されていました。
小さな生き物の命を大切に思い、気に掛ける姿が今よりも増えたらいいなあ
そこで「担任がまず命を大切にしている姿を見せたらどうだろう」と考え、職員から譲り受けたアゲハチョウの幼虫の飼育を私が主となって始めました。
葉っぱをあげたり、ケース内の掃除をしたり、日々観察を行なったり。
すると次第に「アゲハの幼虫葉っぱ食べてた!」「おっきくなってる!」と私よりも率先して観察を行う子どもたちの姿が増えていきました。
幼虫はさなぎになり、その後も毎日その様子を観察している子どもたち。
そしておとといの28日、お泊まり会の活動を終えホールで片づけを行っていると、
ダダダダダダ…(廊下を走る音)
「先生!アゲハ生まれた!!!」
驚きと喜びの表情で溢れた子どもたちがアゲハチョウの誕生を教えに来てくれました!
その後も「綺麗…」「あ!羽少し動いた!」「今日誕生日だね」「おめでとう!」「お花あげてお祝いしたら?」などと話ながらアゲハ蝶の誕生を喜ぶとともに、じっと観察している子どもたちの姿がありました。
そんな中、飼育ケースが狭そうということに気づいた子どもたちは、大きいケースへの引っ越しを考え始めました。
園内に大きなケースはないか探し回りました。
しかし、使えるのは以前クラスで二ホントカゲを飼育していた蓋のないケースのみ。
「ないなら作っちゃえば?」
そんな職員のアドバイスを受け、懸命にベニヤ板を切り蓋を作ります。
「疲れた~」「手が痛い」
そんなことを言いながらも一生懸命に板を切り続けました。
一日では終わらず、なんと2日かけてやっと完成!
やすりもかけて急いでアゲハチョウのケースに取り付けました。
引っ越しの瞬間はたくさんの子どもたちが「やったー!」と話し、笑顔で見守っていました。
その後ベリーベリーのお母さん方からお花を譲ってもらい、アゲハ蝶のお家が完成!
今も「密飲んだかな~」と観察している子どもたちです。
初めは私が主となって始めた今回の飼育活動。
しかしいつの間にか、アゲハ蝶を大切に、大好きに思う気持ち、命を大切に思う気持ちは子どもたちのほうが上回っていたようです。
そんな子どもたちの思い、そして考え行動する力には驚き感心するとともに、担任として子どもたちのことを誇らしく感じました。