DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

たらちゃん

2019-03-04 11:08:57 | 【DV加害者更生教育プログラム】

50代参加男性Hさん


題:タラちゃん
インナーチェンジングセラピーをする時に、幼児期の出来事を思い出すことから始めました。
私は3才半まで母の実家で育ちました。
当時は戦後10年ほどで住宅事情が悪かったのと、母が病弱だったことから結婚した両親が母の家族と同居をしていたのです。
幼児期のことで、具体的に思い出せるのは多くはありません。
年齢の近い叔母に弟扱いしてもらい、少し遠いところにある公園にいつも連れて行ってもらったこと。
祖父にお風呂に入れてもらったこと。
夏の暑い日に近所の牛乳屋に連れて行ってもらい、冷蔵室から出したばかりの冷たい牛乳を飲ませてもらったこと。
他にもいくつかは思い出せるが、そんなに沢山はありません。
でも、思い出せなくても、真綿で包まれたような暖かい気持ちになります。
まるでサザエさん家のタラちゃんのような生活だったと思います。
そのような理由でインナーチェンジングセラピーは全く進まなくなりましたが、私は忘れていた大切な思い出を掘り当てました。


リエゾンからのコメント


生い立ちにおいて、暖かく包まれて、自由にのびのびと育っている場合、インナーチェンジングセラピーをする必要がない場合があります。本人はさほど困っていないのです。本人が困っていなければセラピーの効果は上がりません。ではなぜDVをしたのかというと、社会からのメッセージを取り込んでいたのです。
その場合は、事例研究で改善されていきます。改善も早いです。


改善に時間がかかるのは、親からの虐待を受けている場合です。過干渉も含まれます。

インナーチェンジングセラピーをしていて、毎回、子どもたちはこんなに傷ついていると実感します。筆舌に尽くしがたい様子も時々あり、小さな子どもたちが必死で耐えてきたのだなぁ、と悲しくなります。テレビでも虐待のニュースが絶えることなく流れ、言葉もありません。私が交流分析によるDV更生プログラムをしようと思ったのは、CAP(子どもへの暴力防止プログラム)で小学校に赴き、ワークをしながら子どもたちの行き詰まり感を感じたからです。親の不仲や、虐待で悲しい思いをしている子どもたちを目の前にして大人達を何とかしなければと感じたからです。虐待の連鎖を止めないとDVもなくならないのです。

今私たち大人が真剣にこの問題に取り組まないといけない時期に来ています。遅過ぎるくらいです。

年間に何人の子どもが亡くなっているのか見てください。

平成24年98人(心中含む。第8次報告厚生労働省)
平成25年99人(心中含む。第9次報告厚生労働省)
平成26年90人(心中含む。第10次報告厚生労働省)
平成27年69人(心中含む。第11次報告厚生労働省)
平成28年71人(心中含む。第12次報告厚生労働省)
平成29年84人(心中含む。第13次報告厚生労働省)
平成30年77人(心中含む。第14次報告厚生労働省)これは月6人から7人の子どもが亡くなっていることになるのです。

私たちは実際テレビなどで何件くらい虐待死亡のニュースを耳にしているのでしょうか。
2人から3人かと思われます。全てを流さないのは何故なのか、流したらどうなるのか、取り上げられている子どもとそうでない子どもの差は何なのか。

警察庁発表は

平成24年27人(心中含む。警察庁)
平成25年31人(心中含む。警察庁)
平成26年22人(心中含む。警察庁)
平成27年22人(心中含む。警察庁)
平成28年31人(心中含む。警察庁)
平成29年27人(心中含む。警察庁)
平成30年19人(心中含む。警察庁)同じ行政とは思えない発表数の違いは一体何なのでしょうか。
多くの皆さんが目に触れる新聞発表は警察庁でした。その時に小さな字で(逮捕検挙に基ずく)と書かれてありました。本当に亡くなっている虐待死亡者数ではありません。


実際に亡くなっている数字は厚生労働省発表の方です。


虐待される子どもを減らせないと、未来にDVをする大人も減りません。殴られて育った子どもだけがDVをするのではありません。
過干渉を受けて育った子どもも同じなのです。

大人のどのような行動が子どもを傷つけていくのか、分かってほしいのです。でも、心のどこかで、子どもを思い通りにしたい大人たちが変わることは、かなり厳しいとも感じています。自分に実害が出てからでないとわからないのです。


冒頭のたらちゃんのように、ほんわかと温かくなるような思い出がある大人たちがどのくらいいるのでしょう。大きな怖い怒鳴り声のない穏やかな家が、毎日毎日喧嘩を見せられることのない家がどのくらいあるのでしょう。

被害に遭う妻たちの子どもの頃の傾向は、80~90点を取っても駄目だと怒られる(80以下は論外)、お母さんの愚痴の聞き役をしていた、両親の夫婦仲が悪いなどです。

たらちゃんは、暴力とは無縁にありのままでのびのびと暮らしていたでしょう。安心な家がどうしたら増やせるのか、それはこの活動を信じて続けることだと私は思っています。



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特別授業

2019-03-03 20:12:08 | 【DV加害者更生教育プログラム】

(男性スタッフから)

特別授業
家族と別居中は、年末年始の華やかな時期は寂しさが身にしみます。
その時期に中島さんが特別授業を開いてくれます。
授業のメインはペーシングですが、それ以外にも趣向を凝らしたワークを用意してくれます。
特別授業には遠方に転勤になった方や、卒業した方も集うので楽しい会になります。
今は寂しく辛いが、更生して家族を再生させる気持を強くして年末年始を乗り越えました。


リエゾンからのコメント

昨年の特別授業は弁護士の上谷さくら先生をお招きした時と、年末のペーシング授業との2回でした。
年末に毎年恒例で行うペーシング授業は相手との呼吸を合わせるものです。
これは妻との呼吸を合わせる練習になるのですが、大変興味深いものです。

このような授業をどこで教わっているかというと、交流分析協会のインストラクター研修会になります。


年に2回行われている研修会ですが、全国から来る会員の方と一緒になります。

皆さんがなぜ交流分析を学ぼうと思ったのか理由は様々ですが、学んだことで確実に一歩進めたこと、道が見えたこと、生きやすくなっていったこと、などは共通点だと思います。

少しでも多くの方に交流分析を伝えて、心の仕組みをわかり、自分の脚本を自分で変えられるように、これからも様々な特別授業を用意していこうと思います。




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