DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

自分の中の子どもたち

2019-04-21 14:27:49 | 【DV加害者更生教育プログラム】
30代男性Nさん

グループで参加者の方が、中学生と小学生の子供がカードショップで1000円以上するカードを買ってきたことに対し、注意をしたということを話されました。
そのことの是非とは関係ありませんが、そのことを聞いて、自分の経験を思い出しました。

まだ子供が生まれていない、妻と二人で暮らしているときのことです。新婚1,2年の頃のことだと思います。
妻が町の団子屋さんで1本60円ほどの団子を3本買ってきてくれました。 「美味しそうだったから、買ってきたよ」
それに対し私は、 「俺が普段節約してるのに、よく平気でそんな無駄遣いできるね」 と答えてしまいました。
3本買っても、180円です。毎月の生活費、食費に比べたら、どれほどわずかな金額でしょうか。

共働きで、生活費に困っていたわけでもありません。 妻は「喜んでくれると思って買ってきたのに」と悲しそうな顔をしていました。

節約は時には大切なことです。しかし、日々の生活費数百円をケチることで、夫婦の仲を悪くし、誰かを傷つけるための節約なら、全く必要ないことです。

なぜ、私がそのように答えてしまったかを考えました。

私は子供のころ、ゲーム、マンガ、ジュース、当時流行っていたビックリマンシール、ミニ四駆といったものを、親にほとんど買ってもらえませんでした。友達が話しているゲームの話にもついていけませんし、友達の家で一緒にゲームをやっても慣れていないため、すぐにゲームアウトになってしまいます。お小遣いもありませんでした。

風邪をひき小学校を休んだ時に、特別にと買ってもらったコロコロコミックというマンガ本を何度も繰り返し読み、風邪が治ってからも、あらすじも覚えてしまったマンガを読んでいた時、母に 「そんなために買ったわけじゃないからね。もう買わないからね」 と、私が悪いことをしているかのようなに言われたことを覚えています。
ジャンプやマガジンなんて一度も買ってもらったことも、買ったこともありません。

外食や旅行の電車内で、親がビールを飲んでいるとき、私もジュースを飲みたかったですが、お茶を買い与えられました。

親からすれば、おそらく良かれと思ってやったことかもしれません。虐待と全く異なるもののようですが、似ている点もあるかもしれません。

子供のころの親の影響に縛られたまま、妻と結婚してしまった私は、自由に自分の好きなものが買えない、買うことに罪悪感を持ってしまう不自由さを自分の中に抱える一方、欲しいと思ったものを躊躇なく無邪気に買える妻がうらやましく、先ほどの言葉が妻に出てしまったのだと今では理解しています。

特に子供でも買える数百円程度の買い物であるからこそ余計に刺激されたのかもしれません。

数万円もするような買い物ならば、判断するのは理性を持った今の大人である私です。

しかし、買っても買わなくてもどちらでも構わない、数百円程度のお団子を買うかどうか判断するのは、純粋に欲しいと思う自分の中の子供なのです。

「お前は何も考えずに楽しそうに団子を買えていいよな。俺は団子を買うにも苦しい決断をしないと買えないんだぞ」といった思いが無意識に沸き上がり、しかしその苦しみにも自分で気付いていないのです。

それが妻への心ない言葉となってしまうのです。

妻からしてみれば、せっかく喜んでもらえると買ってきたのに非難され、困惑し、腹も立ったことでしょう。

自分の中の、遠い過去に親から与えられてしまった不満、鬱憤、悲しみ、悔しさ、我慢・・・ そんな味わう必要は何もなかった、自分でも気づいていない消化できていない気持ちがあなたの心の中にあるかもしれません。 その気持ちが、今の大切な家族である、あなたの人生のパートナーやお子さんに悪影響を与えていませんか。
一歩を踏み出してリエゾンへ連絡を取ってください。あなたとあなたの大切な家族がこれからも幸せに生きていくために、今まで知らなかったことを知ってみませんか。

「買ってきてくれてありがとう、おいしそうだね。二人で分け合って食べられて幸せだよ」と妻に答えられていたらと、10年近くたった今でも涙が止まりません。





リエゾンからのコメント

 彼の後悔の強さが伝わってきて読んでいると心が痛くなります。

「おいしそうだったから、買ってきたよ。」「ほんとだ、美味しいね。」

「おいしそうだったから買ってきたよ。」「よくそんな無駄使いができるね。」

ずいぶん違う風景です。前者は心が温かくなり、後者は心が寒々とします。

「美味しいね。」と言い合える夫婦を目指しているリエゾンの学びですが、なかなかそうはいかないのが現状です。


なぜなら自分の親の多くはそうでなかったからです。仲良い両親を見て育っていたら
「おいしいね」と言い合える夫婦になっていたかもしれません。

親もまた、そうでない親に育てられています。

きりのない伝搬です。


だからこそ、ここから「おいしいね。」と言い合える夫婦になっていくことを目指していきたいのです。

そんなことあり得るわけない、と感じられる方もおられることでしょう。でも夢物語ではありません。しかし、そこに辿り着くにはインナーチェンジングセラピーの力がどうしても必要になります。


インナーチェンジングセラピーは自分の中の子どもたちの声に耳を傾けます。悔しかったこと、悲しかったこと、無力感を感じて何もする気にならなくなったこと、どうせダメだろうと諦めてしまうようになったこと、いつも誰かと比べられてきたこと、自分はダメだと自己卑下をしてきたこと、自分の価値なんかないと思い込んできたこと、怖くていつも震えていたこと…

自分の中に確かに存在している小さい頃の自分の記憶が訴える感情に耳を傾けます。

その感情をインナーチェンジングセラピーで消化させていくことが「おいしいね」と言い合える夫婦に近づいていくのです。

記事の男性Nさんの後悔は妻には届きませんでした。Nさんは心の底から皆さんに訴えています。

「今、あなたが改善の努力をすることでまだ受け取ってくれる妻がそこにいるのなら、このチャンスを無駄にしないでほしいのです。妻がずっと待ってくれるとは限らないのです。」と。












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