報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

イサンの正月

2006年01月07日 17時24分12秒 | 軽い読み物
イサン(タイ東北部)、ウドンタニ市郊外の静かな農村。

冷たく気持ちよいタイルの床に茣蓙が引かれ、
料理とビールが並べられる。
親戚やとなり近所の人が集まってくる。

こちらのお正月も朝から酒盛りとなる。
お酒は、ビールを”ロック”で飲む。
元旦前後の4日間は毎日宴会の日々だった。
宴会と言っても、盛大でもなく堅苦しくもなく、
質素で、輪に入りやすい気さくなもの。

道行く人も酒盛りに引きずり込まれる。
隣近所を仕切る無粋な塀もなく、
腰の高さほどのわずかな垣根があるだけ。
通りを行きかう人も見えるし、通りからこちらも見える。
仕切りのない、とてもオープンな空間。
こころの垣根がとても低いからなのだろう。

豊かな自然に囲まれた酒盛りの輪の中にいると、
とても満ち足りた気分になってくる。
都会で育った我々は、回り持ちのように、
”日本も昔はこんな感じだったんだろうなあ”
と、順番につぶやいた。