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小偸鬥大賊

2010-12-30 00:01:10 | 成龍的電影
今回は73年に富豪影業が製作した『小偸鬥大賊』(The Rats )についての記事です。

これは現代劇で香港の街路でのカーチェイスなども楽しめる作品で、この映画の作られた73年頃にはこういった現代劇、例えば『小老虎』や『黒龍』などをはじめとして数多く作られている。

この映画を監督した羅棋(ロー・ケイ) は『小偸鬥大賊』と同時期には国内DVDが発売中止となってしまった『老虎殺星』を監督したり、他の協利作品で監督をしていた。(武術指導:程小東)

この映画には当時人気だったアラン・タンが主演している。映画の肝は”あるグループ”の映画だということ。一体、そのあるグループとは?

構成されるそのメンバーの面々は、チャールズ・チン、リディア・サム(沈殿霞)、ウィリー・チェン(陳自強)、ポール・チャン(張沖)、パトリック・ツェー(謝賢)、陳浩、そしてアラン・タンのメンバー構成となっていた。そう!アラン・タンは”銀色鼠隊”という当時形成されていたグループの一員だったのだ。

後述する中国語の文献によれば他にも張森らがいたとされているが、張森や主要メンバーたちは元は例えば國泰(キャセイ)の『劍魂』(71)や『浪子之歌』(71)などに出演し、当時キャセイの副社長だった陳自強を含めさまざまな映画を作ることになる。
結成した時期は不明なのであるが、メンバーが結集して張沖監督で撮った『銀色大隊』 (74) などが作られた74年頃が人気のピークであったと思われる。

面白いのはメンバーがそれぞれ製作会社を持っており映画を製作していたことである。例えば、リーダー格の張沖の会社・張氏兄弟影業での『蕩寇三狼』(73) や陳浩は昆仲影業で『應召男郎』(74)を。謝賢は謝氏兄弟公司の『明日天涯』(73)、アラン・タンは博文公司で『亡命浪子』(73)を撮るなど各会社で自由な映画制作を行っていたのである。(『愛慾奇譚』(73)では張森監督でメンバーが総動員されていたことも・・。)そうであるからこの隊のメンバーたちが協利や関連作品に出演することは何ら不思議なことではない。

また、『小偸鬥大賊』には当時リディア・サムの近い距離にいた秋官ことアダム・チェンも出演しており、彼のプライベート・サイトでは若かりしアダム・チェンの当時の貴重なスチールが掲載されている。
http://www.adamcheng.net/bbs/viewthread.php?tid=717&extra=page%3D1


内容は、湯錦棠(白天名義)演じる悪党相手に泥棒四人組(アラン・タン、アダム・チェン、マース、徐小明)が奮闘する姿を描いた作品となっている。

若者四人組

特筆すべきなのは、この映画が”ジャッキー・チェンの出演している映画”であることだ。
香港で出版された『成龍(傳)』という文献には72年の朱牧が設立した大地公司で『頂天立地』『女警察』などに出演したと記述の後、第5章にこの映画に出演の記述が出てくる。
 『女警察』より

この『女警察』で意気投合してジャッキーの友人となったチャールズ・チンだが、『小偸鬥大賊』はチャールズ・チンが窓口となって出演したとも思えるがチャールズ・チンは出演もしていない。この映画の場合はアラン・タンおよびリーダー張沖と胡錦ラインが強くその線が濃厚だ。おそらくはその流れの一本に数えられるだろう。胡錦さんはもちろん『女警察』でも共演しているし、ジャッキーのいたグループ(ジャッキー、元奎、元彬、チン・ユーサンら)が引き受け、アクションシーンの一部を担当したのではないだろうか。武術指導した程小東のグループとの関わりについては不明で今後の課題である。


この映画が作られた73年のはじめ頃はジャッキーにとっては武術指導の仕事をメインにしていた時期でもあり本作品など、スタントシーンを担当したものがいくつかある。
有名なのが「空手ヘラクレス」(73)で武術指導を担当した。

武術指導 陳元龍



ところで、前述の中文書籍に書いてあったのだが銀色鼠隊の一員でジャッキーの元マネージャとして有名だったウィリー・チェンとの出会いについて『女警察』出演から始まったチャールズ・チンとの友好関係からであった事が記述されている。
これによればジャッキーは当時チャールズ・チンの事務所に出入りしてそこにウィリーもいたそうだ。
また、仕事がなくなり香港を離れてオーストラリアにいたジャッキーは友人の結婚式のために香港に戻り、ウィリーはそのチャールズ・チンとジョセフィーン・シャオの結婚式で再会したという。
その結婚式は75年の1月であった。その場でジャッキーと会ったウィリーは、友人のために全力を尽くすジャッキーの姿を見て更に好感を持ち、そして飛行機でオーストラリアへと帰るジャッキーを見送るときには連絡先を教えるように話し、いつか映画でジャッキーを使ってみたいと熱望していたという。これは興味深いエピソードだと思います。


それでは、ジャッキー出演シーンを解説してみたいと思う。

実際の映画では役柄も割と大きな役だったマースが目立っていて頑張ってますが、アクションシーンでは元奎らの顔も確認できます。



ジャッキーは、酒場での乱闘場面に出てくる。ジャッキーの他に元奎、チン・ユーサンらが登場する。


主な対戦シーンをチーム別に整理するとこのようになる。
湯錦棠側チーム(チン・ユーサン、元奎、元彬、陳樓)
アラン・タン側チーム(アダム・チェン、火星、ジャッキー)


まず、湯錦棠がアラン・タンに仕掛けて乱闘が開始される。


ジャッキーは大きく4つの場面に関わっている。

1.湯錦棠VSジャッキー

湯錦棠に蹴りを入れ、画面から素早く消え去る。



2.ジャッキーVS元奎

元奎を持ち上げて置いてある瓶にケツを突き刺す。激痛!ユンケイ。


3.多数VSジャッキー

二人からの攻撃をかわした後、うしろから陳樓に羽交い絞めにされるが、腕を捻ってひっくり返す。


4.アダム・チェンVSジャッキー
最後は湯錦棠側に回るジャッキー。相手からのパンチで壁に激突して最も顔がアップになる。









全体的に暗い場所・酒場でのアクションとなっている。
しかしながら、静止した状態での顔アップのシーンこそ無いが連続したアクションシーンの中で一際目立つ大きな白い襟の人物がジャッキーであることがハッキリと分かる。
またいつものパターンですが、その後の場面で火星がジャッキーと同じ衣装を着ています。



顔出し俳優マースが様々な作品で目立つ事が多いのは彼の持ち味でもあるのだが、この映画のように顔をあまり出さないジャッキーと共に格闘アクション場面を形成しているケースが多々あるのだ。


参考文献
『成龍(傳)』梁健 著 1997
仏版VHS "Les Rats De Hong-Kong"
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2 コメント

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待ってました (kungfufan)
2010-12-30 01:17:01
醒龍さんこんばんわ。
待ってました「小偸鬥大賊」。
長らく成龍が出演しているか確信が持てませんでしたがおかげさまでスッキリしました。ただ、当時の人間関係については勉強不足のため知らない人物が多く、まだ理解不足です。この作品の製作時期は73年3月頃でしょうかね?
もしよろしければ私のサイトの製作年検証の記事に「小偸鬥大賊」を追加して、こちらにリンクを貼らせていただきたいのですが如何でしょうか。
こんばんは (醒龍)
2011-01-02 22:16:42
kungfufanさん、明けましておめでとうございます。
今年も70年代などの研究をしていきたいと思っています。

>この作品の製作時期は73年3月頃でしょうかね?
おお、よく分かりましたね!実際はもうちょっと早くて73年の2月上旬ぐらいから撮影開始されていると思っていますが製作時期の検証というのは本当に難しい事が多いので困りものです。(時間もかかりますしね)

>もしよろしければ私のサイトの製作年検証の記事に「小偸鬥大賊」を追加して、こちらにリンクを貼らせていただきたいのですが如何でしょうか。
ええ。全然かまいませんので宜しくお願いします!

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