お客様などに対して使ってしまいがちな 「~ (さ)せていただきます」
おそらく気を使って相手を立てているのでしょうが、
最近は誰に気を使い、誰を立てているのか、よく分からないような使い方を耳にします。
名刺を差し出しながら、「総務課長をさせていただいております ○○と申します」
「プロジェクトを担当させていただいております ○○でございます」
電話の名指し人が不在のときに、「本日 ○○は、お休みさせていただいております」
その会社で受け継がれている決まり文句のようなもので、上司や先輩が使うのを見聞きするうちに、
自然と口にするようになり、やがて自分の言葉遣いとして定着したものと思われますが、
謙虚に聞こえる一方で、自社を立てているようにも聞こえ、私などは違和感を覚えてしまいます。
たとえば創業者や名誉会長のような、社内とはいえ雲の上の存在の方に挨拶を行なう場合などは、
自社を立てる言い方も間違いではないでしょうが、他社の人には他の言い方の方がよいでしょう。
名刺を差し出しながら、「総務課長の ○○と申します」
「プロジェクトを担当しております ○○でございます」
電話の名指し人が不在のときに、「本日 ○○は休んでおりますが、明日は出勤いたします」
テレビで芸能人の記者会見を見て、思わずクスッと笑ってしまうことがあります。
「○○高校に合格させていただきました」
「○○大学を卒業させていただきました」
これではまるで、困難な状況だったところを、学校側に配慮してもらったような印象を与えてしまいます。
多忙な芸能活動と学業を両立させたのでしょうから、胸を張って 「合格しました」 で良いのですよ
同じく芸能人の話題として、インタビューや文書で、こんな言い表し方を聞いたことはありませんか?
「このたび婚約させていただきました。お相手は一般の方で、○年前よりお付き合いさせていただいておりました」
いやはや、あまりの喜びに敬語の向かう先を間違えたのか、婚約に漕ぎ着けるまでに紆余曲折があったのか
それにしても、婚約者ともなれば身内も同然ですから、「させていただく」 「お相手」 「方」 はいかがなものかと。
いえいえ、人の幸せにケチをつけるつもりなど毛頭ないのですが、ここはひとつストレートに、
「このたび婚約いたしました。 相手は芸能人ではありません。 ○年前より交際しておりました 」
と言った方が爽やかなような・・・それでは素っ気ない?? ま、いいんですけどね
「私は、新郎と同じ部署で働かせていただいております ○○と申します」
私が出席した結婚披露宴での、新郎の上司の自己紹介ですが、新郎は社長御曹司というわけではなく、
いえ、仮にそうだとしても、「新郎と一緒に仕事をしております」 の方がスッキリと耳に届きます。
祝辞にも、新郎の人柄や仕事ぶりについて、エピソードを交えた褒め言葉が盛りだくさんでしたが、
おそらく職場ではこんなに褒められたことはないでしょうから、新郎も照れ臭かったことでしょう。
とはいえ、結婚式は人生の晴れ舞台であり、列席者全員で新郎新婦を最大限に立てる場面ですので、
このような 「させていただきます」 の使い方も褒め言葉も、祝福する気持ちの表れなのですよね。
目や耳にする機会の多い 「させていただきます」
私は気になりつつも、あまり目くじらを立てないようにしているのですが、
それでも、これだけは気をつけた方がよいと思う使い方は、「言わせていただきます」
ご本人は謙虚な気持ちで言っているのかも知れませんが、けんか腰に聞こえてしまいます。
「させていただきます」 が口癖になっている方、「こう言っておけば間違いないだろう」 とお考えの方、
たしかに便利な言葉ではありますが、他の言い方の方が話の内容がストレートに伝わったり、
「いたします」 にした方が相手にとって聞きやすかったり、気遣いを感じてもらえることもあります。
企業の面接試験が始まり、第107回 秘書検定の受付も開始されました。
初対面の方や目上の方と話す機会を前に、使い方をいま一度、振り返ってみてはいかがでしょう。
お読みくださいましてありがとうございます。 クリックしていただけますと励みになります。
おそらく気を使って相手を立てているのでしょうが、
最近は誰に気を使い、誰を立てているのか、よく分からないような使い方を耳にします。
名刺を差し出しながら、「総務課長をさせていただいております ○○と申します」
「プロジェクトを担当させていただいております ○○でございます」
電話の名指し人が不在のときに、「本日 ○○は、お休みさせていただいております」
その会社で受け継がれている決まり文句のようなもので、上司や先輩が使うのを見聞きするうちに、
自然と口にするようになり、やがて自分の言葉遣いとして定着したものと思われますが、
謙虚に聞こえる一方で、自社を立てているようにも聞こえ、私などは違和感を覚えてしまいます。
たとえば創業者や名誉会長のような、社内とはいえ雲の上の存在の方に挨拶を行なう場合などは、
自社を立てる言い方も間違いではないでしょうが、他社の人には他の言い方の方がよいでしょう。
名刺を差し出しながら、「総務課長の ○○と申します」
「プロジェクトを担当しております ○○でございます」
電話の名指し人が不在のときに、「本日 ○○は休んでおりますが、明日は出勤いたします」
テレビで芸能人の記者会見を見て、思わずクスッと笑ってしまうことがあります。
「○○高校に合格させていただきました」
「○○大学を卒業させていただきました」
これではまるで、困難な状況だったところを、学校側に配慮してもらったような印象を与えてしまいます。
多忙な芸能活動と学業を両立させたのでしょうから、胸を張って 「合格しました」 で良いのですよ
同じく芸能人の話題として、インタビューや文書で、こんな言い表し方を聞いたことはありませんか?
「このたび婚約させていただきました。お相手は一般の方で、○年前よりお付き合いさせていただいておりました」
いやはや、あまりの喜びに敬語の向かう先を間違えたのか、婚約に漕ぎ着けるまでに紆余曲折があったのか
それにしても、婚約者ともなれば身内も同然ですから、「させていただく」 「お相手」 「方」 はいかがなものかと。
いえいえ、人の幸せにケチをつけるつもりなど毛頭ないのですが、ここはひとつストレートに、
「このたび婚約いたしました。 相手は芸能人ではありません。 ○年前より交際しておりました 」
と言った方が爽やかなような・・・それでは素っ気ない?? ま、いいんですけどね
「私は、新郎と同じ部署で働かせていただいております ○○と申します」
私が出席した結婚披露宴での、新郎の上司の自己紹介ですが、新郎は社長御曹司というわけではなく、
いえ、仮にそうだとしても、「新郎と一緒に仕事をしております」 の方がスッキリと耳に届きます。
祝辞にも、新郎の人柄や仕事ぶりについて、エピソードを交えた褒め言葉が盛りだくさんでしたが、
おそらく職場ではこんなに褒められたことはないでしょうから、新郎も照れ臭かったことでしょう。
とはいえ、結婚式は人生の晴れ舞台であり、列席者全員で新郎新婦を最大限に立てる場面ですので、
このような 「させていただきます」 の使い方も褒め言葉も、祝福する気持ちの表れなのですよね。
目や耳にする機会の多い 「させていただきます」
私は気になりつつも、あまり目くじらを立てないようにしているのですが、
それでも、これだけは気をつけた方がよいと思う使い方は、「言わせていただきます」
ご本人は謙虚な気持ちで言っているのかも知れませんが、けんか腰に聞こえてしまいます。
「させていただきます」 が口癖になっている方、「こう言っておけば間違いないだろう」 とお考えの方、
たしかに便利な言葉ではありますが、他の言い方の方が話の内容がストレートに伝わったり、
「いたします」 にした方が相手にとって聞きやすかったり、気遣いを感じてもらえることもあります。
企業の面接試験が始まり、第107回 秘書検定の受付も開始されました。
初対面の方や目上の方と話す機会を前に、使い方をいま一度、振り返ってみてはいかがでしょう。
お読みくださいましてありがとうございます。 クリックしていただけますと励みになります。