ライラと仲間たち

いろいろな生き物と暮らす楽しくて大騒ぎな日記です。

ジレンマ

2021-07-08 | 野生動物救護

コロナ過による人手不足、センター職員だけでなくボランティアの

不足もあって今、保全センターでは、一時的に傷病鳥獣の受け入れを

ストップしています。神奈川県は、あと3か所の動物園(川崎を除く)が

受け入れをしてるんだけど、そのうち野毛山動物園が老朽化による

施設改修工事中で、しかも、それもコロナの影響で工事に遅れが出てて

年内の受け入れは無理みたい、てことは、もうどこも手いっぱいってとこ

でも、今まさに巣立ちした若い鳥獣が、一番障害に遭い易い時期、

次から、次へと問い合わせが来るんだけど、どうするんだよ

 

右翼骨折のアカショウビン

 

 

激やせで保護されたチョウゲンボウの若鳥。

骨折はしてないようだけど、餌が旨く獲れなかったみたい。

センターで餌食べて、復活したけど、野生に戻って今度は

獲れるのかなあ・・・って、いつも悩むところ。

私達人間は、餌を与えることは出来るけど、餌の獲り方は

教えられないから。もちろん生きマウスを藁の下なんかに忍ばせて

捕食させたりしてるけど、自然界で、そう簡単にマウスが見つかるとは

思えないしね あとは、この子が野生で生き残れるかは、運だけ。

 

 

やはり、衰弱? で保護されたアオバズク。

アオバズクって、ビビりだからねえ、頼むから餌食べてよ。

餌食べない子には、強制給餌するんだけど、アオバズクは、

それすると余計食べなくなったりして、結構難しい。

 

 

そして、このタヌキは、足と、しっぽを噛んでしまってます。

血だらけで保護されて来たときは、自傷なのか他傷なのか

判らなかったけど、様子を見てると、どうも自傷らしい。

としても、ペットと違い、原因は、すごく掴みにくいです。

生まれながら脳に障害があるのかもしれないし、育った(生まれた)

環境が悪かった、例えば餌不足とか、生まれながら未熟で

淘汰される子だったとか、何らかのストレスを受けていたのかもしれない、

私達には、それを知る術は無いけど、目の前に血だらけで保護されて来れば

助けようとする。野戦病院のような場所だけど、なんとか治療して、

毎日患部を消毒して、助けようとする。

そりゃあ凄いですよ、この写真で押さえてるのは男性だけど

女性の力では抑えきれないくらい大騒ぎで絶叫しますよ。

そりゃ痛いよね、わかるよ、でも、やらなきゃ助からない。

タヌキの噛む力って半端ないですからね。

ボロボロのエリザベスカラー付けてるって思ったでしょう?

だって、一晩でボロボロにしちゃうんですよ。

だから、ガムテープで補強して使ってるの、予算も無いしね

でも、ここまでやって、野生に戻したとしても、また同じことが

起きてしますのだと思うのです。

ペットと違って、心のケアをすることが出来ないから、この行為を

止めさせるのは非常に難しいです。

せめてお腹いっぱい食べれることが、少しでもケアに繋がり、

自傷を止めてくれればと願ってます。

なら、戻さず、このままセンターに置いておく?

確かに、傷ついて保護したタヌキを自宅で面倒診てる方はいます。

でも、それが出来る環境と、何より、すごい努力と忍耐と、強い意志が

無いと出来ることじゃない。

少なくとも、私には無理。

可哀そうだけど、センターで皆が交代で、一生面倒を診ることしか出来ない。

せめて、治療が終わったからと、ぽんっと野生に放り出されるのを

阻止するくらいしか。

ボランティアさんに、栄養食食べさせてもらって、ご機嫌さん

この時は、可愛い天使だよ

 

なんか、取り留めなく書いてきたけど、運ばれてくる子達を

見る度に感じるジレンマ・・・

そこまでして助ける命?

自然界では、淘汰されてしまう命、でも、目の前にいたら・・・

<救護>と、<愛護>の意味?

そんなことを思いながら、センターへ通う私です。

 

 

コメント
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