うっすら日焼けしてピンクがかったように赤い函入りの『聖少女』(倉橋由美子著)を大事に残してある。“学生運動”をキーワードに近づいた著者であった。読んだいくつかの作品。
自らも学生運動に加わりながら早々に脱退し、批判的な作品を発表した。東大学生であった樺美智子さんの死を「むだ死に」とした。左翼の学生から強い反感をかう。すでに日本での「運動」に意義や価値を認められなかったのだろうか。
『チェ28歳の革命』
「革命家にとって最も大切なものは何ですか?」、インタビュアーの問いかけに「愛」と。「人間への愛・正義への愛・真実への愛」。
ハバナ侵攻時、「How old are you?」―「30歳」 …余韻が残った。
長髪にベレー帽、ひげに戦闘服、優しい目をしたほれぼれする風貌だ。
アルゼンチンの裕福な家庭に生まれながら、革命の旅に身を投じていくエルネスト・チェ・ゲバラ。南米諸国の解放が念頭にあることを、カストロとの会話でうかがい知ることができる。「私のささやかな努力を必要とする庶民がいる」。ボリビアで死す。
創造的な人間から受け取る思い、やはり、「自分の選んだ人生をどう生きるか」ってところに行き着く……ようだ。強い信念のもと情熱をあらわにして生きることはできないが、心に描く自分の思いに沿ってだけは、ひたすら歩いていけたらよいだろう。
「子供たちのくだらないおしゃべりをおもしろがり、腰をかがめて子供達を理解しようと努める」母親となることは、「社会的動物としての発育停止と精神的低下を意味する」として拒否宣言。にもかかわらず「子供は母親に似せて自分を作る」という信念で、育児より仕事を優先する理由はないと断言している倉橋由美子。
どちらの思いにも共感できる。明確で潔い認識の仕方、そこが好きだ。
二部作の『チェ39歳別れの手紙』、前売り券を購入して帰った。
自らも学生運動に加わりながら早々に脱退し、批判的な作品を発表した。東大学生であった樺美智子さんの死を「むだ死に」とした。左翼の学生から強い反感をかう。すでに日本での「運動」に意義や価値を認められなかったのだろうか。
『チェ28歳の革命』
「革命家にとって最も大切なものは何ですか?」、インタビュアーの問いかけに「愛」と。「人間への愛・正義への愛・真実への愛」。
ハバナ侵攻時、「How old are you?」―「30歳」 …余韻が残った。
長髪にベレー帽、ひげに戦闘服、優しい目をしたほれぼれする風貌だ。
アルゼンチンの裕福な家庭に生まれながら、革命の旅に身を投じていくエルネスト・チェ・ゲバラ。南米諸国の解放が念頭にあることを、カストロとの会話でうかがい知ることができる。「私のささやかな努力を必要とする庶民がいる」。ボリビアで死す。
創造的な人間から受け取る思い、やはり、「自分の選んだ人生をどう生きるか」ってところに行き着く……ようだ。強い信念のもと情熱をあらわにして生きることはできないが、心に描く自分の思いに沿ってだけは、ひたすら歩いていけたらよいだろう。
「子供たちのくだらないおしゃべりをおもしろがり、腰をかがめて子供達を理解しようと努める」母親となることは、「社会的動物としての発育停止と精神的低下を意味する」として拒否宣言。にもかかわらず「子供は母親に似せて自分を作る」という信念で、育児より仕事を優先する理由はないと断言している倉橋由美子。
どちらの思いにも共感できる。明確で潔い認識の仕方、そこが好きだ。
二部作の『チェ39歳別れの手紙』、前売り券を購入して帰った。