kyon's日誌

つれづれに・・・

手前味噌

2002年09月25日 | 日記
少しだけ、母として嬉しい発見があった。
娘の事なので、少し照れくさく、オヤバカの感もあるが・・・。

娘は高校時代にマーチングバンドのクラブに入っていた。
まぁ、紆余曲折があって、一時的に部活を退部したりもし、また、3年生のこれからという時に病を得たりして苦しんだが、どうにか復帰して何とか3年間の部活生活を通した。
それもこれも、部活の仲間や先生、クラス担任など、多くの方に支えられての事だったと、親としては感謝しているが・・。

先だって、秋休みになったからと、久しぶりに帰省し、部活時代の友人と部活を覗きに行ったのだが、夜の10時過ぎに帰ると言いながら、結局帰ったのは11時過ぎになり、父親からもひどく注意を受けた。
どうやら、部活は大会前の合宿が行われている時期らしく、後輩の練習を見ているうちに、練習を見捨てておけなくなった事情があったらしい。
私は、先輩面をして、さぞかし調子に乗っていい気になってのことだろうさ・・・とタカを括っていた。
昨日、再び、友人らと後輩の様子を見に行ったのだが、どうにか夕飯までには帰宅して、ポツポツと後輩達の様子を語ったので、フムフムと聞くとも無し聞いていた。

マーチングは、楽器を演奏しながら歩き、編隊を組替えたり、列に変化をもたせたりしながら聞かせる楽隊である。
吹奏楽の重い楽器を持ちながら独特な歩き方をし、かなりハードな運動量がある。一方、ピットと言われる、総指揮者の横で、動きながら演奏するには適さない楽器と共に楽隊に参加するパートもある。

娘の話はこうだ。
ピットのパートは、今年、急遽一人だけになった。しかし、演奏を聞いていると、ちっとも音が合わず、それだけでなく、最初の出だしから、既に音が出遅れてしまうので、演奏にならない。音符が読めるというわりに、やらせてみると実際は出来無いし、練習をするからと言うわりに、練習はしていない。
つまり、自分なりの努力をしないのに、大会には出たいという矛盾があるのだが、本人の“出たい”という意志はかなえてやらないといけないと顧問の先生が言うので、大会が三日後に迫って部員全員が焦っているのに、ピットの問題がクリアにならず、これは由々しき問題だということらしい。

それで、自分は先輩として、少しでもいいから手伝いたいし、先生や後輩からも頼まれて、引くに引けないというのだ。

話をもう少し聞くと、そのピット担当の子は、実は障害があるようにも見えるという。
言葉の障害があるようだと。しかし、何かの病気かも知れず、自分が話す言葉を理解しているようだから、普通に話したし、ましてやその事に拘る気は更々無く、特別な意識で接する事はない、と言う。

実は、娘の友人の一人には、自閉症の兄を持っている友人がいる。その事で、特別な目で見たり意識したりしない関係が、友人と娘の間には育っている。まして、自分も病を抱えているから、「死」と隣り合わせで無い限り、普通の対人関係でいいのだと言い切る。

いつもは口うるさいだけの娘だが、少しは成長したのかもしれないと、あの子を見続けてきた母として、ちょっぴり嬉しい気持ちになれた。
悩んで苦しんで病気と付き合って来た娘が、人に対しても、経験者として、差別意識を持たないように受け止められるようになったことが、母としての嬉しい発見であった。

娘は今日、自分の生活圏に戻る日なのだが、敢えて、後輩の練習にもう少し付き合い、電車の予定をずらして乗るつもりだと、朝早くに出かけた。。。
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