風の吹くまま

気の向くままに

暇人の本読み

2012-01-31 14:44:52 | Weblog
生きるとは自分の物語を作ること

逃避行

覚えていない

ここのところ暇を持て余して図書館から借りてきた本を読んでいる。
『博士の愛した数式 』の小川洋子さんと河合隼雄さんの対話が本となっている。
題名に惹かれて借りてきたのだがこんな私でさえも私しか知らない物語があって
こうして生きてその足跡がなくなるその日まで私の物語を作り続けているのだから
誰からも理解されない無名の私であったとしてもこうして生きているだけで結構
すごいことではないかと勝手に思ったのだった。

篠田節子さんの本は初めて読んだ。
いきなりの飼っていた犬が隣の子どもを殺してしまうという衝撃的なことから
物語はすすんでいくのだがその展開が私には少し違和感があった。
暑いと言えば寒いと言われ寒いと言えば暑いと言われ遊んでいてもどこかから
お金が降ってくるような生活がしてみたいと言えばそんなこと考えているから
幸せになれないんだとか言われる夫と暮らしている私だが小説的に様々のことを
考えればそんなに気が合わないんだったらなんで同じ屋根の下に暮らして
いるのというようなことが小説の主題なのだろうけれどなかなか物語の
ように家出までするにはいたらない日々だ。家出したら今は寒いし。

佐野洋子さんの本は読んでいてそうだそうだというような箇所がたくさんあって
私が本を読むのはそうだそうだと言いたくて読んでいるようなものだ。
佐野さんはぐーたらでもなんでもないだろうけれどぐーたらを演じてくれていて
ああ私みたいなぐーたら人間でもこうしてぐーたらと生きていればいいのだと
思わせてくれるところがすごい。

なんにもない人間がなんにもなくてもぽとりぽとりと涙を流しながら
いいじゃんこんな私だってなかなかのものだよと言いたいばかりに
生きている。

コメント
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