ホテルをタクシーで出発したのは夜もまだ明けない早朝の4時だった。メーターを確認したら57となっていたが60,000ドン渡してタクシーを降りた。すぐに若いお兄さんが来てソンラーとか言って荷物をもってバスまで案内してくれた。どこでもいいから好きな場所に乗って待っているようにということらしい。こんな時間でも店は開いている。食べるものが何もないので売店でパンを2個持っただけで店のおじちゃんが10,000ドン札をみせている。サパの値段が適正価格ではないことがパンを買ってもわかる。
さっき荷物を持ってくれた人が運転手だった。もう一人車掌の役割をしていた若いおにいさんは、途中で運転を変わってバイクが行き交っている道路を縫うようにして引っ切りなしに警笛をプワーンプワーンと鳴らしながら走る。車の運転手はその人の隠された性格が表に出るのでおもしろい。それにしてもこのお兄さんの運転は荒っぽくて怖いくらいだ。
夜が明ける六時半頃から七時くらいまでのバスの中から眺める風景は、中国でも見たことがない不思議な景色だった。雲海が一面に広がるなかその雲海から顔を覗かせている山々が墨絵のように次から次へとその景色を変えていく。ベトナムの旅は、この風景を心に刻むことができただけで大きな収穫だった。同乗していた人が窓の外の景色に声を出して喜んでいる姿をみて、景色のよく見える右側の席に変わってくれた。
朝八時半頃にソンラーのバスセンターに到着した。
こうしてまた知らない町にたどり着いた。今日泊まる宿をさがして昨日まで全く知らなかったこの町のどこかに今日の夜を過ごす不思議さはいったい誰が設定したというのか。
さっき荷物を持ってくれた人が運転手だった。もう一人車掌の役割をしていた若いおにいさんは、途中で運転を変わってバイクが行き交っている道路を縫うようにして引っ切りなしに警笛をプワーンプワーンと鳴らしながら走る。車の運転手はその人の隠された性格が表に出るのでおもしろい。それにしてもこのお兄さんの運転は荒っぽくて怖いくらいだ。
夜が明ける六時半頃から七時くらいまでのバスの中から眺める風景は、中国でも見たことがない不思議な景色だった。雲海が一面に広がるなかその雲海から顔を覗かせている山々が墨絵のように次から次へとその景色を変えていく。ベトナムの旅は、この風景を心に刻むことができただけで大きな収穫だった。同乗していた人が窓の外の景色に声を出して喜んでいる姿をみて、景色のよく見える右側の席に変わってくれた。
朝八時半頃にソンラーのバスセンターに到着した。
こうしてまた知らない町にたどり着いた。今日泊まる宿をさがして昨日まで全く知らなかったこの町のどこかに今日の夜を過ごす不思議さはいったい誰が設定したというのか。