風の吹くまま

気の向くままに

夜明けの風景

2013-09-30 22:19:23 | Weblog
ホテルをタクシーで出発したのは夜もまだ明けない早朝の4時だった。メーターを確認したら57となっていたが60,000ドン渡してタクシーを降りた。すぐに若いお兄さんが来てソンラーとか言って荷物をもってバスまで案内してくれた。どこでもいいから好きな場所に乗って待っているようにということらしい。こんな時間でも店は開いている。食べるものが何もないので売店でパンを2個持っただけで店のおじちゃんが10,000ドン札をみせている。サパの値段が適正価格ではないことがパンを買ってもわかる。

さっき荷物を持ってくれた人が運転手だった。もう一人車掌の役割をしていた若いおにいさんは、途中で運転を変わってバイクが行き交っている道路を縫うようにして引っ切りなしに警笛をプワーンプワーンと鳴らしながら走る。車の運転手はその人の隠された性格が表に出るのでおもしろい。それにしてもこのお兄さんの運転は荒っぽくて怖いくらいだ。



夜が明ける六時半頃から七時くらいまでのバスの中から眺める風景は、中国でも見たことがない不思議な景色だった。雲海が一面に広がるなかその雲海から顔を覗かせている山々が墨絵のように次から次へとその景色を変えていく。ベトナムの旅は、この風景を心に刻むことができただけで大きな収穫だった。同乗していた人が窓の外の景色に声を出して喜んでいる姿をみて、景色のよく見える右側の席に変わってくれた。

朝八時半頃にソンラーのバスセンターに到着した。

こうしてまた知らない町にたどり着いた。今日泊まる宿をさがして昨日まで全く知らなかったこの町のどこかに今日の夜を過ごす不思議さはいったい誰が設定したというのか。



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知らない町

2013-09-29 20:30:52 | Weblog
さすが一泊2,709円もする高級なホテルは朝食もついているだけではなく、なんと言っても温かいシャワーがたっぷり出るので快適だ。上海でも2,798円と高額だったがベトナムの田舎の2,709円はええっこんな贅沢していいのと思うくらいだった。今日で故郷日本を出て一ヶ月近くが経過しようとしている。ここでこれまでにかかった宿泊費を計算してみると以下になる。


上海 一泊 2,798円
元 陽 六泊×40元(5,100円)
河口一泊 118元(2,006円)
ベトナム サパ 十泊((11,798円)
ベトナム ディエンビエンフー 五泊(13,689円)


合計23泊 35,391円(一人当たり17,696円)一泊当たり 1,538円なので、今回は随分贅沢なホテルだったが一応予算内には収まって良かった。

こうしてまた明日は知らない町へ移動する。
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暇でもいいんだ

2013-09-28 15:06:30 | Weblog
何もないところを散歩していると、何しに来たのと声をかけてくる人がいる。道路脇の家で立ち話をしていたおじいさんが同じ方向に歩きだした。寄って休んでいけというのだ。せっかくなので一休みさせてもらうことにして椅子に腰掛けたら冷たい水をコップに入れて持って来てくれた。







ラオスの国境までは25キロあるというのでひきかえしている途中でビールの看板があったので入っていったら、調度昼食の時間で家族三人で食事をしているところだった。

ハノイビールが冷たく冷えていて値段を聞いたら10,000ドンだと言う。サパの時も今滞在中のホテルも20,000ドンだったので半額だ。100円で二本飲めるのだから嬉しい。

全く言葉がわからないのに昨日行ったa1の丘の写真を見せたりしていたら家の奥から写真を持って来た。その時の戦争で亡くなったということだろう。人間はこうして全く言葉のわからない人にさえ今までの自分が経験したことなどを話したい欲求があるのだと思う。そんな普通のことが日本では閉ざされているように感じるのは私の思い過ごしだろうか。









こうして静かなところでまったり過ごしている時間はなんとも言えずにいい気分だ。
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歩いても歩いても

2013-09-27 19:54:34 | Weblog
タクシーで300円もかかる場所を歩くことなどきっと地元の人もやらない距離だ。60,000ドンは60,000円じゃないのはわかっているのにええっ60,000ドンもするなら歩いたほうがいいとかになるので本当にすごい節約ぶりだ。往復でなんと120,000ドンの経費節約になったので思い切って同居人のお酒75,000ドンとぶどう50,000ドンを買った。これで節約した600円が帳消しになったが健康にもいいことをしたので良かった。





A1の丘に上った。入場料は、15,000ドン(75円)









ディエンビエンフーの町が一望できる場所にも上った。


こうしてマスクをしているベトナムの人は安心だが、マスクをしていない私はとても心配になる空気を吸いながらふらふらと歩き続けた一日だった。





ホテルの近くは空気がよくて本当にホッとした。
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夜行バス

2013-09-26 09:24:24 | Weblog
横になっている体が揺れる。かなりの悪路のようだ。窓のカーテンの隙間から外を覗くと工事中のような場所がぼんやり見えている。二階建てバスにはぎっしりひとが詰まっている。どうやら満席のようだ。地元の人だけでなくこの先にあるラオスとの国境に向かう観光客も多い。

25日、小雨の降るなか今までお世話になったサパのホテルの人に見送られて定刻の18:30に出発したバスはまだ夜も明けない早朝5時にディエンビエンフーのバス乗り場に到着した。サパのホテルの経営者が電話をしてくれていたのでタクシーがすぐに見つけてくれて予約してしてあったシムラムホテルに入った。

それにしてもまわりには何もない。なにもないからいいと来るひとたちもいるのかもしれない。広い敷地の中はシーンと静まりかえっている。

サパ~ディエンビエンフーまでの金額は、サパ~ハノイまでの夜行バスと同じで300,000ドン(15$)だった。300キロの距離を10時間以上かけて走ったことになる。







食事は、この宿泊しているホテルで食べるしかない。見渡す限り自然の中でスーパー一軒見当たらない。
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旅の道連れ

2013-09-25 12:58:59 | Weblog


旅の道連れにしては内容が濃いので時間をかけて読んだ。白き瓶 小説家 長塚節(たかしとふってある)これまで長塚せつと読むのだと思っていた。格調高く読んでいてわからないところも沢山あったが長塚節という人と節と関係する人達のことが書かれていて最後まで飽きることがなかった。人々が話す言葉もわからない異国の地で読むにはいい本だった。

旅好きと言うほどではないが、こうして旅をしている最中に

だが節から旅と歌をとり去ったら、
あとに何が残っただろうか。

と旅でその命を縮めたとも書かれる長塚節のことを知ることができて、この後節の著作である土も読んでみたいと思ったことが収穫だった。
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おをうむ

2013-09-24 11:26:27 | Weblog
物心がついたころに小さく背中を丸めたおばあちゃんが囲炉裏の隅っこの席を陣取って長くのばした小指の爪で器用に繊維のようなものを紡いでいた姿を思い出す。随分手間隙のかかる仕事だが今考えるとどれだけ時間をかけてもたいしたお金をもらっていたとは思えないが、一心に糸を紡ぐことでこれまでの人生の様々な場面を思い出していたのかもしれない。


ネットで検索してみるとどうもからむし(和苧)という植物のようだ。
この写真に出てくる少数民族の人達が紡ぐ糸がからむしかどうか確認することはできないが、手を休めることなく一日中こうして糸を紡いでいる。









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サパの物価

2013-09-23 10:42:05 | Weblog
あまりに暇なのでサパで買ったものの金額を書いておくことにする。


水4.8リットルで40,000ドン約200円


このパン2個で20,000ドン約100円


マンゴー あまりおいしそうではないが市場で30,000ドン150円


梨だかりんごかわからないがこれで10,000ドン50円


少数民族のおばちゃんのおこわ 今日のおばちゃんは安くて2個で10,000ドン 50円


同居人のお酒 75,000ドン375円


夜近くの教会のライトアップを撮影してみた。





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稲刈りもそろそろ終わり

2013-09-22 17:44:43 | Weblog












サパの町を少し出るとそこはもう舗装も途切れ途切れになるほど道路の整備は進んでいない。人々の暮らしが質素なものであることが子ども達が着ている洋服からも伝わってくる。昔はみんなそうだったなどと簡単に言うことができないほど途中で止まっているときに側に来て民芸品を売る子どもたちの顔にはどこか悲しみさえ漂っている。

私が悪いことをしたのではないがごめんねごめんねと謝りたいような気持ちになるのはどうしてだろうか。食べることにこんな小さな子どもたちが心を砕かなくてはいけないという現実は本当に厳しいことだ。

川原で若い女の子が長い髪を洗っている。今日のサパは天気が良く昼間は半袖でも汗ばむ気候だった。こんな秋晴れの日には稲刈りも順調に進んで刈り取られた稲も乾燥が早いだろう。

(この写真に写っている子どものことを書いたのではない)
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ハムロン丘まで

2013-09-21 16:32:56 | Weblog






教会を右に見ながら少し歩いていくと直角に折れた急勾配の道があってそこを少し上るとチケット売場があった。70000ドン(ドル支払いなら3.5ドル)だ。真っ黒い大きな岩の間を抜けて行くとサパの町が一望できる展望台があった。この場所がサン.マイと呼ばれる頂上で記念撮影をしている若者が大勢いた。

少し下がってちょうど昼食の時間帯になったので食事をすることにした。市場で買ってきたちまきとチキンサラダのようなもの、それに昨日パン屋で買ったチョコレートパンが今日の昼の食事だ。ベトナムの物価は安くない。これで締めて90000ドンで450円もする。

小さい子どもが背中に赤ちゃんをおんぶして手には民芸品のようなものを持って物を売っている。背中の赤ちゃんは眠っていて頭が反っくり返えっている。大人だって長い間赤ん坊を背負ったらその重さは大変だが小学校にもあがらない年頃の子どもには随分きつい仕事だ。

少数民族の人達も歩きながら絶えず手を動かしている。洋服の生地になる緒を紡いでいるのだ。

こうして旅は、私の心に何かを残しながら過ぎていく。



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