死んだら何を書いてもいいわ 萩原朔美
散歩がてらに寄った図書館で借りてきた本を読んだ。
萩原朔太郎の娘の萩原葉子さんが書いた『蕁麻の家(いらくさのいえ)』を
内容はすっかり忘れたが息をつめて読んだ記憶がある。
晩年はダンスをやっている姿がテレビで紹介されたりしていたので本の
内容とダンスが結びつかなかたのだがひとり息子の萩原朔美さんが書かれた
母葉子さんのことはそんなダンスのことなども書かれていてそうだったのか
と興味深かった。
死んだ後にはどんなことを言われようと本人にはわからないので題名と
したらかっこいいと思うがまあ生き返って確かめる訳にもいかないので私だって
死んだら何を言われてもいいと思う。ただ息子の朔美さんが同居を始めたときに
最初にやったことが母の葉子さんの住む家の中の片付けだったことは少し考え
させられる。あちこち老朽化していて・・浴室の窓は腐っていて・・窓枠には大き
な穴が開いている。・・そこから虫やネズミが自由に出入りしている・・
当然のようにどの部屋もほこりが積もりに積もっている・・・そしてカビだらけの
部屋を片付けた朔美さんは母ひとり子ひとりと言ってもなかなかできること
ではないので随分優しいひとだなあと思った。
自分に照らし合わせてみると死んでから馬鹿だとか意地悪だとか言われるのは
全く気にならないが家がホコリだらけでカビだらけだったとかだけは言われたく
ない気がする。
でも老いるとはそういうことも含まれるので、入院して二日で旅立ったという
葉子さんのようにあれまあもういってしまったのと言われるくらいのいきかたが
理想だ。