歯の命

泣きっ面を蜂に刺された『歯』が出来上がってきた。

昨日の夜は興奮してなかなか眠れなかった。いくら開き直っても私も女だ。
心がきれいなら顔なんて問題じゃないよとか言う人は、歯の命のある人だろう。
これで私は一生マスク生活になるのだろうかと心臓がドキドキした。
潔癖症ではない私が、一生潔癖症だと思われるのはやっぱりいやだ。

「これでしばらく使ってみて下さい」と私の歯を治療していただいた先生に言
われた。はいと言ってはみたものの心がかなりしょげている。
その先生にやっとのことでありがとうございましたと言って治療室を出た。

家に帰って鏡の前でああでもないこうでもないと表情を作って試してみた。
命が無くなる前の歯よりはとてもきれいだ。生まれつきの歯よりは少し前に
出ている気もするが粒が揃っていて笑顔も今までよりは数段『素敵』に見える。

試しにネコ好きのすぐ下の妹と、掃除嫌いの一番下の妹にスカイプのビデオ
通話で報告したら絶賛された。

もし歯の命がなくなったら私が通っている歯医者さんで治療したいと一番下の
掃除嫌いの妹が言うほどの歯になったのだ。

こうして私は、アフターの歯をネットで公開したいほどとてもきれいに
なりました。ちゃんちゃん。