一昨日に続き、就活ネタをもうひとつ。
10月現在の、来週卒業予定大学生の就職内定率が、
過去最低の57.6%だったと発表されました。
確かに、従業員数1000人以上の大企業の求人倍率は0.63%で厳しい状況ですが、
その一方で、従業員数1000人未満の中小企業の求人倍率は1.0倍、
従業員数300人未満の企業に限定すれば、4.41倍、
全体の求人倍率で見れば、1.28倍であるという調査結果もあります。
今のところ、決して求人数が就職希望者を下回っているというわけではなく、
いかに、学生の大企業志向が強いかを表した数字だといえます。
長く続くこの不況と、そのあおりを受けた親の背中を見て育った世代にしてみれば、
できるだけ倒産の危険の少ない、安定した大企業に就職したいと思うのは当然です。
しかし、日本には従業員数100人以上の企業18800社であるのに対し、
従業員数が1000人以上の企業は、わずか2000社程度しかありません。
(平成18年経済産業省企業活動調査)
今年度の民間企業への就職希望者は45.6万人だといいますから、
大企業にこだわっていたら職に就けないことは明らかです。
昔は、「五体満足なら選り好みをせずに働け」と言われたものです。
少なくとも私は、昭和ヒトケタ生れの親からそう言われてきました。
「やりたい仕事を探すこと」よりも、「まず働け」と。
「自分がやりたいことを探すために留年する」
「やりたい仕事でなければ就職したくない」
そんな学生が増えているような気がします。
1980年代頃からの、偏った個性尊重教育が、
「自分のやりたいこと」や「やりがい」ばかりを優先する
価値観に変えてしまったのではないでしょうか。
それとも「五体満足なら選り好みをせずに働け」というのは、もはや暴言なのでしょうか。
しかし、これだけははっきりと断言できます。
終身雇用制度が崩壊し、転職はごくあたりまえのものになりつつあります。
大学卒業後、就職経験のないままの二年目、三年目の就活は圧倒的不利になります。
どんな小さな会社でもいいから一旦就職し、
やりたい仕事があるなら、それから転職という形をとったほうが遥かに有利です。
異論はあるかもしれませんが、
まだまだ日本の会社は、そういう会社なのです。