くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

決してマネできないクレーム対応

2011-10-26 22:36:48 | 書籍の紹介
昔、「ミンボーの女」という映画がありました。(1992年 伊丹十三監督)

暴力団にたかられ、食いものにされていることが常態となっているホテルを舞台に、
従業員たちが民事介入暴力専門の女弁護士(略してミンボーの女)と力を合わせ、
不当要求を撃退して、正常なホテルに立て直していくというストーリーです。

この本を読んで、真っ先にその映画を思い出しました。


「日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人」 三輪康子 著 / ダイヤモンド社 刊

まさに、事実は小説(映画)よりも奇なり。
反社対応にもすごい世界があるものです。
映画以上に過激な暴力団との対峙に驚かされました。

著者は、新宿歌舞伎町にあるビジネスホテルの女性支配人です。

彼女が支配人として着任したとき、
ホテルの駐車場は暴力団の車で不法占拠され、
ロビーでは白昼堂々、カツアゲが行われているような状態だったそうです。
警察に電話をしても「ああ、犯罪者が泊まっているホテルでしょ」
と、真剣に取り合ってもらえなかったと言いますから、
完全に暴力団関係企業の扱いです。

そこで彼女は、暴力団におびえながら働く従業員を守り、
一般のお客さまが安心して宿泊できるホテルにするため、
孤軍奮闘の闘いを始めます。

タイトルだけを見ると、
不当要求を繰り返す反社会的勢力や悪質クレーマーに対し、
どう立ち向かっていくかを示したビジネス本のようですが、
むしろ、読み物としての要素が強く、
さまざまなエピソードが臨場感たっぷりに語られています。

宿泊を拒否され、日本刀を振りかざす相手と対峙したり、
不法駐車をやめさせようとして殺気立った相手に襲われ、
あわやというところで駆けつけた警察官に救われたりと、
まさに映画さながらのエピソードが満載です。

「信念が、理不尽な状況から自分を救う」
著者はそう語りますが、決して真似のできる対応ではありません。

とにかく著者(支配人)を筆頭に、
責める方も、守る方もキャラクターが際立っています。
この本、きっとドラマ化のオファーがあるのではないでしょうか。



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