2012年のベストセラーの一冊で、菊池寛賞を受賞した、
「医者に殺されない47の心得」(アスコム)を読んでみました。
「医者に殺されない47の心得」 近藤誠 著 / アスコム 刊
ベストセラーゆえに、賛否両論が渦巻く本書。
「この本のせいで、助かるはずだった命のどれほどが失われたことか!」
などと言った、センセーショナルな反論もある雑誌記事にはありました。
この本における癌についての要旨はおおむね以下のとおりです。
①癌には命を奪う本物の癌と、放置しても平気な癌もどきがある。
②本物の癌と、癌もどきを早期の段階で気極めるのはとても困難。
③本物の癌であれば、発見された段階ですでに他の部位に転移している。
④治療で完治したと言われる癌は、ほとんどが癌もどきである。
⑤手術や抗がん剤は患者の生活の質を低下させ、寿命を縮めるだけ。
外科手術は身体をメスで切り開き、内臓を切り取ってしまうのですから、
身体的にも精神的にも負担にならないわけがありません。
ちょっとした日常の切り傷でさえ負担になることを思えば、
どれほどのストレスがあるかわかろうと言うものです。
また、抗がん剤も癌細胞を殺してしまう薬品なのですから、
正常な細胞にとってもどれほど影響があるか容易に想像できます。
著者は、これらの治療を全面的に否定しているのではないと思います。
そういった治療の危険性や副作用など、マイナス面を患者にきちんと説明せず、
一方的な治療を施す医師にかかることが危険だと言うことです。
この本に対する賛否はいろいろあります。
そのどれが正しいかは、私にはわかりません。
ただこの本を読んだ私の感想は、次の一点につきました。
人は誰でもいずれ必ず死にます。
そしてその死因を人は自分で選ぶことはできません。
しかし、人は死因を選ぶことができなくても、
どのように生きて、どのように死んでいくかを選ぶことはできます。
もし、それが癌であったとき、あなたはどのように死にますか。
この本はそう問いかけているのだと。
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