26日日曜日の朝にサンパウロに到着し、ホテルにチェックインする前に早速仕事をこなしました。今回のブラジル出張は白物家電のニーズ調査が目的です。
ブラジルは2014年にサッカー・ワールドカップ、2016年にオリンピック開催を控え、今後ますますの経済発展が見込まれていますが、白物家電は冷蔵庫を除くとまだまだ普及していません。中でもエアコンの普及率は15%にも達していません。ただでさえブラジルといえば年中暑いトロピカルな国というイメージがありますし、しかもこれから経済発展が確実となると、エアコンメーカーにとってこれから大きなビジネスチャンスが生まれるのでは?と期待してしまうところです。
しかしブラジル最大の経済都市であるサンパウロでは、どうも一般家庭にはエアコンはあまり普及しそうにありません。本日はサンパウロ市内で在伯歴40年以上になる日本人のお宅を2軒訪問してきたのですが、いずれも広々とした立派な一戸建てに住むかなり裕福な家庭であるにもかかわらず家の中にはエアコンがありませんでした。理由を伺うと、標高800mの高原に位置するサンパウロは、夏は気温が35度近くになることがあっても湿度が低く、涼しい風も吹くのでエアコンなど必要ないのだそうです。
逆に冬は気温が10度を下回りかなり寒く、しかも北半球とは反対に南半球では寒冷化が年々進展しているらしく、暖房は欲しいとのことでした。最初に訪問した家庭では上の写真のような加湿器と一体化した電気ストーブを部屋に置いていました。コタツは欲しいですか?と伺ったところ、是非欲しいがブラジルでは入手できないそうです。
サンパウロの一般家庭向けにエアコンは売れそうにないけれどもコタツは売れそうだなんて、日本ではなかなか想像しにくいですね(まあ、コタツを買うのは日本人と日系人だけでしょうけれど)。地球の裏側で商売するには日本の常識を捨て去ることが必要であるようです。