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最近ちょっとお疲れ気味

工場跡地の活用法いろいろ

2009-07-18 00:56:55 | ものづくり・素形材
 工場跡地の活用法が全国の自治体で大きな課題になっているそうです。景気が良かった頃から製造業はどんどん工場の統廃合を進めていましたから、昨年秋からの不況でますます工業団地に空き地が増えているのでしょう。自治体の中には工業用地を安売りしてなんとか工場を誘致しようというところもありますが、このご時世ではそう簡単には売れるとは思えません。
 ではどうしたものか、何か参考となるような事例はないものか、そう思ってネットで調べてみるとこんなのがありました。

その1 工場跡地で温泉を掘り当ててスーパー銭湯開業
 川崎市矢向にあった東芝の下請けメーカーが廃業、温泉が出ないかと夢を抱いた社長が工場跡地をボーリングしたら見事に温泉を掘り当て、今ではスーパー銭湯になっています(写真)。とても良い温泉のようなので、近所の工場を訪問した帰りに立ち寄って一風呂浴びてみたいものです。

縄文天然温泉■志楽の湯■
(以下引用)
タカラ工業の歴史
前身は昭和21年に府中で醤油の製造事業を始めたタカラ産業。昭和25年に川崎矢向にあった田中製革を買収(宝皮革に社名変更)。昭和27年にタカラ産業と合併。矢向工場で、昭和41年より東芝多摩川工場の半導体のマーキング、ボンディング、パッキング、耐熱テストなどや新幹線の電力素子テストの仕事を、その後堀川町、杉田、柳町工場などの電子レンジの中心部のマグネトロンや冷蔵庫コンプレッサーの仕事を請け負うようになり、社名をタカラ工業に変更。東芝各工場の撤退により、平成13年1月に工場閉鎖。跡地で翌平成14年5月、温泉掘削に成功し、平成17年4月20日に志楽の湯が開業しました。
(引用終わり)

出所:http://shirakunoyu.jugem.jp/?eid=177

その2 廃工場を撮影ロケ地として活用
 特撮ヒーローものの敵との戦闘場面、テレビドラマの不良同士の抗争場面の撮影ロケ地には、よく廃工場が使用されます。廃工場の醸し出す殺伐とした雰囲気は、映像作品のジャンルによっては不可欠であるようです。
 こちらのサイトでは、いろいろな撮影用に提供されている廃工場を見ることが出来ます。これはロケ地のコーディネートを事業としている会社が、廃工場のオーナーと提携して実施しているサービスのようですが、中にはオーナー自身が撮影スタジオの事業を手がけている事例も見られます。たとえばこちら。

KAWAGUCHI ART FACTORY
(以下引用)
映画「 キューポラのある街 」で名を馳せた川口は古くから鋳物工業を中心にものづくりの街=産業都市として栄えて来ました。近年はそれらの工場に代って高層住宅=マンションが立ち並び住宅都市へと変貌を遂げています。戦前は軍需工場、戦後は機械部品製造の鋳物工場として稼動して来た「日本金属鋳造工業株式会社」は現在、中小の製造業者の作業場と共に、アーティストのアトリエスペースとして、更には特異な空間特性を生かした現代美術の展示、撮影スタジオなどとしての場「KAWAGUCHI ART FACTORY」として生まれ変わっています。これからも川口の記憶を刻印するこの場所から未来に向けて新たなアートやメッセージを発信し続けます。
(引用終わり)

出所:http://www.art-kouba.com/aboutus.html

 工場跡地で温泉を掘り当てるというのはかなり資金が必要ですし、博打に近い側面があります。撮影ロケ地としての廃工場の活用は東京近郊では需要がそこそこありそうですが、地方ではよほど独特な雰囲気がなければ制作プロダクションやアーチストに目を向けてもらえそうにありません。工場跡地の活用法にはなかなか決定打となりそうなものがありませんね。