以前から取り上げようとしていたのですが、すっかり忘れていたネタを取り上げます。
上流階級の人々が召し上がるような、高価なお菓子は世界のどこでもそこそこ美味しいのは当たり前でしょう。問題はスーパーや雑貨店などで売られている一般庶民が食べるようなお菓子です。
欧米のお菓子は色彩がどぎつかったり、強烈に甘かったりでやはり美味しいとは感じません。中国、東南アジアのお菓子も美味しくありません。中国のスナック菓子には、高級イメージを持たせるためなのか日本語が表記されているものが多く、これが思わず笑ってしまうような無茶苦茶な日本語であることがしばしばなので、中国出張の際には面白がって会社や家族へのお土産に何度か買い求めましたが、味の方はひどいもので、同僚、家族からの評判は芳しいものではありません。
味覚については人それぞれですから、上記は私の独断と偏見に基づく意見に過ぎないのですが、やはりお菓子については、日本のレベルが世界でも群を抜いているのではないか。。。と思っていたのですが、ブラジルのお菓子を食べてその考えを改めることにしました。
ブラジルのお菓子は美味です。これは絶対に間違いありません。
昨年ブラジルを出張した際、南部の町ポルトアレグレのスーパーで買い求めたお菓子です。左上は既に中身を食べ終えた残骸です(笑)
こちらはPaçoca Rolhaという、どうやらピーナッツを原材料にしたお菓子のようです。砂糖不使用(sem acucares)と標記されています。右は食べかけの残骸です。形状はワインのコルク栓のような感じ。外観はあまりよくありませんが、きな粉を固めたような食感で、程よい甘さが癖になります。
こちらはPé de Molequeというお菓子とRapadura Especialというお菓子です。外観ではっきりわかるように、両者ともにピーナッツを蜂蜜かなにかで固めたシンプルなお菓子です。外観は駄菓子といった風情ですが、上品な甘さ、そしてピーナッツ本来の豊かな風味が口の中いっぱいに広がります。実に美味です。
こちらはMandolate Caseiroという、やはりピーナッツをおそらくココナッツミルクで固めたお菓子です。想像していたよりも甘さは控えめでした。
こちらはTamarasという、お菓子ではなくドライフルーツです。こちらは強烈に甘かったです。しかし甘味料は一切使っていないとのことで、もともとが甘い果物なのでしょう。味と食感は強烈に甘い干し柿、といった感じ。
総じてブラジルのお菓子の外観、パッケージに対する配慮は正直言ってイマイチで、ぱっと見た感じではあまり美味しそうには見えませんが、召し上がるチャンスがあれば是非口にしてみてもらいたいですね。ブラジルのお菓子がなぜ美味しいのか、その理由としては、人口甘味料や着色料は使用せずに素材本来の風味を生かしたシンプルなものであること、そしてブラジルが豊かな農業国であり素材そのものの品質が高いことではないかと思います。手の込んだ製法により美味を追求した日本のお菓子とは対極的な存在ともいえますが、その味の水準の高さは日本のお菓子と十分に肩を並べる存在であるように私は感じます。