アインシュタイン、最初の相対性理論を発表した日

いまから約100年前の1905年６月30日、
『相対性理論』の最初の論文「運動物体の電気力学について」が発表されました。
『相対性理論』と言えば、アインシュタインです。
論文を発表した当時、アインシュタインはスイスの連邦特許局の技師であり、
26歳という若さでした。
彼はこの第１論文を補完するため、
さらに数編の論文を発表し、
これらをまとめて“特殊相対理論”と呼んでいます。

雑誌「Newton」2002年４月号によると、
アインシュタインは友人のベッソーと日頃物理学の議論を交わし、
白熱して仕事を放り出してしまうこともあったようです。
そんな1905年春のある朝のこと、
目を覚ました彼の脳裡に突然閃きが走ります。
それはベッソーと散々議論しても解けなかった問題の解決方法でした。
彼はベッソーにこう言います。
「その答えは突然わいてきて理解できた。
問題をすっかり解いてしまった」
それから５週間後の６月、
「運動物体の電気力学について」は書き上げられ、
６月30日にドイツの物理雑誌「アナーレン・デル・フィジーク」に掲載されたのです。

その10年後には、特殊相対理論では扱えなかった理論を一般化し、
新たに論文が発表されました。
これを“一般相対理論”と言い、
現在ではこの２つの理論を合わせて“相対性理論”と呼んでいます。
岩波文庫『相対性理論』のまえがきには、
次のように記されています。

　相対性理論の出現により、
　物理学の根底となっている時間・空間という概念は再検討，
　再構築され，それにともなって従来の物理学は
　すべて書きかえられることになった

1921年、アインシュタインはノーベル賞を受賞します。
しかし、『今日は何の日』によると、
受賞対象となったのは相対性理論の論文ではなく、
それ以前に発表された光電効果の研究だったということです。

参照文献
内山龍雄訳・解説『アインシュタイン相対性理論』岩波文庫
雑誌「Newton 」2002年４月号　ニュートンプレス