クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

“まないた”(真名板)の地名の由来は? ―?な地名(1)―

2011年06月08日 | 地名の部屋
真名板(まないた)という地名を聞いて、
思い浮かべるのは何だろうか。
材料を切るときに敷くあの板を連想するのがほとんどだろう。

とても馴染みがあるせいか、
一度聞いたら忘れられない。
鎌倉時代にこの地に居住していたと思われる“真名板氏”という武士がいて、
「あの人何て名前だっけ?」と言われることはなかったかもしれない。
あるいは料理人という連想も……

さて、真名板という地名だが、
韮塚一三郎氏の研究によると、
地質に関係しているらしい。

真名板の「マナ」は「マナゴ」の意味で、
小石や砂利を指す。
近くを古利根川(会の川)が流れているため、
川が運んできた小石や砂利が地形を形成し、
そこから名前がおこったようだ。
したがって、まな板生産地だったわけでも、
高名な料理人がいたわけでもない。

地名は地形に由来することが多い。
真名板という地名も、一見台所の道具をイメージしそうだが、
地形を指す言葉ということになる。

地名は論理的かつ往古の歴史を解くカギともなる。
時代が新しくなって、おしゃれな地名に変わったり、
「東~丁目」と整理されたりする。
しかし、真名板という少し不思議なこの地名は、
ずっと使われ続けてほしいと思う。

※最初の画像は、宵時の真名板(埼玉県行田市)

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