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クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

1966年、宝蔵寺ムジナモ自生地で“事件”が起こった?

2011年08月17日 | 近現代の歴史部屋
羽生市三田ヶ谷にある宝蔵寺沼ムジナモ自生地は、
昭和41年5月に国指定の天然記念物となった。

よく誤解されるのは、
ムジナモが天然記念物ではないということだ。
確かにムジナモは絶滅危惧種になっているが、
天然記念物になったのは三田ヶ谷の“自生地”である。

実はこの自生地、
指定早々に解除されそうになった。
事件は夏に起こる。
台風の襲来である。

台風は大雨を降らせ、
その影響によって自生地は増水。
“沼”と言っても新田開発による“堀上田”で、
何本もの堀が四方八方横たわっているような状態だ。

これが増水によって堀は水没。
大きな沼となる。
ムジナモは根無し草ゆえに、
水の流れができればあっという間にどこかへ行ってしまう。
自生地の水没によって、ムジナモは大量に流出。
危うく指定解除になるところだったのだ。

国指定の文化財は、羽生市ではいまのところ宝蔵寺沼だけだ。
天然記念物というだけあって、
環境の変化の影響を大きく受ける。
人の環境への配慮は、この先ますます高まっていくだろう。

ちなみに、羽生市立郷土資料館では、
展示室ロビーにムジナモを展示している。
地元の三田ヶ谷小学校の児童が作ったムジナモ紙芝居も隣に展示。

「ムジナモ」を写真で見ても、
実物を目にしたことのない人は少なくない。
滅多に咲かないムジナモの花は“まぼろし”と言われるが、
これも咲き次第館内放送をしている。

この機会にぜひムジナモを見に行こう。
ついでに国指定の宝蔵寺沼ムジナモ自生地に足を運べば、
さらに理解が深まるのと同時に、
環境の大切さを認識するだろう。

ところで、夏休みのお友だち“自由研究”は終わっただろうか。
まだの子は、ムジナモを使ってみてはいかがだろうか?


増水した宝蔵寺沼ムジナモ自生地
埼玉県羽生市三田ヶ谷


ムジナモ


普段のムジナモ自生地






羽生郷土資料館でのムジナモ展示



羽生市立図書館・郷土資料館
http://www.lib.city.hanyu.saitama.jp/

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