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水紀行002 今年の関東の水がめは?

2014-06-26 07:55:09 | 水紀行
こんにちわ、「くまドン」です。

 下の写真は、埼玉県行田市(ぎょうだし)の古代蓮の里に咲いていた「古代ハス」です。映画・小説で有名な「のぼうの城」で有名な忍城のある所です。後方に見える古代蓮会館(有料)の展望タワーです。

 今年も早咲きは咲いていて、大賀蓮は6月24日の情報で花・ツボミともに多数とのことです。

 昨年・平成25年の今頃のブログを調べてみると、昨年は雨が少なく、北関東のダムは水不足気味の話でした。
 今年は、どうなっているかで調べてみました。
 前回も書いているように間が空いたので突然追加したような話なので、話とは関係ありませんが、今年も写真を少し入れておきました。

(1)今年・平成26年の関東地方は4月・5月は雨が平年より少なかったのですが、今年の冬の豪雪で、雪解け水が多かったのか、6月初めで、関東の各水系のダムの貯水量は、過去の参考年でも最大の貯水量となりました。放水量の調整も順調だったようです。
 今年・平成26年の降水量(平成26年6月25日現在)は平年比で以下の通りです。
  利根川水系: 4月は64%、5月は69%、6月は148%
  鬼怒川流域: 4月は73%、5月は80%、6月は201%
  荒川水系 : 4月は52%、5月は62%、6月は275%
 しかし、6月に入り、梅雨(つゆ)になると、突然、大量の雨が降り出し、荒川水系では6月前半だけで、平年比200%越えという状態です!
 しかし、ほとんどの水系は順調に治水・利水管理が行われ、今の所、順調に7月の制限洪水期貯水容量に近づいているようです。(1水系だけ、やや疑問がありますが・・・)

 下の写真は、展望タワーから眺めた「田んぼアート」の風景です。見事な絵となっています。
 毎年、水田をキャンバスとして色彩の異なる複数の稲を植え付け、文字や図柄が描かれます。

 今回の写真を撮影したのは、4年前の平成22年(西暦2010年)の7月ですが、映画「のぼうの城」が封切られる前のことです。絵柄は、忍城(おしじょう)と映画で「のぼう様」と呼ばれた成田長親(なりたながちか)です。

【治水・利水の常識・非常識】
 前回も話しましたが、ダムの「有効容量」(有効貯水容量)は、計画上でダムに水を貯められる水量です。
 通常は、農業用水や上水道を安定供給する為に使用されます。
 急な雨などに備えて、ダムが貯水できる「総貯水容量」に対して、十分な余裕を持たせてあります。
 さらに、夏場は、集中豪雨や台風などで大量の雨が降りますので、
 夏季(洪水期、6月~9月)の間、「有効容量」の一部を「洪水調節容量」に変更して、
 ダムに貯水可能な量を増やします。余る分は放水することになります。

 下の写真が忍城(おしじょう)跡にある郷土博物館の御三階櫓(ごさんかいやぐら、模擬?復興?)の写真です。

 江戸時代の5代・徳川綱吉(とくがわつなよし)の元禄年間の阿部家時代に御三階櫓が造られ、天守閣の代わりになっていました。明治6年に解体されましたが、昭和63年に再建されています。
 映画「のぼうの城」の舞台となった豊臣秀吉(とよとみひでよし)の「小田原攻め」の頃は、二ノ丸屋敷だけで、天守は無く、湿地帯の島を利用した堅城でした。石田光成(いしだみつなり)の城攻めが失敗により、「忍の浮き城」の別名で呼ばれる事もあります。

(2)まず、今年・平成26年6月25日の各水系の貯水量データだけを見てみると、

 水系名      有効容量  貯水量  貯水率  平年比
           (万m3)  (万m3)  (%)   (%)
 利根川水系   46,163  38,947  84    114
 鬼怒川流域   17,698  14,073  80    142
 荒川水系     14,420   9,036  63    152
 多摩川水系   18,540  16,975  92    120
 相模川水系   22,118  21,194  96    102

 となっています。このデータだけ見ると、荒川水系の貯水率が63%と低く見えますが、7月初めからの夏季の洪水調節容量に調節している結果ですから問題は無いです。
 なお貯水率の平年比は平成4年から平成25年までの貯水量平均値との比較ですが、
 荒川水系は、3年前の平成23年6月に滝沢ダム(たきざわダム、有効貯水容量5,800万m3)が完成、
 鬼怒川流域は、2年前の平成24年3月に湯西川ダム(ゆにしがわダム、有効貯水容量5,390万m3)が完成
 していますので、ダムが無かった時の貯水量を含む平年比に対して、現在の貯水量は大きくなっていますで、100%を大幅に越える数字になっています。

 下の写真は、埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)の写真です。関東では珍しく、大きな前方後円墳がいくつもある所で、石田光成が忍城攻めで布陣した丸墓山古墳(まるはかやまこふん、円墳)から、隣の稲荷山古墳(いなりやまこふん、前方後円墳、5世紀後半の造営)を眺めた所です。


(3)7月1日になると、各ダムの有効貯水容量(洪水期利水容量と言います)は、減少して以下のようになります。
 (貯水量のデータは6/25のデータを使用しています。)

 水系名      有効容量  貯水量  貯水率  平年比
           (万m3)  (万m3)  (%)   (%)
 利根川水系   34,349  38,947  113    114
 鬼怒川流域   15,140  14,073  93     142
 荒川水系      8,000   9,036  113    152
 相模川水系   22,118  21,194  96    102
 (多摩川水系は夏季の有効容量が7月にならないと不明の為、未記入です。)

 こうして、貯水率を見ると、「利根川水系」、「荒川水系」は平年より水量豊富で、7月初めの夏季の有効容量へと順調に近づいています。「相模川水系」は6/15に夏季の有効容量に変わっていますので、変化ありません。

 残る「鬼怒川流域」ですが、湯西川ダムの増加により、平年比データは役に立ちません。
 6月初めまでは、過去最高の貯水量で問題無しかと思いましたが、6/20時点で夏季の制限容量を下回っています。6月上旬に多量の雨が降り、上旬だけで平年の100%を超える水域も多かったので、6/10頃に鬼怒川水系の貯水量が急上昇したようで、大急ぎで放水した形跡が貯水量のグラフから読み取れます。
 ただ、6月中旬以降の雨量が落ち着いたにも関わらず、多量の放水を続けているので、6/25時点で貯水率が夏季の93%まで落ちています。何か、一度方針変更したら、修正がきかないような減り方です・・・・・
 今年・平成26年は雨の多い夏との予報ですが、予報が外れて、雨不足になると、水不足の原因になるような?
 昨年までは、湯西川ダムができて間もない為、貯水量は低めに推移していました。おそらく、ダムが満水状態での運用は今年初めてと思いますので、過去データも無いし、慎重になっているのかな?と思います。
 元々、夏季制限容量は、超えていけない水位では無く、洪水時に下流部への放水を抑止する調整水量ですから、利水の側面を考えると、少し行き過ぎのような気がします。

 最後に、ブログに勝手に載せるわけにもいかないので、各データの入手方法ですが、
 インターネットのgooogleなどで「利根川水系 貯水量」と検索すると、おそらく、先頭と2番目付近に
 「貯水量情報|東京都水道局」と「利根川水系 | 河川 | 国土交通省 関東地方整備局」が表示されるはずです。

 「利根川水系 | 河川 | 国土交通省 関東地方整備局」をクリックすると、
 「利根川水系」の降水量・貯水量のデータとグラフが表示されます。
 ページの下の方に他の水系の情報のページへ飛べる場所があります。
 (「利根川水系鬼怒川流域」「荒川水系」「多摩川水系」「相模川水系」へ飛べます)

 多摩川水系のグラフを見たい場合は、「貯水量情報|東京都水道局」をクリックして、左欄の「水系別貯水量の推移」をクリックすると見る事ができます。ただし、対象となるダムの数が異なるのか?計算方法が異なるのか?多摩川水系の総容量が異なります。(利根川水系と荒川水系の情報もあります。)

 一応、昨年のブログも表示します。(クリックすると、そのブログに飛びます。右欄のカテゴリアーカイブで「水紀行」を選択しても一覧(現状は2つだけ)が表示されます。)
 「水紀行001 水不足?」

 今回は、これで終了とさせていただきます。
 くまドンのブログに訪問していただき、ありがとうございます。

 次回も、別の話になります。


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