江田島の続きです。
いがぐり頭の彼は、ニコニコ笑っていました。
私はたくさんの遺書を見ました。
全てに共通する、自分の心の中の想いを見つけました。
国のため、
天皇のため、
そのために死ねることが誇らしい
そう表現されている文章に静かに怒りを感じました。
怒りを感じている私は、青年でした。
おそらく、過去世。
この青年と、いがぐり頭の少年の接点ってなんだろう。
青年の怒りはとても静かですが、とても揺るがない悲しみに満ちていました。
爆発するわけではなく、でも、熱く消えないマグマのような怒り。
なぜ、そのために死ぬのか。
それが命に替えられるようなものではないのに。
命を失う理由にはならないんだ。
そんなことで死んではいけない。
命とは、人生とはもっと輝かしいものなんだ。
それを遠くから思っている。
記憶をたどってみて、
いがぐり頭の少年とは直接接触があったのかわかりませんが、
そんなに近く感じませんでした。
なので、いがぐり頭の少年に話してみました。
彼は、言いました。
「自分はただこの時代を生きただけ。
精一杯生きただけ。
そういう時代だっただけ。」
すっきりにっこり笑っています。
自分の中の青年の怒りは、彼の中にみじんもありませんでした。
家に帰って、最近気になってしょうがないNHKのアニメ、
キングダムを見ました。
なぜこのアニメが気になるのか、それをMさんに聞いた時、
今後も見続けて、気になるキャラクターがいるはず、それを見つけてみて、とアドバイスをいただきました。
そのキャラクターの存在が、私の中の何かをかりたてるらしい。
主人公の少年が、弟に反乱を起こされ、追い出されてしまった王である兄を、
弟達を倒し、王宮を奪還するまで一緒に戦うという内容で、
無謀だろうと思われる戦いを、王のために、と生き生きと進む姿に、
私は涙が出た。
もうそんなことしないでくれ。
もう、そんなことしないでくれ。
国のためにと命を投げ出さないでくれ。
お願いだから。
生きて欲しい。
自分の人生を生きて欲しい。
だから、誰かのためにと命を捧げないでくれ。
そんな想いが熱くゆったりととした涙とともに出て来た。
男の人が泣くとこんな感じなのかな??と不思議な感じでした。
私はこの青年の抱えてるものを手放すために江田島に行ったんだろうな。
そして、いがぐり頭の少年の言葉を思い出しました。
『ただ、その時代を生きただけ(^o^)』
彼の名前をネットで検索したら、ちゃんと出て来ました。
回天として、船に突っ込み、船を沈めていました。
その沈められた船の側からの記録もあり、
100何十人も人が亡くなっていました。
一隻で突っ込んだのに、
優秀なクルー達は、恐怖から、何隻もいると錯覚したようで、
それを読んでいると、
どっちが被害者なのか、わからなくなりました。
人間魚雷回天は、悲劇的なお話で伝わっていますが、
やっていたことは殺人。
殺された人数が多いと被害者なのか。
自殺行為をしてまで戦うと英雄なのか。
加害者も被害者もない。
良い悪いもない。
正しい間違ってるもない。
いがぐり頭の少年が言っていたように、
ただその時代を生きただけ。
精一杯自分の人生を生きただけなんだ。
それを彼はとても満足していた。
ネットで見る彼の写真は、私の見たいがぐり頭の少年の顔そのもので、
くったくのない笑顔で輝いていた。
どんな時代を生きるか、
どんな設定で生きるかは、決めてきたことだから変えられない。
でも、そこを受け入れ、今をどう生きるかの選択は自分でできる。
時代や、何かのせいにしたり、誰かのせいにしたりするのではなく、
目の前の自分の人生にどう向き合うか。
精一杯生きているだろうか。
目一杯楽しんでるだろうか。
今この瞬間を生きてるだろうか。
自分に責任をもち、自分の足で生きているだろうか。
何を表現するか、どう生きるかに、正しいかどうかなんてなにもない。
ただ、自分がその人生を目一杯生きたらいい。
私は、左目から脳に何かが刺さって、それを引き抜かれながら、
とても悔やんでた。
一体なんのために生きてきたのか。
私が戦い死ぬことが、本当に国のためなのか。
薄れゆく意識の中、たくさんの若い青年達が死にゆく姿を見ながら、
彼らはなんのために生まれたのだ!
どうして国のために、こんな死に方をしているんだ。
なぜ、誇るべきことだと言わなければならないのだ。
そんな悲しみを抱えて亡くなりました。
でも、成仏できなかったのか、もしくは、見届けたかったのか、
その後、ずっといわゆる幽霊として、特攻隊の子達と一緒に居ました。
おそらく、いがぐり頭の少年達もどうにか守ろうとして、見届けたんだろうと思います。
その時の想いが、今も私の中に残ってる。
ダメだ。戦争はダメだ。間違ってることはダメだ。命を間違ったことに使ってはダメだ。
だから私は常に、それは正しいのか?をこころの中でよくやってしまう。
間違わないように、と。
正しいことも、間違いなことも、何一つない、って分かってるのに。
つづく
いがぐり頭の彼は、ニコニコ笑っていました。
私はたくさんの遺書を見ました。
全てに共通する、自分の心の中の想いを見つけました。
国のため、
天皇のため、
そのために死ねることが誇らしい
そう表現されている文章に静かに怒りを感じました。
怒りを感じている私は、青年でした。
おそらく、過去世。
この青年と、いがぐり頭の少年の接点ってなんだろう。
青年の怒りはとても静かですが、とても揺るがない悲しみに満ちていました。
爆発するわけではなく、でも、熱く消えないマグマのような怒り。
なぜ、そのために死ぬのか。
それが命に替えられるようなものではないのに。
命を失う理由にはならないんだ。
そんなことで死んではいけない。
命とは、人生とはもっと輝かしいものなんだ。
それを遠くから思っている。
記憶をたどってみて、
いがぐり頭の少年とは直接接触があったのかわかりませんが、
そんなに近く感じませんでした。
なので、いがぐり頭の少年に話してみました。
彼は、言いました。
「自分はただこの時代を生きただけ。
精一杯生きただけ。
そういう時代だっただけ。」
すっきりにっこり笑っています。
自分の中の青年の怒りは、彼の中にみじんもありませんでした。
家に帰って、最近気になってしょうがないNHKのアニメ、
キングダムを見ました。
なぜこのアニメが気になるのか、それをMさんに聞いた時、
今後も見続けて、気になるキャラクターがいるはず、それを見つけてみて、とアドバイスをいただきました。
そのキャラクターの存在が、私の中の何かをかりたてるらしい。
主人公の少年が、弟に反乱を起こされ、追い出されてしまった王である兄を、
弟達を倒し、王宮を奪還するまで一緒に戦うという内容で、
無謀だろうと思われる戦いを、王のために、と生き生きと進む姿に、
私は涙が出た。
もうそんなことしないでくれ。
もう、そんなことしないでくれ。
国のためにと命を投げ出さないでくれ。
お願いだから。
生きて欲しい。
自分の人生を生きて欲しい。
だから、誰かのためにと命を捧げないでくれ。
そんな想いが熱くゆったりととした涙とともに出て来た。
男の人が泣くとこんな感じなのかな??と不思議な感じでした。
私はこの青年の抱えてるものを手放すために江田島に行ったんだろうな。
そして、いがぐり頭の少年の言葉を思い出しました。
『ただ、その時代を生きただけ(^o^)』
彼の名前をネットで検索したら、ちゃんと出て来ました。
回天として、船に突っ込み、船を沈めていました。
その沈められた船の側からの記録もあり、
100何十人も人が亡くなっていました。
一隻で突っ込んだのに、
優秀なクルー達は、恐怖から、何隻もいると錯覚したようで、
それを読んでいると、
どっちが被害者なのか、わからなくなりました。
人間魚雷回天は、悲劇的なお話で伝わっていますが、
やっていたことは殺人。
殺された人数が多いと被害者なのか。
自殺行為をしてまで戦うと英雄なのか。
加害者も被害者もない。
良い悪いもない。
正しい間違ってるもない。
いがぐり頭の少年が言っていたように、
ただその時代を生きただけ。
精一杯自分の人生を生きただけなんだ。
それを彼はとても満足していた。
ネットで見る彼の写真は、私の見たいがぐり頭の少年の顔そのもので、
くったくのない笑顔で輝いていた。
どんな時代を生きるか、
どんな設定で生きるかは、決めてきたことだから変えられない。
でも、そこを受け入れ、今をどう生きるかの選択は自分でできる。
時代や、何かのせいにしたり、誰かのせいにしたりするのではなく、
目の前の自分の人生にどう向き合うか。
精一杯生きているだろうか。
目一杯楽しんでるだろうか。
今この瞬間を生きてるだろうか。
自分に責任をもち、自分の足で生きているだろうか。
何を表現するか、どう生きるかに、正しいかどうかなんてなにもない。
ただ、自分がその人生を目一杯生きたらいい。
私は、左目から脳に何かが刺さって、それを引き抜かれながら、
とても悔やんでた。
一体なんのために生きてきたのか。
私が戦い死ぬことが、本当に国のためなのか。
薄れゆく意識の中、たくさんの若い青年達が死にゆく姿を見ながら、
彼らはなんのために生まれたのだ!
どうして国のために、こんな死に方をしているんだ。
なぜ、誇るべきことだと言わなければならないのだ。
そんな悲しみを抱えて亡くなりました。
でも、成仏できなかったのか、もしくは、見届けたかったのか、
その後、ずっといわゆる幽霊として、特攻隊の子達と一緒に居ました。
おそらく、いがぐり頭の少年達もどうにか守ろうとして、見届けたんだろうと思います。
その時の想いが、今も私の中に残ってる。
ダメだ。戦争はダメだ。間違ってることはダメだ。命を間違ったことに使ってはダメだ。
だから私は常に、それは正しいのか?をこころの中でよくやってしまう。
間違わないように、と。
正しいことも、間違いなことも、何一つない、って分かってるのに。
つづく