安全保障関連法案に反対する大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー3人が8日、東京都内で講演し、反対の動きが広がっていることに「シールズが象徴的に扱われているが、集まる人が若者中心かというとそうじゃない。国民的な動きが起きている」と強調した。法案が成立しても活動を続ける考えも表明した。

 講演は新聞、放送局などでつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会主催。

 明治学院大4年の奥田愛基さん(23)は、活動をしている理由について「東日本大震災と東京電力福島第1原発事故があったのに、政治が何も変わらないのに嫌気がさしている。生まれたときからバブルも崩壊していて格差社会が広がる絶望的な世の中だ。だからこそ、そろそろ何かしないとやばいんじゃないかって思っている」と話した。

 また、安倍政権に対抗するため、来年夏の参院選で、各選挙区で野党に統一候補擁立を呼び掛ける考えも明らかにした。奥田さんは「僕は9月ぐらいで(活動を)やめるつもりだったけど、メンバーには『このままでは終われない』という人もいる。(次期参院選での野党協力の)パッケージを誰もつくれないのなら自分たちでやらないといけない」と話した。

 筑波大3年の本間信和さん(20)は「法案がどうなっても、日本の安全保障に関する議論は続くし、ほかにも社会保障などの問題が山積している」と今後の活動の課題を挙げた。(共同)