カピバラさんの2泊3日(6)

2015-07-28 21:29:50 | 童話
僕たちはここで最後の休憩をして、水筒のお水を飲みました。
そして、十分ほど休憩した後で歩き始めました。

僕が
『もうじきみんなに会えるね。』
と言うと、お母さんが
『そうよ、みんな頑張ったわね。』
と言って、僕とお姉ちゃんに声をかけてくれました。

お父さんが
『さあ、頑張って行くよ。』
そしてみんなが一列になって歩き始めました。
僕は、
『楽しいな、楽しいな。』
と何度も叫びながら歩いて行きました。

4匹で道路を歩いている時に、道端に綺麗な水が流れている小川があるのを見つけました。
『あっ、メダカだ。水草の所に小さなフナもたくさん居る。』
『よそ見しないで歩きなさい。行くわよ。』
と言って、お母さんは歩いて行きました。
僕は、お母さんの注意が耳に入らないくらい立ち止まって小川を眺めていると、
メダカが
『どこへ行くの?』
と話し掛けてきたので
『みんなと田舎の友達の所へ行くんだ。』
と応えると、メダカは
『僕達も川の上流まで行く事があるけど、すぐここに帰ってくるよ。ここは居心地がいいんだ。』
『僕も川に入っていい?』
『ああ、いいよ。』
『気持ちいいな~あ。』僕は小川の中に男の子が居るのに気が付いた。
『何しているの?』
『ヤゴを捕まえているんだ。』
『捕まえたヤゴはどうするの?』
『家の池で育ててトンボにするんだよ。』
『楽しそうだね。』
『トンボになって空へ飛んで行くのは、すごく楽しいよ。』