カピバラさんの2泊3日(9)

2015-07-31 23:23:56 | 童話
そして、お父さんが玄関のチャイムを鳴らすと、
『あらっ、よく来たわね。』
とカピバラの飼い主さんのおばさんが迎えてくれました。

もう日が沈みかけて、少し暗くなりかけていたのです。

『疲れただろうから中に入ってくつろいで。』
と言って藁を敷いた箱をすすめてくれました。
その箱は僕達家族全員が入るのに丁度良い大きさでした。

この家で大事に育てられているカピバラが、自分達の箱を持ってきて隣りに置きました。
その箱も柔らかい藁が敷いてありました。

『これでみんなで遅くまでお話しができるね。』
とお姉ちゃんが言ったが、お父さんが
『今日は疲れたから早く寝るよ。』
と言って、夕食の後、お風呂に入りました。

お風呂はいつ入っても気持ち良く、ウトウトとしてしまいます。

僕達家族全員で風呂上りの牛乳を飲んだのですが、
『美味しいねぇ、お姉ちゃん。』
『うん、美味しいね。』
お父さんも『風呂上りの牛乳は、本当に美味しいね。』、
お母さんも『そうね、幸せね。』と言って目を細めていました。

この家のカピバラは両親と男の子の3匹で、子供は僕と同い年です。

僕はその子と遊びたかったのですが、お父さんの言う通り早く寝ました。