【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

TPPルール分野を審議、著作権及びISDSで参考人は「米企業でもデメリットある」篠原孝さん「ディズニーが有利なのは事実だ」[きょうの国会]

2016年10月31日 17時29分12秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特)平成28年2016年10月31日(月)】

●午前中は参考人質疑「知的財産とISDS条項」

 いきなり先週の話で恐縮ですが、金曜日辺りからようやく中身の話になってきましたが、共産党の畠山和也さんの「第11章金融サービス賞の保険には共済が入るのか」、民進党の緒方林太郎さんの「大豆などで、遺伝子組み換え【である】という表示はあるのか」との問いに対して、答弁に立った、石原TPP相や消費者相らが「ご懸念はあたらない」「消費者庁がしっかりやっているから大丈夫」というような答弁をし、質疑者から「そうではなくて、情報を教えてほしいんだ」という趣旨のやりとりがありました。担当大臣の交代もありますが、やはり、自民党には国会内での、民主政治のインフラである、野党に対する情報の開示・公開のマインドが弱いんだ、と感じました。

 きょうの話に戻ります。

 「TPP条約の承認を求めるの件」(190条約8号)と「TPPによる国内法の11法律一括改正法案」(190閣法47号)。著作権とISDSのうち、著作権法改正案については、一括法案に先取りして入っています(施行日はTPP発効日)。

 4名の参考人の意見陳述。

 参考人に対する質疑の中で、民進党の篠原孝さんは「アメリカのディズニーや映画協会がロビー活動をやっているのは事実だろう」と感想を述べました。

 冒頭の公述では、前日大教授の土肥さんが著作権法改正について、(1)著作権保護期間の延長(2)著作権侵害の一部の非親告罪化(3)アクセスコントロール(4)配信音源の2次使用料の発生ーーなど5項目のTPP項目を示しました。土肥さんはビジネス以外にも、文化庁長官裁定による公共的な著作物の公開も、「権利者との相当な努力がいる」としました。

 福井健策弁護士・日大芸術学部客員教授は、ビジネス展開とからめて説明。世界の企業の事業規模のうち、トヨタ自動車が31位で、トップ1位から5位までは、アメリカ西海岸発祥のIT企業だとの現状を紹介。そのうえで、TPPによる、保護期間の延長で、著作権が相続され、複数の人に長期に分かれていくため、事務コストが増え、権利者不明の「孤児著作物」も増える、という趣旨の説明をし、「TPP交渉の保護期間の延長は間違った判断だった」と意見を語りました。非親告罪化については「今は軽微な利用は、おめこぼしがあり、それで世の中は回っている。今後は、ネット炎上から刑事告発につながることもあるのではないか」とし「注視が必要だ」。

 また、日本のみならず、福井さんは「条約で縛ることは、3年後には状況が変化する。アメリカも含めて先進企業にデメリットになるのではないか」としました。「国内法はこれまでの数倍のスピードで、著作権の国内外の、オープン、クローズをしていかないといけない」と国会議員を前に語ったうえで、議題について「慎重審議を求めたい」と語りました。

 参考人質疑は4人同時。うち2人がISDSの参考人。「昨日NHK日曜討論で、自民党の田村元厚生労働大臣が、ISDNと言っていたが、それは電話だ。ISDSは国会議員にも浸透していない」と笑いを誘いました。官僚時代に担当した、自民党2期生の山下貴司さんが「ISDS条項はこれまでの自由貿易協定にも入っているので、TPPからの話ではない。ここにいる国会議員も含めて承認しているんですよ」と語ると、参考人から「これまでの条約でも、私は潜在的違法だと思っている」と言われ、苦笑いもありました。

 まあ私の感想としては、日米とも、メリットがある人・社も、デメリットがある人・社もあるということを、さらに強く感じました。

●午後は、テレビ入り総理入り集中審議

 野党筆頭理事の篠原孝さんはテレビ入り総理入り質疑の冒頭、「現時点で、総理入り質疑の時間の方が長くなっている」とし、一般的な質疑の時間も充実させるよう強調しました。

 これに先立ち、与党・自民党から赤沢亮正さんが質問。赤沢さんは2011年の野党時代に、前年に提出した「津波防災の日を設ける推進基本法」を、与党・民主党が審議しなかったから、3・11で多くの方が亡くなったという趣旨の発信をし、インターネット上で自民党支持者の反応がありました。今週の土曜日が11月5日、津波防災の日。なので、赤沢さんはそれに言及するかと思いきや、「過去10日間に起きたことを振り返る」として、最も若い派閥である石破派の幹部、小坂憲次さんの話をし、地元の話をしました。地元の話は、鳥取県中部の震度6強の地震ですので、これはまあ、これ以上、私も赤沢さんを揶揄するわけにもいかないです。

 民進党の福島伸享さんは、SBS米問題の調査を理事会に要求。民進党の今井雅人さんはSBS米に先立つ、MA米(ミニマム・アクセス・まい)で、毎年半分はアメリカから輸入する口約束があったと、当時のUSTR、農務長官が雑誌のインタビューで答えており、実際に実績で裏付けられていると指摘。安倍首相は「口約束は口約束だ」とかわしました。

 福島伸享さんは、議題の条約案と国内実施法案のうち、すべての国内法律の成立が批准の要件なのかと質問しました。石原TPP相は「すべての法律の成立を寄託国に報告する」としましたが、山本農相は豚牛マルキンの法案部分については、「法律施行日は条約発効日だ」としながらも、「政令や予算で、補てん率9割への嵩上げはできる」。福島さんは、次の予算で実施するよう求めました。

 共産党の畠山和也さんは、薬価について、これも日米並行協議を中心に質疑。「次回は第27章のTPP委員会を取り上げる」と継続を促しました。

 日本維新の会の松浪健太さんは、最初に取り上げた「遺伝子組み換えでない食品(遺伝子組み換えである食品)」の表示問題。厚労省は立ち入り検査をしておらず、コーンフレークなどの対応は法律を改正しないでも対応できると説明。ルール分野では、食品表示についても反響が議員に寄せられているであろうと世論の関心を感じました。

 報道などによると、自民党の竹下亘国会対策委員長は、あす1日ではなく、今週末4日の採決も視野に入れ始めたようです。

 ところで、民進党などの議員・支持者らに、私が日和ったと勘違いされないために言っておきますが、私は前々からの自由貿易論者であり、TPPに関しては「なんか話が違うな」と思いつつも、それでも賛成です。 

【参議院 平成28年2016年10月31日(月)】

 審議はありませんでした。

【衆議院議院運営委員会 平成28年2016年10月31日(月)】

 理事会が開かれました。あすの本会議について協議したものと思われます。理事会は、後々の議事要旨も非公開です。今週はTPP、税制など重要法案の「上がり法案」処理が予想され、衆院側は中盤戦のヤマ場となりました。 

 このエントリー記事の本文は以上です。 


1年前)岡田さんは労働分配率を高め個人の所得増→蓮舫さんは配偶者控除を廃して保育に使う、分かってないとはいえ、まったく違う

2016年10月30日 18時43分11秒 | その他
 
岡田克也代表、民主党は「個人の所得を増やす」労働分配率高め、貧困層底上げ、アベノミクス対案
 民主党の岡田克也代表は、きのう、平成27年2015年10月29日(木)の党本部ホール内での記者会見で、自民党(総裁=安倍首相)の経済政策「アベノミクス」の対案を問われ、 「民主党......
 

 


パリ協定は参本会議で承認後、衆・外務委で審議入り、重要影響事態に応じた日米ACSA先送り、TPP衆通過は11月に追い込む[きょうの国会]

2016年10月28日 17時03分32秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会


●重要影響事態の後方支援の条約化は先送り、パリ協定が参・本会議で可決、衆・本会議で代表質問し、衆・外務委員会で趣旨説明

【参議院本会議平成28年2016年10月28日(金)】

 「パリ協定の承認を求めるの件」(192条約1号参先議)が採決されました。投票総数234、賛成234、反対0の全会一致で承認。衆に送られました。

 これに先立つ会議の冒頭では、大勲位、崇仁親王殿下への弔詞が朗読されました。

 次に、「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号衆修正)が金田法相から趣旨説明されました。代表質問に対する答弁では、官房長官、外相、厚労相、経産相らも答弁しました。

【衆議院本会議平成28年2016年10月28日(金)】

 委員会で可決されて本会議に上程された「上がり法案」の処理から。

 「宇宙活動法案(人工衛星打ち上げ管理法案)」(190閣法41号)と「衛星リモートセンシング法案」(190閣法42号)は共反対、自公民維賛成多数で可決し、参に送られました。

 「独立行政法人鉄道・運輸機構法改正案」(192閣法2号)も、共反対、自公民維賛成多数で可決し、参に送られました。

 この後、参から送付を受けた「パリ協定の承認を求めるの件」(192条約1号)を岸田外相が趣旨説明。民進党の神山洋介さんらの代表質問に対して、山本環境相らが答弁しました。 

 会議の冒頭では新議員の紹介として、鳩山二郎さんが大島理森議長から紹介されました。

【衆議院外務委員会平成28年2016年10月28日(金)】

 「パリ協定の承認を求めるの件」(192条約1号) が付託され、岸田外相が趣旨説明をし、散会しました。

 これにより、3月施行の平和安全法制による重要影響事態法に対応して、日米が地球の裏側で弾薬など後方支援する段取りを定めた、新しい日米ACSAの承認を求めるの件(192条約2号)はずれ込むことになりました。

【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特)平成28年2016年10月28日(金)】 

 「TPP承認案」(190条約8号)と「国内法案」(190閣法47号)

 午前中は一般質疑で、政府参考人として公正取引委員会審査局長らが呼ばれました。

 質疑に立った、民進党の篠原孝さんは「これからしっかり質疑をしていこう」と語りました。篠原孝筆頭理事が率いて、あたかも「篠原学校」の風情で、徹底審議を求めたため、衆通過は11月にずれ込むことになりました。2016年11月という米大統領選と同じ月にずれ込んだことで、歴史の検証に耐えやすくなったと考えます。

 金曜午後2時半からという珍しい日程で、テレビ入り総理入り集中審議。次回は週明け月曜午前9時から。

【衆議院内閣委員会平成28年2016年10月28日(金)】

 内閣の重要施策に関する件外5件に関する国政調査として、一般質疑がありました。給与法案は審議入りせずに、散会しました。

【衆議院経済産業委員会平成28年2016年10月28日(金)】

 「JOGMEC独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法改正案」(192閣法8号)が採決され、共反対、自公民維賛成多数で可決しました。附帯決議付き。

【衆議院文部科学委員会平成28年2016年10月28日(金)】

 「教育公務員特例法などの一括改正法案」(192閣法17号)は野党の質疑になりました。

 私は相変わらずこの改正法案の意図が見えないのですが、民進党は少人数学級の必要性や、教育以外の雑務が多いことをただしました。相変わらず日教組目線の教員の待遇しか考えない質問を繰り返しました。きょうだけ見ても、民進党は、篠原孝さんら政権をめざす議員と、そうでない議員の二極分化が進んでいるように感じました。社民党の吉川元さんは徹底審議を要求しました。教員免許更新制のもと、研修の回数を増やそうという方向性について、大きな反対は無いような雰囲気です。

【衆議院財務金融委員会平成28年2016年10月28日(金)】

 「消費増税延期法案」(192閣法3号)。質疑をして、散会しました。

【衆議院厚生労働委員会平成28年2016年10月28日(金)】 

 既に別エントリーに書いた通りですので、書き写します。

 「年金加入期間25年から10年短縮法案」(192閣法6号)に加えて、民進党提出の修正案、それとは別に共産党提出の修正案の、合計3案をならべて審議を始めました。

 厚労委は、「危険ドラッグ禁止法」など民共が一緒に提案することが多いのですが、今回の修正案は、民進党と共産党の足並みが乱れました。

 この背景には、共産党の志位和夫委員長らが、連合の神津里季生会長から共産党と離れるよう干渉を受け、煮え切らない態度をとる、蓮舫代表・野田佳彦幹事長率いる民進党との距離を取っているんだろうと、推測されます。

 修正案の提案理由説明では、民進党の井坂信彦さん、共産党の高橋千鶴子さんはともに、「施行日を前倒すことに賛成」と語りました。ただ、高橋さんはこれに加えて、「一体改革をやめて消費税増税の延期せずに、やめるべきだ。法案の中にある財源規定を削除する」と加えてました。野田佳彦内閣が自民党と公明党と結んだ「3党合意」を破棄するよう求めたもの。

 報道によると、共産党幹部は、前日の蓮舫民進党代表の定例記者会見を聞いて、「どっちつかずだ」と連合との関係を批判。「岡田克也代表時代は表立って共闘できない問題でも、水面下で説明があった」とし、不満を募らせていました。

 この後、質疑は終局。採決では、共提出の修正案では、共賛成、自公民維反対で否決。民提出の修正案では、民共賛成で、自公維反対で否決。政府原案は全会一致で可決しました。政府原案通り、来年10月13日(金)振り込み分から、10年以上が加入資格として年金が支給される内容。次の衆議院本会議で可決し、参議院へ送られ、今国会中に成立するはこび。 

【衆議院法務委員会平成28年2016年10月28日(金)】 

 給与関係3法案があったはずですが、他の議員立法が審議されました。別エントリーにも書いた通りですが、採決は阻まれたものの、怒りでいっぱいです。 

 「差別解消推進基本法案」(190衆法48号)の審議を再開しました。この法案は、自民党の二階俊博幹事長らが提出し、5月20日(金)に趣旨説明されましたが、6月1日に会期が切れたため、継続審査となっていました。

 共産党の藤野保史さんが正論を展開し、解放同盟による威圧的な自治体への干渉を懸念しました。

 採決はなく、散会しました。

 後で、補えたら、藤野さんの質疑をここに書き加えようかとも思いますが、このような法案を審議入りさせる行為に対して、怒りでいっぱいです。

この記事の本文は以上です。

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厚生労働委で、民進党と共産党が別々に修正案を出し、共闘崩れる、共「一体改革を削除すべし」と3党合意を否定

2016年10月28日 09時59分43秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]修正案を提出した井坂信彦さん(左)と、それとは別の修正案を提出した高橋千鶴子さん(中央)、政府案を担当する橋本岳・厚生労働副大臣(右)、2016年10月28日(金)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 衆議院厚生労働委員会は、平成28年2016年10月28日(金)、審議中の政府提出法案「年金加入期間25年から10年短縮法案」(192閣法6号)に加えて、民進党提出の修正案、それとは別に共産党提出の修正案の、合計3案をならべて審議を始めました。

 厚労委は、「危険ドラッグ禁止法」など民共が一緒に提案することが多いのですが、今回の修正案は、民進党と共産党の足並みが乱れました。

 この背景には、共産党の志位和夫委員長らが、連合の神津里季生会長から共産党と離れるよう干渉を受け、煮え切らない態度をとる、蓮舫代表・野田佳彦幹事長率いる民進党との距離を取っているんだろうと、推測されます。

 修正案の提案理由説明では、民進党の井坂信彦さん、共産党の高橋千鶴子さんはともに、「施行日を前倒すことに賛成」と語りました。ただ、高橋さんはこれに加えて、「一体改革をやめて消費税増税の延期せずに、やめるべきだ。法案の中にある財源規定を削除する」と加えてました。野田佳彦内閣が自民党と公明党と結んだ「3党合意」を破棄するよう求めたもの。

 報道によると、共産党幹部は、前日の蓮舫民進党代表の定例記者会見を聞いて、「どっちつかずだ」と連合との関係を批判。「岡田克也代表時代は表立って共闘できない問題でも、水面下で説明があった」とし、不満を募らせていました。

 この後、質疑は終局。採決では、共提出の修正案では、共賛成、自公民維反対で否決。民提出の修正案では、民共賛成で、自公維反対で否決。政府原案は全会一致で可決しました。政府原案通り、来年10月13日(金)振り込み分から、10年以上が加入資格として年金が支給される内容。次の衆議院本会議で可決し、参議院へ送られ、今国会中に成立するはこび。

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二階俊博・自民党幹事長が提出した部落差別解消推進基本法案が衆議院法務委員会で審議入り【追記有】

2016年10月28日 09時41分30秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 衆議院法務委員会は、平成28年2016年10月28日(金)、「差別解消推進基本法案」(190衆法48号)の審議を再開しました。

 この法案は、自民党の二階俊博幹事長らが提出し、5月20日(金)に趣旨説明されましたが、6月1日に会期が切れたため、継続審査となっていました。

 同委員会は、裁判官・検察官給与法案の審議中でしたので唐突感がありました。

 二階さんは、同党議員の追悼演説でも、この法案に言及。審議では、自民党1期生で、二階派所属の神谷昇さん(元大阪府泉大津市長)が質疑。答弁には、差別が歴史的に無いはずの、沖縄の宮崎政久さんらが答弁しています。

 この法案の提出には、二階さんのほか、自治労組織内で、北海道の逢坂誠二・野党側筆頭理事も加わっています。

 国における差別は、法務省が人権、旧総務庁が財政措置を担当してきましたが、現在は、差別がありませんから、法律はありません。

 審議は現在も進んでいます。

【追記 同日午前11時5分】

 共産党の藤野保史さんが緊張感と説得力のある質疑をしました。

 法案の採決は無く、散会しました。

【追記終わり】

 このエントリー記事の本文は以上です。 


参外防委、気候変動「パリ協定」全会一致で可決、衆TPP特別委は採決近づくも、SBS米で農水省が調査拒否[きょうの国会]

2016年10月27日 17時38分05秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【参議院外交防衛委員会平成28年2016年10月27日(木)】

 会議の冒頭、きょう薨去された、三笠宮崇仁親王殿下に対する弔意が表されました。来週1日(火)の園遊会は中止になりました。

 「パリ協定の承認を求めるの件」(192条約1号)が質疑され、討論は無く、採決。全会一致で「承認すべし」と議決しました。

 報道によると、明日の本会議で承認後、午後には衆議院本会議で審議入りするようです。 

【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特)平成28年2016年10月27日(木)】

 「TPP環太平洋パートナーシップ協定の条約承認を求めるの件」(190条約8号)「TPP国内法案(190閣法47号)

 午後の部は、テレビ入り総理入り質疑で、あすにも採決をにらんだ攻防となってきました。

 ただ、SBS米をめぐる問題では驚きました。民進党の福島伸享さんの問いに、農林水産省は、国産米よりも、2割程度安い、と答弁しました。この2割分が調整金として商社等の流通経路に吸収され、一部が消費者に還元されていたものと思われます。民進党の村岡敏秀さんは「ほとんどがブレンド米だから、すべてに影響する」と指摘しました。

 農水省はあの手この手で、SBS米の調査を拒んでいます。私は、はじめは、大した利害関係も無いのに、事なかれ主義で、面倒がっていると思っていました。ただここまでの質疑を聴いていると、どうやら、省の一部と、商社の食糧部で、接待等のそこそこの利害関係があるのでしょう。海外と商社と米をめぐっては、元自民党幹事長(故人)をめぐる噂がありました。

 私は長年、政権交代無き政治での情報の囲い込みは当事者の自殺につながる、という考え方を持っています。農水省は省出身の大臣が嘘の辻褄があわなくなって、自殺したことがあります。9年前のそのときと今とで、野党側筆頭理事は同一人物です。農水省の官僚の大半は、SBS米の調査をしたらいい、と思っているはずです。27年ぶりの衆参単独過半数国会では、衆通過後に答弁を変えるとややこしいことになりそうです。ぜひ、農水省は自ら調査すべきでしょう。

 下の写真は、「用務のない方」の立ち入りを禁じる農水省の看板です=昨年10月、東京霞が関の農水省前の筆者が撮影=。


[写真]「用務の無い方」の立ち入りを禁じる、農林水産省の立て看板、東京都千代田区霞が関、2015年10月、筆者・宮崎信行撮影。

 「用務」という聞きなれない言葉ですが、霞が関の他府省でも聞いたことは無い言葉です。自治体ならありますが、国では、e-Govで引いても無い言葉です。この看板がいつから経っているのか、食糧管理制度の時代から立っているのかは知りませんが、米と海外をめぐる、省の情報囲い込みをめぐる閉鎖性はほんとうにあきれるところで、我々消費者こそ、日本農水省には用務がない、と皮肉りたいところです。農水省の中堅、若手には思うところがある官僚もいるようです。

 特別委に戻ります。

 午前中は参考人質疑で、内田聖子さんらが発言しました。昨日の地方公聴会の報告がありました。

 午後1時からのテレビ入り質疑では、自民党から2期生の宮川典子さんが質問しました。本人が「山梨の食品安全を考える会、という勉強会を地元でつくり考えてきた」と切り出したので、その辺が評価されてのテレビ入り登場だったのでしょうか。

 この後、2013年初当選の自民党参院議員が外務政務官としてマイクの前に立ちました。気の毒なほどあがっていました。地元1人区で「先生、テレビに出ている」という会話もたいしてないだろうし、「先生、参議院議員なのに、衆議院の国会中継に出ている」という会話なんてほぼ皆無なんだろうな、と思いながら見ました。二院制に関する世論の風向きも気になるところです。

【衆議院総務委員会平成28年2016年10月27日(木)】

 野党第3党でありながら、与党化する日本維新の会を、憶測ですが、野党第4党らがいじめたようです。

 質疑者の最後に、野党第3党の足立康史さんの質問が用意されていました。足立さんは参院側で議員立法をしながら、衆院では野党第1党を批判し続けています。足立さんの前に、野党第4党の議員が質問していましたが、「これで質問を終わります」というと、委員長らが面食らったようす。どうやら、質疑時間があるのに、足立さんが委員室にいないのに気づいたうえで、打ち切ったようです。この後、12分前後速記が止まりました。与党第2党の委員長が、足立さんからの要望もあり、足立さんの質問はやめて、このまま散会する、と宣言しました。足立さんがいなかったから悪いのですが、これは、足立さんに対する野党のいじめを、与党側も部分的に同意したものと思われます。これらはすべて憶測ですが、議会政治とはいじめそのものであり、立法府のこういった事象は新聞ではなかなか書けないところです。今後も、目ざとく見つけて、憶測で、物を書いていきます。ただ、衆参単独過半数での参議院自民党の野党化に注意しないいけません。

 議題は、「平成24年社会保障と税の一体改革法の改正地方税法の一部を改正する法律案」(192閣法4号)。質疑をし、採決は次回以降に持ち越しました。国税の法案が財金委にかかっており、それを見ながらの採決になるでしょう。

【参議院財政金融委員会平成28年2016年10月27日(木)】

 一般質疑がありました。

 7月の第24回参院選の比例で、52・1万票を集めて、自民党トップ当選した全国郵便局長会出身の徳茂雅之さんが質問。「地域金融機関としての郵便局の役割は必要で、民業圧迫との指摘は当たらない」と麻生金融相に語りました。

 午前中は黒田東彦日銀総裁への質疑がありました。

【参議院農林水産委員会平成28年2016年10月27日(木)】

 一般質疑がありました。

 1人区の新潟選挙区で元職で当選した森裕子さんが質問。森さんは、民進党でも希望の会(社民党・自由党)でもなく、無所属のようです。これから6年間、所属の問題が出そうですが、定員20名の委員会でも機会があるのですから、熱心な支持者の方も、そういうところはあまり気にしないでほしいところです。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会(衆復興特)平成28年2016年10月27日(木)】

 政務三役のあいさつがありました。復興庁関連は兼任が多いです。昨年来、開催回数が減ってきています。理由は、与党が、野党による大臣の資質の質問を防ぐためでした。なんとなく既成事実化して、議会政治にありがちな、震災から5年半経ったので、風化する、ということがないようにしてほしいところです。もちろん特別委ではなく、常任委で審議することも大事です。

この記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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パリ協定、参議院外交防衛委員会全会一致で可決

2016年10月27日 10時57分27秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 パリ協定(192条約1号)は、平成28年2016年10月27日(木)の参議院外交防衛委員会で、全会一致で「承認すべし」と議決されました。あすの本会議で参議院を通過し、衆議院に送付されます。参先議で憲法の優越規定は使えないため、衆での議決も必要です。

 このエントリー記事の本文は以上です。 


宇宙活動法案が衆議院内閣委員会可決、給与法案の審議は先送り、JR東海3兆円は積算根拠無し、でも可決[きょうの国会]

2016年10月26日 17時20分46秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[写真]国会正門前から見る10月下旬の憲政記念館の森、2015年、筆者・宮崎信行撮影。

【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 平成28年2016年10月26日(水)】

 地方公聴会が、北海道と、宮崎県で開催。

 午後1時15分から、岩上安身さんが経営する「IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)で、市民ジャーナリストの方が中継してくれました(ライブ配信時のアドレスは→北海道会場

 IWJの配信を見たところでは、北海道会場は、塩谷立特別委員長が座長をつとめました。公述人としては、北海道の会社で、漁業用具で、その分野では世界シェア4分の3を占める社長が発言。韓国にある企業が先細っており、TPPが仮に発効して輸入が増えても、ビジネスチャンスは視界良好というような雰囲気でした。

 議案は、「TPP条約の承認を求めるの件」(190条約8号)、「TPP国内実施法案」(190閣法47号)

 民進党の篠原孝筆頭理事は、宮崎県に行ったようでした。

 あす以降の委員会で、北海道、宮崎県の座長が報告すると思います。

【衆議院内閣委員会 平成28年2016年10月26日(水)】

 ちょうど半年前、4月下旬の連休前に審議入りしたものの、審議未了で衆議院に留め置かれていた、

 「宇宙活動法案」(190閣法41号)と「衛星リモートセンシング法案」(190閣法42号)が審査されました。討論では、共産党の池内沙織さんが「ロケットの打ち上げが軍事利用につながるかもしれない」などとして、反対しました。午前中に採決になり、共反対、自公民維の賛成多数で可決しました。ともに、民間企業の参入を踏まえて、衛星を打ち上げたり、地球の表面温度などの情報を活用したりすることを、政府の許可制にする内容です。

 このまま散会しました。平成28年度人事院勧告を実施するための給与法案の審議入りは見送られました。

【衆議院文部科学委員会 平成28年2016年10月26日(水)】

 「教育公務員特例法などの一括改正法案」(192閣法17号)が、松野博一文部科学大臣から趣旨説明され、与党だけ質問しました。これがどうしてもわからないので、分かる方がいれば教えてください。教員の資質を向上するために研修を増やすといった内容の法律案です。

 自民党の宮川典子さんは「ベテラン教員の研修も必要だ」「研修をする時間が少ないので、配慮すべきだ」「再任用による人件費の節減は必要だが、若い人を採用してほしい」などとしました。 日教組などのホームページには、とくだん、この法律案に対する見解は載っていないようです。県教組の支持をえる、参議院民進党などがどういう対応をとるのか、よくわかりません。そのせいではないでしょうが、次回の日程は発表されずに散会しました。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(倫選特)平成28年2016年10月26日(水)】

 ミスター政治改革の岡田克也委員も出席しました。きょうは、2015年10月1日の国勢調査の人口が出て、1・2711億人と、調査開始以来初めて減りました。

 まず、高市総務相が第24回参院選について「期日前投票は過去最多」などと報告。続いて、警察庁警備局長が第24回参院選の取り締まり状況について、107件117人の検挙にとどまり、大幅に減った」と説明しました。

 この後、一般質疑。共産党の塩川鉄也さんの問いで、政権交代後に自民党への企業団体献金が1・6倍程度増えていることを指摘しました。高市総務相は「私は閣僚として答弁している」と自民党や国民政治協会の黒い影への答弁を拒み続けました。高市さんは「私は政府専用機に乗ったことがない」などと終始不機嫌でした。

 この後、政府が提出した、

 「最高裁判所裁判官国民審査法など改正案」(192閣法7号)

 が、高市大臣から説明されました。国民審査の期日前投票を衆院選のそれとあわせるなどの法改正案。次回の開催は公報で知らせることとして、散会。

【衆議院経済産業委員会平成28年2016年10月26日(水)】

 「独立行政法人JOGMEC法改正案」(192閣法8号)が審議入り。

 世耕経産相は趣旨説明で、「石油資源の確保は我が国の生命線だが、ここ数年、他国では石油企業の売却が出ており、今後数年間は我が国の権益を増やすチャンスだ」という趣旨の話をして、JOGMEC機構の上流開発を支援することをアピール。自民党の佐藤ゆかりさんは、最近ありがちな、首相の外遊、とくにロシアアピールに終始しましたが、「私が以前経済産業政務官だったころ、中小企業を外遊に連れて行った」という少し感じの悪い発言。これをかんで含めるように、世耕大臣は「さきほど委員が連れて行ったという案件だが」とソフトな印象で、教育者一家らしいフォローをみせました。与党のみの質疑で散会。次回は28日(金)9時から。割賦販売法改正案の審議は、この法案が済んでからになるでしょう。

【衆議院国土交通委員会平成28年2016年10月26日(水)】

 きのう審議入りした「独立行政法人鉄道機構法改正案」(192閣法25号)を審議。午前中は参考人質疑。午後は議員が審査。

 共産党の本村伸子さんは、先だってのテレビ入り予算委と同様に、40年間の財政投融資に反対。「麻生財務相は40年後まで生きていて見届けるべきだ」として予算委では同席していた石井国交相に語りました。本村さんによると、鉄道機構からJR東海への3兆円(補正+次の当初予算案)について、財政制度等審議会も持ち回りで承認したとのこと。私は財政制度等審議会は頻繁に開催されている印象を持っていたので、意外でした。リニアは既存の新幹線とあわせて、一定期間の売上高を9兆円と見積もり、そこから、30年後ないし40年後に毎年0・3兆円ずつ返済します。この「9兆円」の積算根拠がまったくないことが明らかになりました。本村さんの言う通り、このようなずさんな融資は、国にとっても、JR東海にとってもよくありません。私も最近は、短期間で党首を落とし穴に落として生き急ぐ党首・幹事長らがいる政党よりも、日本共産党の方が賛同できることが多いような気が、なんとなくですが、します。

 質疑は終局。討論は、共産党の本村さんだけで反対。法案の内容だけでなく、質疑の不十分さも指摘しました。このような法案に関する国会審議の在り方は、今後、忘れられない印象になるかもしれません。

 採決では、共反対、自民党、公明党、民進党、おそらく日本維新の党の賛成多数で、可決しました。自公民維の4会派が附帯決議を提出しました。本会議に上程へ。

【衆議院財務金融委員会平成28年2016年10月26日(水)】

 本会議で説明と質疑があった、

 「平成24年社会保障と税の一体改革のための税制抜本改革の改正消費税法の一部を改正する法律案」(192閣法3号)を麻生財務相が説明。民進党から木内孝胤さんらが質疑に立ちました。29日(金)9時から委員会を再開する予定。

【衆議院厚生労働委員会平成28年2016年10月26日(水)】

 「平成24年社会保障と税の一体改革のための年金機能強化法を改正して加入期間を25年から10年に短縮する法案」(192閣法6号)の質疑。野党が一巡して、終わりました。

【衆議院法務委員会平成28年2016年10月26日(水)】

 給与法案一番手の、「裁判官報酬法改正案」(192閣法12号)、「検察官俸給法改正案」(192閣法13号)、「裁判官職員育児休業法改正案」(192閣法14号)が審査されました。採決はされず、次回の日程は未定のまま散会しました。

【衆議院外務委員会平成28年2016年10月26日(水)】

 まず一般質疑。この中で、共産党の笠井亮さんの質問で、南スーダンPKOの派遣の根拠となる国際法規について、岸信夫外務副大臣が答えられず、かなり立ち往生しながら、答弁する場面がありました。安倍首相の実弟の岸さんは前回の外務副大臣時代は、安保法制成立をすぐに米国に「報告」に行きました。PKOの根拠国際法をとっさに言えないのは残念ですが、笠井さんは取り立てて問題視しなかったようです。一般質疑だけで終わりました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会(消費者特)平成28年2016年10月26日(水)】

 松本消費者相らがあいさつ。続いて、5月24日に国会に提出された、平成27年度の消費者事故の分析とりまとめについて、松本消費者相が説明して、散会しました。

【参議院災害対策特別委員会平成28年2016年10月26日(水)】

 内閣府防災の大臣、副大臣、政務官があいさつしました。務台俊介内閣府政務官は「私の9月1日の岩泉町での軽率な行動を謝罪する」と語りました。内閣府は分かりにくいのですが、消費者相と防災相の大臣、副大臣、政務官の3人はまったく同じ顔触れです。

 この後、平成28年台風10号の委員派遣の報告を自民党の山田俊男さんがし、「10月24日の北海道の視察の結果、被害額は2000億円以上だ」としました。

 この後、松本防災相が8月以降の台風被害について、まとめて報告しました。散会。

この記事の本文は以上です。

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TPP採決近づく、参考人「自由貿易で焼肉が安くなった」と消費者メリット、給与法案一部審議入り、衆参全常任委「店開き」完了[きょうの国会]

2016年10月25日 17時46分51秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特)平成28年2016年10月25日(火)】

 「TPP条約の承認を求めるの件」(190条約8号)「TPP法案」(190閣法47号)は、民共が抗議し、欠席する中、5分遅れで始まりました。

 参考人質疑の2回目。食の安全について。渡辺慶応大学教授という人は、元外務省経済局長のようです。公明党のビジネスマン、岡本三成さんは「ここまでの審議を聴いていると、一部の業界に偏り過ぎている。皆が自動車業界や農業に携わっているわけではない。どの業界に勤めている人も消費者だ」としました。渡辺教授は「ウルグアイラウンドでも食の安全の話があった」とし、「最近の学生は、先生、焼肉に行きましょう、と平気で言う。昔は焼肉など行けなかった」と語り、自由貿易による消費者へのメリットを強調しました。私もまったく同感です。採決の時期が近づいてきました。

 参考人質疑が終局。特別委員長は「昨日24日に予定していた地方公聴会はあす26日になった」と発表。午前10時33分に休憩。その後、開かれず、散会となったようです。

【参議院外交防衛委員会 平成28年2016年10月25日(火)】

 参外防委も条約審議。

 「パリ協定の承認を求めるの件」(192条約1号参先議)

 午前中は、外相・防衛相に対して各会派一巡。午後は、環境大臣が加わり3閣僚に対して全会派が一巡して、散会しました。岸田外相によると、アメリカでは、TPPは議会承認が要るものの、パリ条約は議会承認の必要がないようです。これが、G20を前にしてのオバマ大統領が主導したアピールにつながったようで、日程の読み違いにつながったようです。 まあ、日程の件はもういいような気もします。

【衆議院法務委員会 平成28年2016年10月25日(火)】

 平成28年人事院勧告完全実施のための給与法案である、「裁判所職員給与法案」(192閣法12号)「検察官給与法案」(192閣法13号)「裁判所職員育児・介護休業法改正案」(192閣法14号)の3本が、金田法相から趣旨説明されました。質疑は後日。一般職の法案はあすにも内閣委で審議入りすると思われます。

【衆議院本会議 平成28年2016年10月25日(火)】

 法務委員会が上程した

 「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号衆修正)「出入国管理法改正案」(189閣法31号)

 189閣法30号は「修正すべし」、189閣法31号は「可決すべし」の委員長報告について一括して採決し、起立多数で可決しました。参議院に送られます。今国会成立は確実。

 これに先立ち、新議員(補選出馬によって失職した議員を補充するために比例繰り上げ当選した元職)の紹介。

 続いて、国会同意人事があり、証券取引等監視委員長らが、参に続き、衆でも同意されました。

【参議院法務委員会 平成28年2016年10月25日(火)】

 大臣の所信的あいさつに対する一般質疑は既に終わっていましたが、他の委員会にさきがけて「2度目の一般質疑」がありました。法務及び司法行政に関する件。きょう以降、合計5法案が衆から送付されるための、与野党間の地ならしとみられます。

【衆議院国土交通委員会 平成28年2016年10月25日(火)】

 「鉄道機構法改正案」(192閣法25号)が趣旨説明されました。JR東海への3兆円の財政投融資(据え置き期間30年で、その後10年で返済)を可能にする法案。政府は補正予算案と一体で処理してほしかったのかもしれません。偶然ですが、この日は、JR九州の初めての東証1部上場日となりました。質疑は後日。散会。

【衆議院総務委員会 平成28年2016年10月25日(火)】

 「平成24年社保税一体改革税制抜本改革のための改正消費税法の一部を改正する法律案」(192閣法4号)が趣旨説明されました。高市総務相は「消費税10%を延期する」「自動車取得税の廃止を延期する」と説明しました。

 これに先立ち、大臣所信に対する一般質疑がありました。先週木曜日の予定が、国会混乱で開催されませんでしたが、これで府省別常任委員会がすべて店開きされたことになります。会期は残り5週間です。

 一般質疑では、自民党の鈴木憲和さん(自民党・山形2区)が自民党農林部会で「IoT(インターネット・オブ・シングス、物と物をインターネットで動かすこと)を使った農業を研究している」とし、農作業の指導などに使えるのではないかとのめどがつき始めた、という趣旨の話をしていました。

【参議院総務委員会 平成28年2016年10月25日(火)】

 遅れていた、大臣所信に対する一般質疑がありました。

【参議院厚生労働委員会 平成28年2016年10月25日(火)】

 前さばきで与野党が対立していましたが、大臣所信に対する一般質疑がありました。これで、府省別に設置された、参議院第1種常任委員会の店開きがすべて済んだことになります。

 与党・自民党からは、珍しく、三原じゅん子さん(神奈川県)、高階恵美子さん(看護師会)、石井みどりさん(歯科医師会)と3人連続で質問しました。

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きょうの国会はありませんでした

2016年10月24日 20時35分41秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【衆議院 平成28年2016年10月24日(月)】

 審議はありませんでした。

 先週末の正常化により、所信に対する一般質疑が終わっていない、衆・総務委員会や、定例火曜日の本会議の議題をめぐって、理事会等が開かれました。

【参議院 平成28年2016年10月24日(月)】

 審議はありませんでした。あすからは、衆から議案の「送付」を受けることになり、中盤戦へと入ります。秋の国会ですから、長期的視点にもとづく審議を期待します。

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(C)2016年、宮崎信行。 


国会正常化で「外国人技能実習生法案」1年半越しの衆委通過、年金改正は「10年」だけ審議入り、参TPP特「45名」で設置[きょうの国会]

2016年10月21日 17時22分19秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 国会は正常化しました。今国会で政府提出法案が付託される(見通しの)常任委員会の所信に対する一般質疑、いわゆる店開きは終了。人事院勧告の完全実施のための給与関係法案など閣法は、週明け以降に審査されることになりました。衆総務委、山本農相の衆農水委、稲田防衛相の衆安保委などは「店開き」が終わっていませんが、今国会で閣法は付託されないと思われます。

 賛成論が多いのに、日程の関係で、1年以上たなざらしだった「外国人技能実習生法案」(189閣法30号衆修正)と「入国管理法改正案」(189閣法31号)が自公民維賛成で委員会を通過し、今国会での成立がほぼ確実になりました。

【参議院本会議 平成28年2016年10月21日(金)】

 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会の設置が、伊達忠一議長から提案されました。

 起立採決となり、賛成多数で議決しました。参議院は起立採決が滅多にないので、とっさに確認できませんでしたが、自公が賛成、民共が反対したんだろう、と思います。

 なお、「45名」で設置されました。衆側の同名の特別委と同じ人数です。定数が半分なのに、特別委が衆側と同じ「45名」で設置されるのは、昨年の平和安全法制に関する特別委員会と同様になりました。第1党の衆参単独過半数で、参議院が再びカーボンコピーになることも予想される中、議案の一つである条約は30日規定もある。そこで45名委員会がどうなるのか。これは大変興味があるところです。とくに参・自の農林族がどういう振る舞いをするかは、与野党とも注目すべきところでしょう。

 この後、国会同意人事があり、NHK経営委員、公正取引委員らが、政府の提案通りに議決されました。散会。

【参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(参TPP特)平成28年2016年10月21日(金)】 

 議長から指名された特別委員の中で、最年長の片山虎之助さんが委員席に。ここで、民進党の小川勝也さんが動議を出しました。この動議は、委員長は主宰者(片山さん)が決めてほしい、という動議でした。

 自民党の林芳正委員長が就任。理事は9名で、このうち、自民党から石井準一さん、二之湯武史さんら、民進党から小川勝也さんと大野元裕さん、公明党が浜田昌良さん、共産党は紙智子さんが理事になりました。だいたい参というのは、242名いながらも、こういうところで出てくる顔ぶれは集中している傾向があります。散会。

【衆議院内閣委員会 平成28年2016年10月21日(金)】

 所信表明に対する一般質疑が完了しました。

●外国人技能実習生機構法案がようやく衆委通過、今国会成立の公算

【衆議院法務委員会 平成28年2016年10月21日(金)】

 別エントリーでも速報しましたが、「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号衆修正)「入国管理法改正案」(189閣法31号)が議題となりました。まず、趣旨説明の省略を委員長が諮り、全会一致で議決。

 閣法30号は一度修正が入っていましたが、このタイミングで、自公民3党による2度目の修正案が提出されました。逢坂誠二さんが説明。

 質疑は、共産党の畑野君枝さんだけ。質疑が終局。

 討論では、共産党の畑野君枝さんは「政府原案は反対だが、きょう提出された修正部分は賛成だ」という珍しい討論。おそらく畑野委員が、自公民の同僚法務委員をたたえたものとみられます。畑野さんは「実習生は安価な労働力として過労死も出ている」と指摘し今回の法案による改革が不十分だとし、「介護分野を加える」と閣法31号を批判しました。

 採決の結果、共の政府原案反対と、自公民維の賛成多数で、閣法30号は「修正すべし」。閣法31号は、共反対、自公民維賛成多数で「原案通り可決すべし」と決定しました。

 この後、一般質疑がありました。散会。

【衆議院財務金融委員会 平成28年2016年10月21日(金)】

 大臣所信に対し一般質疑。「急だ」という野党の要望を与党が受け入れて、定例日ではなく予備日の金曜日に委員会が開かれ、野党の質問が終わり、店開きが終わりました。

【衆議院経済産業委員会 平成28年2016年10月21日(金)】

 こちらも、大臣所信に対する一般質疑の、残り半分があり、店開きされました。

【衆議院厚生労働委員会 平成28年2016年10月21日(金)】 

 1時間遅れで始まりました。一般質疑には民共も出席。

 どういうわけか、政府特別補佐人の、田中原子力規制委員会委員長が厚労委に呼ばれたのでどうしたものかと思ったら、高橋千鶴子さんが今週報道されている「関西電力課長が高浜原発再稼働をめぐる原子力規制委員会との折衝で残業が続き、締め切り当日に長期出張先の東京で自殺し、労基署から過労自殺だと労災認定された」ことについて質疑。田中委員長は「無理に急がせたことはない」と答弁しました。高橋さんが原子力規制委員会委員長を呼んで質問したことに、国会の強みを感じました。高橋さんによると、関西電力は、当該労災認定者が関電社員かどうか、というところからしてうやむやにしているそうです。関電という会社は、以前の熱湯漏れの5人死亡事故でのご遺族から藤社長が罵声を浴びたシーンといい、あるいは、関電に限った連合の関係者をみるにつけ、史上まれにみる最低の会社だと存じますが、田中委員長が国会で答弁したことは、労災認定された方にとって良かったと思います。

 大臣所信に関する一般質疑が終わりました。

●年金法改正案は野党・民進党が求めた「受給資格10年法案」だけが単独で審議入り

 この後、別エントリーと同じ内容になりますが、「年金受給資格25年から10年短縮法案」(192閣法6号)だけ、塩崎大臣から趣旨説明され、質疑は後日として、散会しました。

 別エントリーから転記しますと、衆議院厚生労働委員会は、平成28年2016年10月21日(金)午後5時過ぎに、「年金受給資格を25年から10年に短縮する国民年金法改正案」(192閣法6号)を議題としました。塩崎大臣は「(成立すれば)来年8月1日に施行する」などと趣旨を説明しました。野党・民進党は、「年金カット法案」と呼び始めている、先の通常国会で提出され、継続審査となっている、「年金法改正案」を先送りし、今国会に提出された上記の法案の先行しての審議を要求。与党・自民党はかけひきの思惑含みでしょう、年金法を改正する両法案の一括審議を求めていましたが、与党が折れた格好。これにより、今国会が仮に延長されなければ、共産党などが「残業代ゼロ法案」と呼んでいる、昨秋提出の、労働基準法改正案が採決に至らない可能性が高まってきました。 

【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特) 平成28年2016年10月21日(金)】

 野党理事らが開催に抗議する中、8分前後の遅れで開会。

 参考人質疑は、農学者ら2名から話を聞きました。

 参考人に対しては、自公維が質疑。参考人質疑が終わり、休憩しましたが、午後2時頃までには、再開されないまま散会しました。

この記事の本文は以上です。

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年金受給資格25年から10年短縮法案が審議入り いわゆる「年金カット法案」は先送り

2016年10月21日 17時08分36秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 衆議院厚生労働委員会は、平成28年2016年10月21日(金)午後5時過ぎに、

 「年金受給資格を25年から10年に短縮する国民年金法改正案」(192閣法6号)を議題としました。

 塩崎大臣は「(成立すれば)来年8月1日に施行する」などと趣旨を説明しました。

 野党・民進党は、「年金カット法案」と呼び始めている、先の通常国会で提出され、継続審査となっている、「年金法改正案」を先送りし、今国会に提出された上記の法案の先行しての審議を要求。

 与党・自民党はかけひきの思惑含みでしょう、年金法を改正する両法案の一括審議を求めていましたが、与党が折れた格好。

 これにより、今国会が仮に延長されなければ、共産党などが「残業代ゼロ法案」と呼んでいる、昨秋提出の、労働基準法改正案が採決に至らない可能性が高まってきました。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C) 2016年、宮崎信行。


外国人技能実習生法案が衆委員会で自公民3党修正で可決 今国会成立の公算

2016年10月21日 16時06分57秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)「入国管理法改正案」(189閣法31号)は、

 平成28年2016年10月21日(金)朝の衆議院法務委員会で採決され、189閣法30号は「修正すべし」、189閣法31号は「政府原案通り可決すべし」と議決しました。次の本会議で可決し、参議院へ。今国会内(当初会期は11月30日まで)に参でも可決し、成立する公算。

 法案は自公民3党が2度目の修正案を提出。施行日を「公布の日から1年半以内の政令で定める日」へと延長するなどしました。

 採決では、共産党が反対し、自公民維4党が賛成しました。

 質疑と討論に立った、共産党の畑野君枝さんは「安価な労働力及び人材となっている」と外国人技能実習生制度を批判し、「まして今法案は介護分野に広げることになっている」と問題視しました。ただ、自公民3党の修正部分は、政府が配慮するよう求めた条文が付け加えられたとして、修正部分に限り賛成しました。

 この法案は、昨年、平成27年3月6日(金)に「予算と関連あるので3月31日までに成立させてほしい」とする通称「※法案」として提出。ただ、刑事訴訟法改正案が41時間にわたり衆法務委で審議されたことから、審議入りがことし28年4月15日(金)までずれ込みました。先の通常国会では審議時間が確保できましたが、参院選を控えていたため、衆院に留め置かれたまま、半年たっていました。

 政府原案は、こちらの法務省作成の資料が分かりやすいと思います。

 衆議院の修正案は、こちらの衆議院ウェブサイトに後日載りますが、「修正案2 第192回提出」という形で載った方が、きょう「可決すべし」と議決された条項になります。

 外国人技能実習生をめぐる、長時間労働、低賃金、ILO憲章が禁じる強制貯金の脱法行為である家賃等天引きがあり、大きな社会問題になっています。法案が提出された昨年3月もすでに問題でしたが、最近は、過労死や、日本人も含んだ長時間労働、非正規雇用、低賃金など報道が増えており、ようやく社会的関心を呼びつつあります。

 ただ、この法案は「機構をつくる」改正に過ぎず、抜本的な改革は持ち越された格好です。この法案の審査に時間がかかっていることは、必ずしも、与野党を含めた国会及び政府が問題意識が薄いというわけではなく、刑事訴訟法改正(司法制度改革関連法)をめぐる審議で時間的にずれ込んだという認識が客観的だと考えます。

この記事の本文は以上です。

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パリ協定が外交防衛委員会審議入りで、自民党の環境委員長は「民共希望の環境委との連合審査構想はできない」[きょうの国会]

2016年10月20日 17時10分14秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]参議院議員の本分として外交防衛委員会で一般質疑に立つ、山口那津男さん、2016年10月20日午後3時頃、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 衆院側は野党4党国対委員長会談で「山本農相辞任要求」「TPP地方公聴会議決撤回要求」で一致。審議拒否となりました。

 参議院では、各常任委員会が開かれ、ほとんどの委員会で店開きが完了しました。民進党の蓮舫代表は文教科学委員会を欠席し、東京電力福島原子力発電所を視察。党本部での定例記者会見も中止しました。

●パリ協定が参議院委員会で審議入り

【参議院外交防衛委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 一般質疑がありました。自民党の山田宏さんは南京大虐殺記念館について岸田外相に質問。民進党の小西洋之さんの質疑で、稲田防衛相は「平和安保法制は合憲だ」と答弁しました。

 公明党党首を兼ねる、山口那津男参議院議員も質問しました。

 この後、「パリ協定の条約の承認を求めるの件」(192条約1号)が審議入り。岸田外相が「地球変動枠組は我が国の得意分野だ」という趣旨説明をしました。質疑は後日となり、散会しました。 今国会の参議院先議の議案は今のところこれだけ。参院選と、今国会の補正成立で、、衆から送られた議案も参にはない状態です。

【参議院環境委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 森まさこ委員長が冒頭に発言。昨日外交防衛委員会に付託された「パリ協定」(192条約1号)について。「民主党と共産党から外防委との連合審査をするよう強く要請があり、理事会でたびたび協議しましたが、連合審査を申し入れる協議は整いませんでした。しかし、環境委の意思をよくわかってもらうよう、外防委員長に伝えます」との趣旨の発言。山本公一環境大臣も発言を求め、その意思に、十分に配慮して、国会での審査にのぞむと明言しました。

 この後、大臣所信に対する一般質疑がありました。

【参議院文教科学委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 参側の文科委は、松野博一大臣ら、文部科学省政務が中心になります。きょうは皇后陛下のお誕生日なので、午前11時から午後1時まで休憩となりました。 一般質疑で、民進党の斎藤嘉隆さんは「マラソンで10キロ地点の順位を争っても意味がない」と語り、義務教育課程での学力テストは、毎年悉皆でやらないよう求めました。

 人気の共産党の吉良佳子さんが質問。総務委員からの配置換えで、共産党国会議員団としては、院の構成に関係しない配置換えは歴史的に異例です。

 委員の蓮舫さんは、他の人に交代したようです。参議院では第1種常任委員の就任が義務付けられています。衆の場合は開催が少ない懲罰委員に、党の代表・国対委員長らは就くことが多くなっていますが、参では、党首でも第1種委員になる必要があります。

 一般質疑が終わり、散会しました。

【参議院内閣委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 丸川五輪相は参側では内閣委になります。一般質疑の冒頭で、自民党の岡田広さんから質問を受けた丸川五輪相は「2020年東京オリパラの分散開催の話が出ているが、国としてはセキュリティのコストが増えるので、注視したい。ただ、東京都庁が出している、都政改革本部案というのは小池知事が判断するための材料に過ぎず、東京都とIOC国際オリンピック委員会が協議して、個別の会場の話ではなく、分散開催の全体像を、早く出してほしい」と語りました。

 民進党の神本美恵子さんは、7月25日で任期切れとなり、現在は奈良県で開業する、前川清成弁護士の在任中の首相への質問を取り上げ、「安倍首相は相対的貧困率の意味が分かっていないのではないか」と質しました。

 民進党の矢田稚子さんは不妊治療を取り上げ、出身の電機連合パナソニック労組にとどまらず、国民生活の安定につながる質疑をし、古賀伸明前連合会長の同窓らしさを見せました。一般質疑だけで散会しました。

【参議院法務委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 金田法相の所信に対する一般質疑。

 民進党の有田芳生さんは「大分県警による盗撮事件で、テープに刑事同氏の声が入っている。それによると、他の場所でも以前に盗撮していた。場所はどこか」と質問しました。警察庁は、「他の場所については答えられない」としながらも、大分県警の不始末についてはお詫び倒しでした。一般質疑だけで散会しました。

【参議院国土交通委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 続投の、石井国交相に対する一般質疑。民進党は鉢呂吉雄さんが登場し、トンネルの安全などを問いました。一般質疑だけで散会しました。

【参議院経済産業委員会 平成28年2016年10月20日(木)】 

 参議院清和会会長と、経済産業大臣を兼ねる、世耕弘成さんへの一般質疑。

 民進党は自動車総連の2人が所属。自動車総連1期生は、初質問で、自動車の税制について問いました。連合も、神津李季生会長になってから急に変わっちゃったようです。神津会長に何かあったのでしょうか?一般質疑だけで散会しました。

【参議院厚生労働委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 理事懇すら開かれない状態だった、厚労委ですが、正常化しました。

 まず、羽生田俊委員長が就任あいさつ。日本医師会推薦の在職4年目での厚生労働委員長ということで、連合もたいがいですが、自民党系団体もたいがいで、比例代表が利権代表になっていると言わざるを得ません。

 塩崎大臣、橋本岳副大臣、山本香苗副大臣(参・公)、堀内詔子政務官、馬場成至政務官(参・自)が所信や、あいさつをしました。次回以降が一般質疑となります。第3次安倍第2次改造内閣は男女とも、山本姓が多いですね。

【衆議院災害対策に関する特別委員会 平成28年2016年10月20日(木)】 

 定刻通り、午前9時25分頃始まりました。民進党の小宮山泰子、重徳和彦両理事らも出席。

 まず、秋葉賢也災害特委員長が就任あいさつ。この後、秋葉委員長が「8月以降の台風で亡くなった人に黙とうをささげます」。この後、松本純防災相が「熊本地震ではプッシュ型物資輸送が効果があった」などと説明しました。松本洋平副大臣らがあいさつし、務台政務官は「岩泉町での視察で不適切な行動があり、謝罪したい」としながら、この委員会での就任あいさつ。

 この後、岩手県に来週26日(水)に委員派遣をすることを、自公民共維の全会一致で議決しました。次回の開催は公報で知らせることにして、委員長が散会を宣言しました。 

【衆議院総務委員会 平成28年2016年10月20日(木)】

 午前9時に設定されていましたが、開けない状態が続きました。午後5時前後に、開けないままきょうの委員会を開かないことを委員長が委員室以外で宣言する、流会だ、と発表されました。

この記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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テレビ放送のインターネット配信で、2018年6月とりまとめ 電気通信事業法や放送法などの改正法案の可能性も

2016年10月19日 23時59分24秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

(22日午後5時初投稿で、19日付にバックデートしました)

[写真]総務省、2015年10月、筆者・宮崎信行撮影。

 高市早苗(山本早苗)総務大臣は、平成28年2016年10月19日(水)、総務省内の「情報通信審議会」に対して、「視聴環境の変化に対応した放送コンテンツの製作・流通の促進方策の在り方」について、平成30年2018年6月をめどに、とりまとめ、答申するよう諮問第24号を出しました。

 4事項の答申を求めており、テレビ番組のインターネット配信の方向性についても議論してもらうことになりました。

 これについては、一部新聞が、放送法改正案が提出される運びもありうると報じました。私は今回の答申の元となっている、2016年9月9日の「放送をめぐる諸問題に関する検討会 第1次とりまとめ」について、取材・精査した際に、おそらく改正法案は提出されないのではないかと判断し、このブログにも記事は書いていません。ただ、幅広い審議の中で、放送の「定義」について、放送法、電気通信事業法、電波法などの改正法案が提出されることになるかもしれません。

 日程感としては、来年、平成29年2017年6月に中間答申、平成30年2018年6月に最終答申。改正法案が提出されるとすると、再来年、2018年秋以降の国会になります。

この記事の本文は以上です。

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