【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

外国人技能実習生法案が衆委員会で自公民3党修正で可決 今国会成立の公算

2016年10月21日 16時06分57秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)「入国管理法改正案」(189閣法31号)は、

 平成28年2016年10月21日(金)朝の衆議院法務委員会で採決され、189閣法30号は「修正すべし」、189閣法31号は「政府原案通り可決すべし」と議決しました。次の本会議で可決し、参議院へ。今国会内(当初会期は11月30日まで)に参でも可決し、成立する公算。

 法案は自公民3党が2度目の修正案を提出。施行日を「公布の日から1年半以内の政令で定める日」へと延長するなどしました。

 採決では、共産党が反対し、自公民維4党が賛成しました。

 質疑と討論に立った、共産党の畑野君枝さんは「安価な労働力及び人材となっている」と外国人技能実習生制度を批判し、「まして今法案は介護分野に広げることになっている」と問題視しました。ただ、自公民3党の修正部分は、政府が配慮するよう求めた条文が付け加えられたとして、修正部分に限り賛成しました。

 この法案は、昨年、平成27年3月6日(金)に「予算と関連あるので3月31日までに成立させてほしい」とする通称「※法案」として提出。ただ、刑事訴訟法改正案が41時間にわたり衆法務委で審議されたことから、審議入りがことし28年4月15日(金)までずれ込みました。先の通常国会では審議時間が確保できましたが、参院選を控えていたため、衆院に留め置かれたまま、半年たっていました。

 政府原案は、こちらの法務省作成の資料が分かりやすいと思います。

 衆議院の修正案は、こちらの衆議院ウェブサイトに後日載りますが、「修正案2 第192回提出」という形で載った方が、きょう「可決すべし」と議決された条項になります。

 外国人技能実習生をめぐる、長時間労働、低賃金、ILO憲章が禁じる強制貯金の脱法行為である家賃等天引きがあり、大きな社会問題になっています。法案が提出された昨年3月もすでに問題でしたが、最近は、過労死や、日本人も含んだ長時間労働、非正規雇用、低賃金など報道が増えており、ようやく社会的関心を呼びつつあります。

 ただ、この法案は「機構をつくる」改正に過ぎず、抜本的な改革は持ち越された格好です。この法案の審査に時間がかかっていることは、必ずしも、与野党を含めた国会及び政府が問題意識が薄いというわけではなく、刑事訴訟法改正(司法制度改革関連法)をめぐる審議で時間的にずれ込んだという認識が客観的だと考えます。

この記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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