【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

参議院予算委員会の集中審議、自民党内で清和会会長の世耕大臣に「媚びる(?)」、蓮舫代表批判の閉鎖的人間関係垣間見えだす[きょうの国会]

2016年10月13日 17時09分44秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【平成28年2016年10月13日(木)参議院予算委員会】

 山本一太委員長の下、予算の執行状況に関する調査、内政外交の諸問題等に関する集中審議、となりました。

 テレビ入りのため、質疑者と答弁者の時間をカウントする往復方式を、参議院では珍しく使うため、今週2回の集中審議は、時間切れを委員長から指摘される質疑者が頻発しました。複数の要求大臣に1問も質問できないまま終わった質疑者も頻発しました。

 午前10時でなく、「午前9時からの委員会」も、参議院では、今後もテレビ入り限定になります。

 自民党北海道の長谷川岳さんは参議院清和会。参・清和会会長の世耕大臣に質疑。「ロシア経済分野協力担当」という珍しい補職辞令を受けています。世耕ロシア経済協力担当相は「日本側が提案している8項目の経済協力は11月にペルーで開く、日露首脳会談で一定の成果を見たい」と答弁。3次補正と解散をめぐって、世耕大臣が注目です。

 三原じゅん子さんは、世耕大臣から自動車部品など中小企業について質疑。三原さんは無派閥ですが、同じ選挙区に麻生派がいますので、なにか参議院清和会会長と仲良くしておこうという考えもあるのでしょうか。既に指摘していますが、27年ぶりの衆参単独過半数の参議院では、どうも参・清和会の力が強まっているようです。ただ、参・自民党内の不満で再編という期待は少し無理筋かなと感じます。三原さんは二重国籍問題をとりあげ、民進党の蓮舫代表を批判しました。

 北海道民進党は定数3で、2人当選。徳永エリさんは、自分の事務所で万歳した後に、鉢呂吉雄事務所に移動して万歳し、NHK開票特番で、万歳が2回放送される歴史的快挙を実現しました。同じ政党でも、道県によって、ずいぶん違うものですね。TPPに関して質疑しました。

 共産党の辰巳孝太郎さんは、JR東海への3兆円融資を批判。同党では、愛知が地盤の参院議員はいないようで、中央リニア終着駅の大阪の辰巳さんが質問したようです。石井国土交通相は「JR東海は民間企業なので、工事の予定価格などは公開していない」と答弁。無責任な答弁ですが、政府の民間企業への介入の塩梅も難しく、国論は二分しないでしょうが、しっかり質疑を積み重ねてほしいところです。

 共産党の倉林明子さんは原発で質問。世耕大臣は原子力経済被害担当相として、東電事故賠償は、事業者負担は6兆円を超えたが、9兆円までなら交付国債などで予算があるという趣旨の答弁をしました。

 日本維新の党は、ひょうひょうとした室井邦彦さんが「今国会に100本の法律案を出す」と明言。儀間光男さんが沖縄の問題を質問しました。

 希望の会(自由・社民)は福島瑞穂さんが登場。会派結成以来、山本太郎さん→福島さん→福島さんという順で登場。福島さんは、「私は学童保育、保育所、介護保険にすべてお世話になった」と発言。自民党憲法改正草案を取り上げ、第24条第1項後段に「家族は、互いに助け合わなければならない」と挿入する案について、「社会保障切り捨てではないか」と質しました。塩崎厚労相は「家族の条項と社会保険は関係ない」という趣旨の答弁をしました。安倍首相は自民党憲法改正草案について一言も答弁しないのに、塩崎さんは答弁しました。

 塩崎厚労相は、福島さんの質問に答えて、電通が1991年に続いて、2015年にも、新入社員の超過勤務による自殺者を出したことについて、東京労働局長が同社に行政処分したことを明かしました。

 無所属クラブの薬師寺道代さんは手話を交えて質問。身体障害者のパラリンピックはあるのに、聴覚障碍者のデフリンピック、知的障害者のスペシャルオリンピックスは別々に開かれていると指摘。手話を交えてテレビ入りで首相に質問した薬師寺さん。愛知選挙区でみんなの党公認で当選。2年半後の再選戦略は分かりませんが、正直難しいのだろうと斟酌します。残り2年半、テレビ入りで総理に質問するのか、それとも、大きい会派で再選をめざすのか。この辺が、参議院を読み解く鍵と言えるでしょう。

 松野博一文部科学大臣は薬師寺さんの質問に答えて、スペシャルオリンピックスに複数形を示す「ス」がついている理由について、「世界大会に向けて日常から様々な協議が行われているからだ、と聞いている」としました。これは長年不思議だったのですが、そういうことかといったところです。

 けっきょく、午後5時8分ごろに、山本一太委員長が集中審議の終局を宣言して、そのまま散会しました。 

【平成28年2016年10月13日(木)衆議院】 

 なし。

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