【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

スタンディングオベーションは英国議会でもめったに起きない

2016年10月01日 17時40分46秒 | 英国の事例

[画像]スタンディングオベーションを贈られる、キャメロン首相(当時、手を振る男性)、メイ内相(当時、現首相)、ハモンド外相(現蔵相)ら、2016年7月13日の英国庶民院本会議、YouTube動画からスクリーンショット。

 スタンディングオベーションの話も週を越すことはないと思うので、英国の事例です。

 実はアングロ・サクソンの英国の議会でも、スタンディング・オベーションはめったにありません。

 めったにないと言って、あった事例ですが、2016年7月13日(水)=現地時間=の庶民院(衆議院)本会議場での党首討論。 

 ディビッド・キャメロン首相(当時)の最後の党首討論の締めの言葉「I was the future once」の後に、スタンディングオベーションが起きて、キャメロン首相は傍聴席に手を振り、去っていきました。この後、残念ながら議員辞職となりました。

 このスタンディングオベーションは味があり、仲間内の与党・保守党から起きていますが、隣にいる、次期首相のテリーザ・メイ内相(当時)は、同僚が立ち上がったことに気づいて、やや慌てたそぶりに立ち上がります。およそ10秒後にバーコー議長も起立。ところが、手前側の野党(The opposition)労働党は、コービンネクスト首相(労働党首)をふくめて誰も立ち上がっていませんが、全員が拍手をしています。

 この場面の、議事録「ハンサード」は、「After all, as I once said, I was the future once. [Applause.]」 となっています。キャメロン議員の最後の議事録は「拍手」のト書きで終わっています。この言葉の意味を私は7月付のエントリー記事で分かっていなかったのですが、初当選のときに、ブレア首相(労働党首)のことを、彼は未来だったのにね、「He was the future once」と過去形で呼んだことが評価され、一気にネクスト首相、リアル首相と駒を進めた政治人生のオチだったようです。スタンディングオベーションもめったにやるようなものではないようです。

David Cameron's last PMQs: 13 July 2016

36分30秒過ぎからスタンディングオベーション。

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