国会は正常化しました。今国会で政府提出法案が付託される(見通しの)常任委員会の所信に対する一般質疑、いわゆる店開きは終了。人事院勧告の完全実施のための給与関係法案など閣法は、週明け以降に審査されることになりました。衆総務委、山本農相の衆農水委、稲田防衛相の衆安保委などは「店開き」が終わっていませんが、今国会で閣法は付託されないと思われます。
賛成論が多いのに、日程の関係で、1年以上たなざらしだった「外国人技能実習生法案」(189閣法30号衆修正)と「入国管理法改正案」(189閣法31号)が自公民維賛成で委員会を通過し、今国会での成立がほぼ確実になりました。
【参議院本会議 平成28年2016年10月21日(金)】
環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会の設置が、伊達忠一議長から提案されました。
起立採決となり、賛成多数で議決しました。参議院は起立採決が滅多にないので、とっさに確認できませんでしたが、自公が賛成、民共が反対したんだろう、と思います。
なお、「45名」で設置されました。衆側の同名の特別委と同じ人数です。定数が半分なのに、特別委が衆側と同じ「45名」で設置されるのは、昨年の平和安全法制に関する特別委員会と同様になりました。第1党の衆参単独過半数で、参議院が再びカーボンコピーになることも予想される中、議案の一つである条約は30日規定もある。そこで45名委員会がどうなるのか。これは大変興味があるところです。とくに参・自の農林族がどういう振る舞いをするかは、与野党とも注目すべきところでしょう。
この後、国会同意人事があり、NHK経営委員、公正取引委員らが、政府の提案通りに議決されました。散会。
【参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(参TPP特)平成28年2016年10月21日(金)】
議長から指名された特別委員の中で、最年長の片山虎之助さんが委員席に。ここで、民進党の小川勝也さんが動議を出しました。この動議は、委員長は主宰者(片山さん)が決めてほしい、という動議でした。
自民党の林芳正委員長が就任。理事は9名で、このうち、自民党から石井準一さん、二之湯武史さんら、民進党から小川勝也さんと大野元裕さん、公明党が浜田昌良さん、共産党は紙智子さんが理事になりました。だいたい参というのは、242名いながらも、こういうところで出てくる顔ぶれは集中している傾向があります。散会。
【衆議院内閣委員会 平成28年2016年10月21日(金)】
所信表明に対する一般質疑が完了しました。
●外国人技能実習生機構法案がようやく衆委通過、今国会成立の公算
【衆議院法務委員会 平成28年2016年10月21日(金)】
別エントリーでも速報しましたが、「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号衆修正)と「入国管理法改正案」(189閣法31号)が議題となりました。まず、趣旨説明の省略を委員長が諮り、全会一致で議決。
閣法30号は一度修正が入っていましたが、このタイミングで、自公民3党による2度目の修正案が提出されました。逢坂誠二さんが説明。
質疑は、共産党の畑野君枝さんだけ。質疑が終局。
討論では、共産党の畑野君枝さんは「政府原案は反対だが、きょう提出された修正部分は賛成だ」という珍しい討論。おそらく畑野委員が、自公民の同僚法務委員をたたえたものとみられます。畑野さんは「実習生は安価な労働力として過労死も出ている」と指摘し今回の法案による改革が不十分だとし、「介護分野を加える」と閣法31号を批判しました。
採決の結果、共の政府原案反対と、自公民維の賛成多数で、閣法30号は「修正すべし」。閣法31号は、共反対、自公民維賛成多数で「原案通り可決すべし」と決定しました。
この後、一般質疑がありました。散会。
【衆議院財務金融委員会 平成28年2016年10月21日(金)】
大臣所信に対し一般質疑。「急だ」という野党の要望を与党が受け入れて、定例日ではなく予備日の金曜日に委員会が開かれ、野党の質問が終わり、店開きが終わりました。
【衆議院経済産業委員会 平成28年2016年10月21日(金)】
こちらも、大臣所信に対する一般質疑の、残り半分があり、店開きされました。
【衆議院厚生労働委員会 平成28年2016年10月21日(金)】
1時間遅れで始まりました。一般質疑には民共も出席。
どういうわけか、政府特別補佐人の、田中原子力規制委員会委員長が厚労委に呼ばれたのでどうしたものかと思ったら、高橋千鶴子さんが今週報道されている「関西電力課長が高浜原発再稼働をめぐる原子力規制委員会との折衝で残業が続き、締め切り当日に長期出張先の東京で自殺し、労基署から過労自殺だと労災認定された」ことについて質疑。田中委員長は「無理に急がせたことはない」と答弁しました。高橋さんが原子力規制委員会委員長を呼んで質問したことに、国会の強みを感じました。高橋さんによると、関西電力は、当該労災認定者が関電社員かどうか、というところからしてうやむやにしているそうです。関電という会社は、以前の熱湯漏れの5人死亡事故でのご遺族から藤社長が罵声を浴びたシーンといい、あるいは、関電に限った連合の関係者をみるにつけ、史上まれにみる最低の会社だと存じますが、田中委員長が国会で答弁したことは、労災認定された方にとって良かったと思います。
大臣所信に関する一般質疑が終わりました。
●年金法改正案は野党・民進党が求めた「受給資格10年法案」だけが単独で審議入り
この後、別エントリーと同じ内容になりますが、「年金受給資格25年から10年短縮法案」(192閣法6号)だけ、塩崎大臣から趣旨説明され、質疑は後日として、散会しました。
別エントリーから転記しますと、衆議院厚生労働委員会は、平成28年2016年10月21日(金)午後5時過ぎに、「年金受給資格を25年から10年に短縮する国民年金法改正案」(192閣法6号)を議題としました。塩崎大臣は「(成立すれば)来年8月1日に施行する」などと趣旨を説明しました。野党・民進党は、「年金カット法案」と呼び始めている、先の通常国会で提出され、継続審査となっている、「年金法改正案」を先送りし、今国会に提出された上記の法案の先行しての審議を要求。与党・自民党はかけひきの思惑含みでしょう、年金法を改正する両法案の一括審議を求めていましたが、与党が折れた格好。これにより、今国会が仮に延長されなければ、共産党などが「残業代ゼロ法案」と呼んでいる、昨秋提出の、労働基準法改正案が採決に至らない可能性が高まってきました。
【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特) 平成28年2016年10月21日(金)】
野党理事らが開催に抗議する中、8分前後の遅れで開会。
参考人質疑は、農学者ら2名から話を聞きました。
参考人に対しては、自公維が質疑。参考人質疑が終わり、休憩しましたが、午後2時頃までには、再開されないまま散会しました。
この記事の本文は以上です。
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