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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

サザンオールスターズがNHK紅白歌合戦で、自民党と公明党の集団的自衛権行使の閣議決定を批判か

2014年12月31日 23時59分59秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 2014年12月31日に放送された、NHK第65回紅白歌合戦で、日本を代表するロックバンドの「サザンオールスターズ」が31年ぶりに登場し、リーダーでボーカルの桑田佳祐さん(平成26年秋紫綬褒章)が、安倍晋三首相ら自民党と公明党が推し進める、日本自衛隊を米軍の景気対策のための地球の裏側の戦争に送り込み際限なく武器弾薬を提供するための道を開く、2014年7月1日の「集団的自衛権行使のための政府の憲法解釈の変更の閣議決定」などを揶揄し、批判したとみられることが確実になりました。

【追記 2018年8月29日】

 投稿日時は「2015-01-01 18:44:18」でしたが、「2014-12-31 23:59:59」に日付を変えました(バックデートしました)。【追記終わり】


 サザンオールスターズは、神奈川県・新横浜にある「横浜アリーナ」のコンサート会場から中継出演しました。ここには3日前に、安倍晋三首相夫妻が訪れて、この場で、桑田さんから「衆院解散なんですとむちゃを言う」 との替え歌で、11月21日の解散を揶揄したとみられる、「洗礼」を受けました。さらにその数日前に、「事前に出演者として発表されていない、サザンオールスターズが31年ぶりに紅白に出るのではないか」との報道がされており、NHKの制作担当者もある程度、桑田さんの意向を把握していたとみられます。

 NHKホールの有名人気タレントの「今回久しぶりの出演ということで、決断された要因というのは?」との呼びかけに対して、桑田さんは「メンバーでそろそろ還暦超えた奴もいますんでね、もう一回チームワーク高めてやってみようかみたいなね」と語り、2015年は、「元気に外出て行ってみようかな、みたいな」理由だとしました。この後、NHKホールで、「31年ぶり」とNHKアナウンサーが語るとどよめきが起こり、男性人気タレントが「歴史的瞬間」と語りました。

 この後の、横浜アリーナからの、サザンオールスターズの出演部分の一部を、著作権法38条にもとづき、引用します(テレビ画面から宮崎信行撮影) 



 上の画面写真のように、「ピースとハイライト」の、2番の歌詞は、

歴史を照らし合わせて

助け合えたらいいじゃない

硬い拳を振り上げても

心開かない

都合のいい大義名分(かいしゃく)で

争いを仕掛けて

裸の王様が牛耳る世は・・・狂気(Insane)

20世紀で懲りたはずでしょう?

燻(くすぶ)る火種が燃え上がるだけ

 以上が、NHKのテロップでこの部分の桑田さんの発音は一致していました。

 作詞者は、桑田佳祐さんと原由子さん。

 この曲、「ピースとハイライト」は2013年8月の発売のため、大義名分を「かいしゃく」と読む部分などは、2014年7月1日の閣議決定と偶然の一致かもしれませんが、言うまでもなく桑田さんらは天才ですので、どんな分野でも天才が偶然を呼び起こすことは、我々一般人には理解できない範囲内で起こりうることです。

 また、サザンオールスターズは1976年の結成以降に一人だけ脱退したメンバーがいますが、このメンバーは創価学会員である(だった?)ことで知られています。2014年7月1日の閣議決定に、公明党が取り返しのつかない失敗をした政治的局面となんらかの兼ね合いがあった発言かもしれません。桑田さんらが教育を受けた学校法人は、立地条件などもあり、世情にさとい保護者、学生が多いともされています。そもそも紫綬褒章を授章し、ハッキリ言って、もはや失うものなど何もない桑田さんが「確信犯的」に、戦争自公を挑発したととるのが、もっともスムーズな解釈と言えそうです。

 なお、桑田さんは冒頭、なぜかちょび髭をつけて登場しましたが、この解釈については、私の関心外です。

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僕の「先生」 2014年、平成26年ありがとうございました。

2014年12月31日 13時51分48秒 | その他

 「私(わたくし)はその人を常に先生と呼んでいた。」

 ことし、2014年平成26年4月20日付の朝日新聞。漱石(夏目漱石)の「こころ」、そして、10月から「三四郎」が連載されており、毎朝必ず読んでいます。もちろん政局記事を先に読みたいことは多々あり、とくに9月3日の内閣改造の当日は、「こころ」を読み忘れている自分の慌てぶりを戒める材料となりました。

 何があっても、動じない自分に少し成れた気がします。

 私はことし3月、40歳になりました。自分なりに重大な意識付けで臨んだ一年でした。本当に良い一年でした。支えてくださったすべてのみなさまに感謝します。そして、来年も、まあ、ことしと同じことを同じようにやっていこうかなと考えています。

 「四十代は胸突き八丁であり、心臓破りの丘である」、「四十代においては、自分の体験してきた仕事の分野では完全なエキスパートになっていなくてはならないし、また、この点ならば、他の人より秀でている点を持っていなくてはならない」、「四十代に入ったら、家庭も妻子もかえりみられないほど忙しい時期が、四十代を通してか、四十五歳前後のかなり長い間か、あるいは二度か三度にわけて、激しくやって来ないようでは、サラリーマンとしても、企業経営者としても、個人商店の経営者としても、完全に落第なのである」。

 これは、鈴木健二さんの「男が40代にやっておくべきこと」という新潮文庫の一節。私が尊敬する、私の父(80歳)が、この本を持っていたのを記憶しており、古本を探して、赤線を引きながら読んで、40歳の誕生日を迎えました。40歳の最初の数え1年は、おかげさまで、政治記事の依頼も増えたし、会員制ブログの読者も解散直後に大幅増となりました。

 さて、「先生」ですが、国会議員を「先生」と呼ばずに「さん」と呼ぶようになったのは、平成5年(1993年)ごろから、羽田孜さんの教えです。残念ながら、第47回衆院選では、60年間守った、羽田後援会「千曲会」が議席を失うことになりました。突然の衆議院解散ということですが、私は「解散はいつも突然」という感じでいますので、すぐに選挙に頭を切り替えました。ただ、「なぜ解散」ということが、インターネット上で話題になったようです。

 このブログでは言及しなかったのですが、7条解散は苫米地訴訟で結論が出ていると思いきや、芦部信喜著「憲法」によると、「この問題は、そもそも憲法の不備に由来するもので、どの見解が正当であるかを決めることは難しい」とあります。つまり、芦部憲法も、7条解散を合憲とは判断していません。

 かつて番記者としておつかえした、中野寛成先生は衆議院本会議での最後の質問演説の中で次のように語っています。

 「私は、国際社会と日本の現状を見るとき、政争に明け暮れしている場合ではないと思います。まして、あえて私見を申し上げれば、内閣不信任決議を経ずして行われるいわゆる憲法七条解散は、私は今なお憲法違反だと考えております。衆議院議員は、国民によって与えられた四年間の任期を使命感を持って全うし、その責任を果たすべきだと信じます。そうでなければ、日本政治は、衆参のねじれの中で、世界に恥ずべき総理の一年交代がこれからも続くことになりかねません」(平成24年11月8日の衆議院本会議)。

 野党が長かった中野先生の言葉が政治に反映されることはなかなかなかったのですが、与野党は今こそ、この中野先生の引退演説の意味をかみしめるべきではないでしょうか。

 さて、私は中野先生の引退のエントリーで次のように書きました「私ももう、衆議院のことを手取り足取り教えてくださり、私の見立ての甘さを叱ってくださる先生がいなくなってしまいます。第46期衆議院で、独り立ちできるかな。それとも。様々な想いが去来する晩秋の漆黒の国会議事堂の闇でした。

 政治取材の要諦は、日程把握と想像力。それがすべてです。第46期衆議院で、私は日程を取材し、想像し、それを確かめることを、自分一人でしなければならないと思い込んでいました。ところが、私はことし、40歳1か月すなわち4月、後半国会スタート直後に、「集団的自衛権で法案は秋の臨時国会に出せず越年の観測 ガイドライン改定優先との見通し」という記事を書きました。そして、実際、5月の大型連休の外遊中に、安倍首相と石破自民党幹事長が安保法制の再整備法案を秋の臨時国会に出さずに、翌年の統一地方選後に先送りすると動向記者団に示唆しました。

 日程把握と想像力ーー1997年、私は日経新聞首相官邸クラブ記者として、100日間の国会夏休みを経験しました。このとき、首相秘書官の一人から「ガイドライン、ガイドラインって聞くけど、あんたはガイドラインを読んだことがあるの?」「ありません」「そういう人は私に質問してほしくないわけ」と官僚らしい物言いで言われたことがあります。そして、あくる1998年に小渕外相の総裁候補番記者をしているときに、外務省政務三役室から、高村外務政務次官が「僕は総裁選は関係ないけど、こういうときこそ、政務次官がしっかりしないとね」、柳井外務事務次官が「みなさん、そのままどうぞ座っていてください。大変でしょうから、立たなくていいですよ」と言いながらエレベーターホールに現れた言葉を思い出しました。そして、ガイドラインが日本国内法制化されたのは、1999年、高村外相、柳井次官の元です。そして、2014年現在の安保法制懇の座長は柳井さんで、与党協議会の座長が高村さん。ならば、安保法制の再整備法案よりも、ガイドライン再改定が先になるはずだ。

 この予想はピタリとあたりました。秋の臨時国会は、安保法制の再整備法案の先送りで、「まち・ひと・しごと創生法案」やら「女性の活躍推進法案」やら、抽象的な法案が相次ぎ、ついには解散されました。

 そして、日本自衛隊を地球の裏側まで送り込み、武器・弾薬を際限なく提供して、血を流してくれという、自民党・公明党による「集団的自衛権に関する憲法解釈の整理」という大暴挙がありましたが、その法制化と、日米同盟での文書(
ガイドライン)化を、なんとか来年に押し込むことができました。政治というのは相手があります。自民党には民主党があり、日本には米国があります。政治の世界ではプレイヤーも変わりますから、先送りさえすれば、未来はなんとかなるものです。

 過去と現在と未来に恥じない自分でありたい。

 この日程感を教えてくださった先生。それが誰かはここでは明かしませんが、この先生にこれからもついていこうと。

 私はその人をいまだに「先生」と呼んだことはないのですが、やはり「先生」なのだと。

 2014年、平成26年、当ブログをご愛読いただきましてありがとうございました。

 2015年、平成27年も、同じことを同じように続けていこうと思います。すべては政権交代ある二大政党政治のために。 

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山井和則・中島克仁・井坂信彦さんらの「夏の思い」が与党突き動かし危険ドラッグ禁輸の関税法改正案提出へ

2014年12月31日 08時37分20秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[写真]危険ドラッグ禁止法案を提出する、山井和則さん、中島克仁さん、井坂信彦さん、高橋千鶴子さんら野党各党議員、2014年10月10日(金)、民主党ウェブサイトから。

 野党共闘の議員立法が、政府・自民党を突き動かしました。

危険ドラッグをめぐって、衆議院厚生労働委員会は、「100日間の夏休み」だった2014年8月4日(月)、閉会中審査を開きました。(関連エントリー

 この審議で意気投合した、野党全会派の衆議院厚生労働委員は、2か月にわたって、衆議院法制局をまじえて、法律案をつくり、第187臨時国会に、衆法1号として、「危険ドラッグ禁止法案(薬事法改正法案)」を提出しました。(関連エントリー

 この法律案は、自民党からも共感を得て、委員長提出法案として、出し直され、全会一致で可決し、成立。改正医薬品・医療機器法(平成26年11月27日法律122号)として、公布され、すでに施行されています。

 私も改めてブログを読んで気づいたのですが、「1強多弱」と呼ばれた第46期衆議院で、野党全会派共同提出の法律案はこれだけだったようです。

 正直言って、100日間も閉会中となると、多くの議員は海外訪問をしており、それでいいのですが、理事懇談会、理事会を開いて、委員会を開くという労をいとわなかった夏の日の思い出が与野党共通の体験となったようで、「国益に資する議員」は高い確率で再選しました。

 第47回衆院選では、京都6区で山野和則さんが44・4%で6選、兵庫1区で井坂信彦さんが46・2%で2選、新設山梨1区で中島克仁さんが44・0%で2選するなどしました。

 あらためて、8月4日の議事録を読むと、この時点で閉会40日だからこそ、個別訪問をしていた中島さんや、体験取材をしていたとあかす井坂さんらの質問が迫力があるのが分かります。

 井坂信彦さん「確かに、現場に行って物を見れば、もう明らかに疑いがあるということがわかるケースも多いと思います。例えば、裏を見たら、絶対に吸わないでくださいとこれ見よがしに書いてあったり、あるいは日本語では書いてあるけれども、英語ではまた全然違う、何かこれは気持ちよくなりますよみたいなことが書いてあったりとか、ちょっと見れば怪しいということはわかるわけでありますが、そうはいっても、現場の裁量で、捜査官の主観でというわけにもいかないでしょうから、私の方から幾つか御提案をしたいんです。」

 中島克仁さん「私の地元も、私なりに、飲食店初め多くの方に、この危険ドラッグの現状がどうなっているのか、知っている範囲で教えてくれというようなことも聞いてみました。そうしますと、恐らく今の中高生、我々もそういう時代があったわけですが、こういうところであれしてはいけませんが、例えばたばこに興味を示す年代とか、それと同じような感覚で安易に手に入れてしまう。そして、これは、麻薬や覚醒剤、大麻とか覚醒剤のように、ある一定のルートにかかわらなければさわらないというものではなく、友人から誘われる、そういう安易な状況にある」

 さて、議員立法には、自民党と公明党も参加しましたが、非常に大きな前進がありました。自民党が2014年12月30日決定した「平成27年度税制改正大綱」に、危険ドラッグをはじめから輸入させない、禁輸にする内容が盛り込まれました。

 大綱の122ページに、「七 関税 1 指定薬物の「輸入してはならない貨物」への追加 医薬品医療機器等法上輸入が認められていない指定薬物について、水際における取締りを強化するため、関税法上の「輸入してはならない貨物」に追加する。

 と盛り込まれました。

 これを受けて、財務省は、関税法改正法案を執筆し、第189通常国会に提出する見通し。法案は、衆参の財金委で審議され、「日切れ法案」扱いで、2015年3月31日(火)までに成立するのは確実。 

 人の身柄を拘束する法律案は、閣法ではなく衆法・参法がのぞましい、という考え方があります。また厚労省では、麻薬取締官の仕事が忙しくなりすぎることへの警戒感があったようです。しかし、法律にしたことで、財務省が主管する関税法の改正という方向に、自民党税制調査会で話が行ったようです。

tag (宮崎信行)

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