【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎岡田克也さんが民主党代表選立候補を表明「政権交代可能なシステムが必要である」

2014年12月25日 18時55分11秒 | 岡田克也、旅の途中

 民主党衆議院議員(三重2区、9期)の岡田克也さん(61歳)は、2014年(平成26年)12月25日(木)、民主党ホールを借りて記者会見し、第18回民主党代表選(2015年1月7日(水)告示、18日(日)開票)に立候補すると表明しました。

 これに先立ち、細野豪志さん(静岡5区)も立候補を表明しています。

 特別国会があすまでで、党の仕事納めにもなります。野党なので税制改正大綱(30日)は関係ないので、大半の議員が年明け7日までに上京しないと思われることから、きょう午後のタイミングを選んだと考えられます。仮に当選すれば任期は2017(平成29年)年9月末日まで。この間に第18回統一地方選と第24回参院選が必ずあることになります。



 岡田さんは大要、次のように述べました。

 「平成2年(1990年)の初当選以来、政治改革を訴え、今考えるとやり過ぎたかもしれませんが、自民党を飛び出しました。その後、いちいち政党名は申し上げませんが、新進党とかもありましたが、自民党以外のかたまりをつくる。日本に政権交代可能なシステムが必要である」と筋を通してきたとして、政権交代の3年3か月を振り返りながらも、「もう一度新しいシステムをつくってチャレンジしようとして、民主党を抜本的に立て直すためにこのたびの代表選に立候補することにしました」と、だいたい話しました。

 岡田さんらが、公の場で「新進党」に言及するのはまれ。

 質問に答え、「今回の代表選の争点が、野党再編か、自主再建かといわれているが、維新の党との関係が争点になるのは間違いないが、私は否定的ではない。国会での協力や、(衆院小選挙区の)候補者調整ということはやっていく」としました。他の質問で、「維新の党は、民主党の一部と一緒になると言っているだけで、民主党と一緒になるとは言っていない」として、民主党と他党との合併には否定的な考えを明示しました。

 少し意外だったのが、連合と民主党の関係についての質問。岡田さんは「民主党は生活者の党、消費者の党ということを言っているので、連合にとどまらず幅広く、連携していきたい」と語り、連合以外の消費者団体や、あるいは組織化されていない庶民も念頭においた姿勢を示したうえで、「連合が大事な存在であることはまちがいない」と話しました。私の知る限り、岡田さんは自民党出身者では、選挙区でも、党幹部としても、連合との関係が太いイメージがあったので、少し意外な気がしました。

 10年前(2004年4月~2005年9月)に代表をやったときと何か変わったのか?と問われ、「人間そう簡単に変われるものではない」としました。

 私が、2017年9月までの任期の中、「統一地方選でしっかりと組織をまとめられる代表」「参院選で顔になる代表」を求める声があるなかで、(2018年12月までにある衆院選に勝利することで、「総理大臣になるのか」と尋ねたところ、「2年8か月あるうちに、解散があるかどうかは安倍総理がお決めになること。民主党にとってはラストチャンスになるかもしれない」としたうえで、「チャンスがあれば、総理大臣をやるという覚悟がなければ立候補を決断していない」と語りました。できれば、バシッと言ってほしかったのですが、岡田さんはのんびりした方だし、長期的に物を見る。そして、やはり今回は待望論が強いです。

 岡田さんは質問に答える中で、「否定されたというのは言い過ぎではないか。一生懸命やってくれた人や900万人の投票者に敬意と感謝を持たねばならない」と語り、細野さんが出馬会見で「民主党は完全に否定された」と述べたことを、名指しを避けながらも批判ししました。

 民主党代表選といえば、前は談論風発で、明るい印象でしたが、政権交代に前後して、すっかり重苦しい雰囲気になりました。岡田さんは派閥を持っていないので、「岡田さんが立候補してくれないと困る」「岡田さんが代表になってもらわないと困る」という人はいない、いるとしても、比例単独の数人だと思われます。

 私もあんまり敵は作りたくないので、第18回代表選に関する記事はほどほどにとどめておきたいと考えます。

 ちなみに、岡田さんは昨日代表代行としての記者会見をし、きょうは一議員として党から借りて記者会見をしました。





 上がきのうで、下がきょう。なんですが、見たところ同じに見えます。さすが、政治家。まさに動かざること山の如し、民主党の礎石、「安定の岡田」。

 上の記事中、カギカッコの部分は、あとで、動画をみたら、手直しするかもしれません。