(このエントリーの初投稿日時は2014年12月14日午後8時10分)
【再追記 2014年12月14日深夜、15日未明の3時20分】
海江田万里民主党代表は、衆議院東京1区と比例代表東京ブロックで落選したため、15日(月)に辞任の記者会見を開く、と報道陣に語りました。
【再追記おわり】
【追記 2014年12月14日 午後11時】
民主党代表の海江田万里さんは2014年12月14日(日)、午後9時25分に党本部に入りました。
この後、午後10時30分から、NHKのインタビューに答えました=写真、筆者(宮崎信行)撮影。
海江田さんは「民主党もしっかり(議席を)伸ばしていますので、民主党がこれからも野党第1党として政権に対峙していきたい」と語りました。
海江田さんが2回連続で小選挙区で落選(確実)したことについて、
「私自身、小選挙区で議席を(前回から引き続き)失いました。応援してくれた人には申し訳ない。野党との協力、とりわけ維新とは早い段階から、協力してきたので、私たちは他の野党とも協力できることは協力していきたい」と語りました。
そのうえで、代表の地位について、「来年1月17日に党大会、来年春には統一地方選があるので、勝利を目指したい」として、午後10時34分、代表を続投することを宣言しました。
かつては、1990年2月の第39回衆院選(中選挙区)で野党第1党が議席を伸ばしたものの、与党の議席も増え、その後の1991年4月の統一地方選後の抗争で、野党第1党党首が引きずりおろされたことがあり、大人の対応が求められそうです。
なお、ここまでに前回は小選挙区でゼロだった女性で、大阪10区で辻元清美さんが当選を確実にしています。黒岩宇洋さんが小選挙区勝ち上がりで国政復帰をしています。玉木雄一郎さんが2009年から3連続での小選挙区当選を確実にしています。
【追記おわり】
誰かのせいにすれば容易い事を自分のせいにして立ち上がろうーー責任政党・民主党の2014年の党大会は、福島県連と青年委員会の企画による、「ave(エイヴ)さん」の「福の歌 がんばっぺバージョン」で一つになりました。2月8日9日の党大会のもようは朝日新聞社説でも取り上げられ、歴史になりました。朝日が引用したのは「バラバラだった僕たちが一つになるときが来たんだ、がんばっぺ」の一節でした。民主党にとっては耳が痛いばかりの歌のようにも聞こえましたが、aveさんが「福島人ならやれるだろう、何度でも立ち上がろう」を「民主党ならやれるだろう、何度でも立ち上がろう」と替え歌をしてくれたことで、一体感が出ました。あまりお小遣いが多くない総支部長たちもCDを買い求め、選挙区へと戻りました。
はじめに言っておきますが、リンカーンは8回落選し、孫文は8回革命に失敗しています。
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第47回衆院選「アベノミクス解散」は平成26年2014年12月16日(日)投開票されました。NHKが午後8時に発表した出口調査にもとづく議席予測によると、民主党は2年前の第46回衆院選の56議席(議席占有率11・7%)から上積みし、61~67議席(議席占有率12・8%~14・1)に伸びす見通し。
一方、朝日新聞の8時台の報道では、民主党代表の海江田万里さんが前回に続き、2回連続で小選挙区で落選する見通し。海江田さんは過去4回で1回しか小選挙区に勝っておらず、代表・幹事長足止め作戦にあい、移動距離が自民党総裁が1万キロメートルを超えたのに対して、民主党代表は割っており、責任問題が浮上する可能性が出てきました。海江田万里代表の任期は来年9月末日まで。
新議員の任期は、2018年平成30年の12月までになります。天皇陛下は84歳になられますから、お元気でいていただきたいものです。それに先立ち、2018年9月に自民党総裁の任期切れになります。これを巡った、自民党一党内での権力闘争が、これから3年ほどの政局を占うことになります。新聞、週刊誌はしっかり報道してほしいものです。
ライバルの自民党は、275~306議席で、前回の296議席(議席占有率61・7%)からの大幅上積みと単独3分の2は失する見通しで、総理の解散判断は失敗になる可能性が出てきました。
公明党は、2年ぶりに、第3会派に再浮上したと思いきや、NHKによると、維新の党が30~48議席を取り、底堅さを見せる可能性があり、2連続で「第4会派」にとどまる可能性が出てきました。立党50年にして、公明党の存在意義が極めて薄くなるかも。
これにより、二大政党や、3党合意各党が議席占有率が高まるかどうかは、結果次第となりました。先の臨時国会からの民主党と維新の党の野党共闘路線が一定の評価を得たようで、すべての委員会で筆頭理事を民主党、次席理事を維新の党が占めた第46回衆議院の院内共闘の友情が結実したことになりそうな出口調査結果です。
歴史が最も古く地方議員の足腰も強い日本共産党も議席を伸ばしましたが、18議席から24議席にとどまり、中選挙区時代のような躍進はない見通し。
組織力のある政党が多数を占める第47期衆議院の任期は2018年12月まで。この間に、自民党総裁選が2回入りますので、自民党内の総裁争いが政局の中心になりそう。一方、民主党も政党交付金が増えることから、来春の第18回統一地方選で足腰を強化し、党員の声が反映しやすい、選挙に強い民主党になりそうです。
第188特別国会は24日ごろ召集され、第97代内閣総理大臣に安倍晋三さんがつき、第3次安倍内閣を発足させます。
[民主党の立て直し]
議席増となった民主党ですが、自民党との相対的な戦いでは負けました。小選挙区は定数1の絶対的な選挙戦度ですが、当選するには、相対的1位得票者は絶対に当選するので、相対的な選挙制度です。今回も自民党員が2人出た選挙区や、農相の選挙区で、民主党が健闘したのがその証拠です。だから、今回初めて立候補して落選した人も、相対的に1位になれなかったのであって、人として否定されたわけではないので、まったく気にすることはありません。ただし、投票してくれた人の御礼参りはすべての候補物がしなければなりません。地方議員が増えてくれば、夜の選対で情報集約をすれば、どの地域で相対1位になっているかどうか、選挙戦中に票読みができるようになり、民主党はもっと議席がとれます。民主党員が増えれば財政的に安定し、国政の情報がより党員に流れ、党員の考えがより国政に反映できるようになり、選挙も強くなります。
英国労働党では、代表辞任後に、5か月間かけて代表選をやりましたが、副代表も公選制で、副代表が立候補せず党首代行として5か月間党を守りました。民主党では、代表以外に公選した役員がいないのでこのモデルは使えません。さらに1月に通常国会召集、4月に第18回統一地方選と流れ込みます。このなかでの代表のあり方。今の規約ですが、12月中に就任すれば、2017年9月に代表の任期が来ることになり、次の総選挙の前に代表選をすることになる可能性もあります。とにかく、総理大臣がつとまる人物を代表にするのは必須。参議院民主党の輿石東さん主導の党内世論は捨て去らねばなりません。
ただ、二大政党制はしっかりと堅持され、財政面も盤石となりました。今の制度のまま、政権交代が可能な体制がしっかり残りました。候補者擁立のシステムは改善が必要かもしれません。全般的に県連という組織はよく頑張ったと思います。地方議員もそこそこ頑張ったと思います。連合の産別も、民間も春闘の要求作りがありながらもスタッフとして検討、公務員系も必死な戦いで、比例票を底上げしました。
民主党のたたかいはしっかりと前に進むことになりました。
[改正公職選挙法で、今回から投票のお礼がインターネット上に掲示可能に]
改正公職選挙法により、投票のお礼をインターネット上に掲示してよいことになりました。小選挙区で民主党公認候補に投票してくださったみなさま、比例代表で民主党に投票してくださったみなさま、ありがとうございました。
とても寒い選挙戦でしたので、しっかりと暖をとって、御礼参りをしてください。