【2011年6月16日(木)衆院本会議】
やれやれ、ホッとしました。
ねじれ国会による自民党の抵抗のため、6月30日までのつなぎとなっていた平成23年度の税制改正法案(国税などの改正案、地方税などの改正案)が衆院本会議で民主党、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。衆院に送られます。委員会審議では日本共産党だけが反対討論をしていましたから、参議院でも可決、成立すると思います。
これは藤井裕久さんや、野田毅さんが実務者として協議していました。
国税などの改正法案は、閣法2号と閣法82号に分割し、閣法82号が衆院で可決しました。閣法2号に残ったのは、「個人所得課税、法人課税(法人税率の引き下げなど)、資産課税(固定資産税の控除額の引き下げと税率引き上げ)、消費課税に関する税制の抜本改革、それと、国税通則法の抜本改正」の4分野は残したままにして、閣法2号はそのまま、第177国会の議題として残ります。ですから、固定資産税の増税はこの6月末でも見送られることになります。
そして、新しく作った「閣法82号」の方に、「つなぎ」の免税措置と、雇用促進税制、NPO寄付優遇税制、航空機燃料税への減免措置、年金所得者の申告の簡素化などを加えて、この閣法82号が、衆本で可決しましたので、とりあえず、これは期限なしにずっと有効ということになります。なお、閣法2号がどうなるかは、ハッキリ言って、与党幹部も分からない状態だと考えます。
地方税などの改正法案は閣法4号と、閣法83号に分割し、閣法83号が衆院を通過しました。閣法83号では、寄付金の税額控除の見直し、都道府県税・市町村税である個人住民税の脱税犯への懲役刑の引き上げ、税負担軽減措置を入れた内容だとのことです。
ただ、衆議院ホームページの「議案」を見ても、本文が載る前に、もう審議を終えて、衆院を通過してしまっているんですよね。いつもこうです。いったい、衆議院事務局は1000人以上も職員がいて、何をやっているんでしょうか。英国庶民院などはツイッターで、「きょうの党首討論の議事録は、3時間後にホームページにアップしますよ~」と自らプレッシャーをかけながらやっているのに。
各種世論調査で、国会が信頼できるという人は15%前後にとどまっています。衆議院事務局ももっとスピーディーに仕事をやらなければいけません。官僚ももっと、法案の名前が「国会の見える化」につながるように考えて名付けないといけません。どうせ仕事をするのなら、メリハリつけて、効率よくやってください。