「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

近江商人

2010-08-29 02:46:38 | Weblog
私は小学校の5年生まで滋賀県大津市琵琶湖のほとりで育ちました、山があり、川があり、日本一の湖があり遊ぶ事には事足りる環境がありました。
滋賀県と言えば忘れてはいけない「近江商人」、小さい頃から「近江商人」ほど立派な商人はいないと聞かされました。

伊藤忠や丸紅の創始者、西武グループ、高島屋、大丸、西川産業、東レまだまだ日本の有数の企業創始者を沢山輩出しております。
それは「近江商人」の商売の理念というべき根本に「三方よし」という言い伝えがあります。
近江商人の行商は、他国で商売をし、やがて開店することが本務であり、旅先の人々の信頼を得ることが何より大切でありました。そのための心得として説かれたのが、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」であります。
取引は、当事者だけでなく、世間の為にもなるものでなければならないこと、今で言う社会貢献です。
血縁地縁のない他国で商いを始めることから取引を重ねるたびに信頼信用を大きくする、もともと卸商であったことから薄利多売を身上とし、売る側が悔やむぐらいの口銭で我慢する商いを極意とした、たとえ品薄の時であっても余分な口銭を取るような取引を禁じていた。
そして、「しまつしきばり」倹約につとめて無駄をはぶく、「しまつ」は単なる節約ではなく、モノの効用を使い切ることであり、「気張る」は、近江地方では「おきばりやす」という言葉が挨拶代わりに使われる。
私も小さい頃、学校へ行く時には決まって「きばっといで」と送り出されたものでした。
「気張る」は自分が気張ることと他人にも気張る、両方に意味があり、近江商人の天性を一言で表現した言葉です。

更に、商人の手にする利益は、権力と結託したり、買占めや売り惜しみをしたりせず、物資の需給を調整して世のなかに貢献するという、商人の本来の勤めを果たした結果として手にするものでなければならない。
そうした利益こそ真の利益であると伊藤忠の創始者伊藤忠兵衛の座右の銘として残っている。

今から250年も前に「近江商人」は社会貢献の一環として、治山治水、道路改修、貧民救済、寺社や学校教育への寄付を盛んに行なったとの記述が沢山残されています。

フローレの4月に作った新しい理念にも250年前に作られた「近江商人」の「三方よし」という思想が大いに参考になってます。

フローレを初めて25年いつも沢山の商いをする事、会社を大きくする事を心がけてきました、しかしそれは正しい選択であり、正しい考え方だったのだろうか?
お客様の要望、お客様の願いを叶えるるお手伝いを私たちが出来る、それは会社が大きくなる事でかなえられるなら・・・・

それは会社の大小ではなく、自分達は誰のために存在しているのか?そのために精一杯汗をかくことが最も重要であることが「近江商人」「三方よし」の理念の中から少し理解できました。