「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

国産の花か輸入の花か?

2006-09-16 11:06:07 | Weblog
フロ-レはさまざまな活動を行っている。その一つに輸入の花の紹介、取扱販売等、この何年かで、コロンビアのカーネション、韓国のSPバラ、インドのバラ、そして今回の中国のバラに紫陽花がある。
世田谷店では、コロンビアのカーネションはそんな多くの数ではないが、韓国のSPバラは年間で25万本、インドのバラは70万本を販売(量販店も含む)している。
それと同時に、大田店では、三輪さんのイングリュローズや、大分メルヘンローズ、南房総青木園芸の紫陽花など、一見矛盾するかのような取り組みもおこなっている。

大田店、世田谷店、ほぼ同時にオープンしている(2001年4月)大田店世田谷店を、それぞれどんな店にするか話し合った。
大田市場は、すでに19店舗の仲卸は十年の実績が有り、それぞれしっかり営業している。
我々は19店舗が出来ていない仕事、19店舗があまり扱っていない品物を中心にできないかと考えた。
そこで一つは情報、もう一つは葉もの類や珍しい花などを売っていこうとなった。
そこで、フロレッタ{ヤス子さん}が始まった次第です。

一方、世田谷は6社が同時オープンする事、東京の市場の中で一番少ない仲卸数を考えると、フロ-レは圧倒的な品揃えと、物量を確保し、ベーシックなものを中心に売っていくことになった。いずれも、この方向性はいまでも間違っていなかったと思っている。
それぞれのコンセプトの違いが、それぞれ荷揃いの違いになっている。

フロ-レは売れるものであれば、何でも売るという姿勢ではない。
フロ-レが輸入、国産に関わらず、戦略的に売っていこうとするとき、その商品優位性、今後その生産者と、どんな取り組みが可能になるのか?さまざまな角度から検討をする。

国産だから良い、輸入だから悪いという概念は成立しない、その商品を作っている人が、どんな思いで、どれだけのこだわりを持って、作っているかということが大切である。

コロンビアのカーネション、マレーシアのSP菊、YMSのレザーファンなどは国産の同じような品物より値段がセリで高いことが多い、セリでも、相対でも、国産、輸入にとらわれず品質が安定しているか?コンスタントに入荷があるか?値段が安定しているか?などの要素で取引される。

1985年フロ-レが幡ヶ谷にオープンした時、マーケットが求めている、品質、品種、物量、をカーバー出来るだけの国産の花はすくなかった。
秋にはまともなバラが国産にはほとんどなかった。チューリップの種類は赤ピンク黄色、八重のチューリップもなかったし、微妙な色気もなかった。カサブランカは1987年始めてオランダから輸入された。前後してルレーブやマルコポーロが出てきた、そればかりでなく、ライラック、ビバーナムきりがないぐらいのものが当時、オランダから入って来た。

これらの花が消費を喚起し、新たな国内での生産者を生んだ、輸入にはこんな役割も過去に有った。
国内の生産者にとって確かに高品質の安い花が大量に入ってくることは脅威である。
しかし、それに頭を抱えていたのでは始まらない。

フローラホーランド{生産者の協同組合}は3年前アルスメールを抜いて世界一の売上を達成した。この主要な要因の一つに、積極的に輸入物を扱っていくとの方針がある。
日本でいえばJAが輸入物を扱うに等しい、フローラホーランドは輸入物を扱うことで、海外ではなにがどのように作られているか?今後の動向等、水際にいることで、より早く、より正確に情報をつかみ、自らの対策をたてる。
仮に、フローラホーランドが扱わなくても、市場性がありユーザーに支持されれば、どんなルートをとおっても最後は消費者の手元に届く、ここから輸入物を積極的に取り扱うという考え方が出てきた。

毎日毎日、外国からたくさんの花が入ってくる、消費者は国産か輸入で花を選んではいない、美しいのか、ボリュームはどうなのか、鮮度は、たくさんの花の中から、その花を選ぶ動機付けがあるのか?最終的には消費者が判断をする。

私たちは、国産の花がなくなって良いなどと思っていない。各自が工夫をし、厳しい時代をいきぬいて欲しい。
それには仲間で知恵をだしあい、この社会に必要な存在になることを目指してもらいたい。
花は、それだけで人の心を和ませる、私たちはそこにもう一つのなにかを日本の生産者に望みたい。そのことが輸入に負けないで、生き残っていく道のように思う。