
~あらすじ~
NY市警のジャック・モーズリー刑事は、夜勤明けのある日、上司から証人エディを16ブロック、約1.6キロ先の裁判所まで護送してほしいと頼まれる。
15分もあれば終わる仕事と説得され渋々引き受けたジャックだったが……。
~感想~
ブルース・ウィリス主演のアクションといえば、どうしてもジョン・マクレーンの影がちらついてしまうが、今作は特殊メイクと好演で、あちこち病んでいそうで油断したらいまにも死にそうな、老境にさしかかった男という独自のキャラを形作れている。
むこうみずで勢いだけで突っ走るところはマクレーンと同じだが、こちらはいつ(負傷ではなく内臓系の原因で)吐血して倒れるのかわからない病体。不死身ぶりと強運を笑う余裕がない。
『フォーンブース』のようないわゆる箱庭映画だが、駆け引きや頭脳戦は少なく、行き当たりばったりで逃げ回りながら次善の手を打っていたら事態が好転しました系の映画なので、なにも考えずに見るべし。時系列のずらしかたが見事で、意表を突いてくれる編集もうまい。
翳のある主人公とあいまって全体的に暗く打ち沈んだ雰囲気だが、ラストは打って変わって非常に明るく救われて、実に後味がいい。
だがDVD特典のアナザーエンドはどうしようもないほど暗く、こっちを採用していたら評価は著しく変わっていただろうなと興味深い。
どうでもいいがこのパッケージはスティーブ・オースチンにしか見えないなあ。
評価:★★★☆ 7