お父さんが今いる部屋は1階の和室です。
和室に絨毯を敷いて、その上に電動ベッドを置き、寝ているのです。
本当は二階の自分の部屋で寝たくてたまらないお父さんですが、
それだけはかろうじて言うことを聞いて1階で寝ているのです。
いつも出歩いていたので、家にいると退屈で、なにかしたくてたまりません。
そしてふと目についたのが障子。
もう十何年も張り替えてないので、黄ばんで破れています。
「よし、今日は障子を貼るぞー!」
いつの間にか調達した障子紙やのりを前にして張り切るお父さん。
だいたい何年も何年も年末の大掃除の度に頼んでいたのに
いつも出かけてしまって全然やってくれなかったのに、
何も今やらんでも
しかしここで問題が発生しました。
じゅうたんが部屋の幅より大きいため、障子にかかってしまっていて外れません。
どかそうにも、隅の方に重いスチールの棚がのっているのでじゅうたんがまくれないのです。
これ大変だよ、あきらめようよ。
と言っても無視。断固としてやり遂げようとしています。
どーしてこんなときばっかり
と、少し目を離した隙に、不自由な手で棚を動かそうとして
倒しそうになってます。
危ないって!!
なんとしても聞きません。
私の力じゃ棚、重すぎて支えきれない~!
幸いうちにいた弟を呼んで、なんとか棚をずらしました。
ところが遮る物がなくなったはずなのにやっぱり障子、はずれません。
そーです、長年の間に歪んではずれなくなっていたのです。
こりゃ、やっぱ無理だ。やめよう。
という子供たちの声が聞こえないのか激しくがたがた障子を揺らすお父さん。
もう、障子紙の中に指五本とも入っちゃってます!
私は仕事にでかけなければなりません。
頼む、弟よ。
私は不安な気持ちがイッパイのまま出勤しました
しかし、帰る頃には何とかなってるだろうという
ちょっとした期待も。
そして夜、9時ころ帰宅すると…
障子紙だけやぶいたふすまが廊下に立てかけられ、
スチールの棚は部屋の真ん中に、棚に載っていた荷物はその回りに散乱。
泥棒に入られた後のようになっているところで
お父さんはTVをみていました。
途中で飽きたらしい。
やっぱりな…