お父さんの底力。

寅さんとか長島監督とかによく例えられるお父さん。ついに脳梗塞で倒れました。しかしマイペースさに変わりなし!

お父さん、写真集作成にのりだす。

2006-02-25 11:30:41 | Weblog
「俺ももうトシだ。いまのうちに家族の記録をちゃんとした形で残しておきたい。」
人間歳をとると、記録とか歴史とかに興味がでてくるようです。お父さんは古い写真をデジカメで接写し始めました。ディスクにコピーして、家族のひとりひとりにくばるというのです。
「よし、だいたいできたぞ、お前もみろ。」
テレビの画面に写真を写しだすお父さん。
「これはお父さんが赤ん坊のときの写真だ。かわいいなあ。」
「これはお父さんが小学校に入学したときの写真だ。りりしいなあ。」
「これはお父さんが航空訓練をうけたときの写真だ。どうだかっこいいだろう。」
お父さんは自分大好き。家族の写真集じゃなくて自分の写真集をつくってしまいました。

スケーターへの夢が破れた日。

2006-02-12 01:00:31 | Weblog
トリノオリンピックついに始まりました!これからしばらく寝不足の日が続きそうです。私は子供の頃からフィギュアスケートを観るのが大好きでした。子供心に「キレイ!お姫様みたい」と夢中になっていたのです。
ちょうど実家近くにスケート場があったので、ある日思い切ってお父さんに
「フィギュアスケート習ってもいい?」
と頼んでみました。小学校2,3年生の頃だったと思います。するとお父さんは
習うなんてもったいない。スケートくらいお父さんが教えてやる!」
と言って私をスケート場につれていったのです。そしておもむろに「そこでみてろ」と言うなり滑り出してビミョーに変なポーズでジャンプしたり、くるくる回ったりしだしたのです。おじさんのお父さんがそんなふうに滑ってるととてもオカマっぽい。回りの子供たちは指さしてクスクス笑っています。
私は恥ずかしくて他人のフリをしました。するとお父さんは滑り続けながら大声で
「ほら、みてみろ!ウマイだろ、おいみてんのか、○○、○○~!!」
と私の名前を連呼。私のほうをみてにやつくギャラリー。・・以後2度とスケートをやりたいと言わなくなった私です

手作りスケート靴。

2006-02-10 01:37:12 | Weblog
お父さんの子供のころは今よりよほど寒く、冬は池が凍ったといいます。
「でも、スケート靴なんてシャレたものは持ってなかったから、自分たちでつくってたんだ。」
下駄の歯をはずして、竹の刃をつけて?よくわからないけど自家製のスケート靴で滑っていたそうです。
先日亀有を立ち読みしてたら、偶然両さんが同じようなことを言ってました。そういえば両さんもよく昔の遊びの話をしていますが、お父さんに聞くとたいてい「なつかしいなあ、やったやった。」と言います。
昔の子供は物がない分、遊びを工夫していて、かえっていい意味でアタマをすごく使っていた気がします。私の時代はダメですねー。ゲーム世代だから
せっかくの遊びの知恵が埋もれていくのは非常にもったいない!と思うと、子供嫌いな私ですが、早く孫をつくらねば!という気もします。伝承伝承。

お父さん、新興宗教の道場に潜入!

2006-02-08 21:58:22 | Weblog
ひょんなことから知り合いになった、近所に越してきたおじさん。
そのおじさんが新興宗教の開設者だとお父さんが知ったのは
「いちど道場を見学にきませんか?」
と誘われてひょいひょい見に行ってからだという。
以下お父さんの話。

「なんだか顔色の悪い若者がいっぱいいてなあ、大きなぬかみそのお風呂みたいなのがあってそこにみんなでつかってるんだ。体の中の毒素をぬかみそで抜いてるんだと。で、夜な夜な屋上に上がってみんなでUFOを呼ぶんだと。だいたいUFOが来たからなんだってんだい!いい若いもんが毎日毎日あんな所にこもってなにやってんだかなあ。最近の若もんは全くわからん!」
でも、私が実家に帰るたびに
「おもしろい光景だぞー、お前も一回見に行こう。教祖のおやじとは知り合いだから頼めばいつでも見学させてくれるぞー。行こう行こう。」としつこく誘うお父さん。
アンタが勧誘してどうする?

お父さん、霊体験をする。

2006-02-07 22:44:25 | Weblog
「死んじめーばお終めーよ!」
お父さんは死後の世界とか霊とか全く信じてません。
最近の霊だのなんだののブームをみては「何言ってるんだか」と笑っています。

そんなお父さんですが、1回だけ不思議な体験をしたことがあるといいます。


終戦後、疎開先から東京にもどったお父さん。
焼け野原のそこここで生き残った人たちが死体を焼いていたそうです。
人間の焼ける臭い。なんとも言えないその臭いを嗅いで気分が悪くなってきたなあと思った矢先!
歩いてる途中なのにキーンと音がして金縛りになり、全く動けなくなってしまったそうです。
びっくりしたお父さんは助けを呼ぼうと思ったけれど、声も全くでない。
そんなことははじめてだったけれど、暗記していたお経を心の中で必死に唱えたそうです。
するとしばらくすると、うそのように体が軽くなって自由に動けるようになったということです。