お父さんの底力。

寅さんとか長島監督とかによく例えられるお父さん。ついに脳梗塞で倒れました。しかしマイペースさに変わりなし!

家庭菜園に目覚めたお父さん

2017-05-28 00:08:43 | Weblog

さて、近所に出かけるのも疲れてしまってなかなか出歩けなくなったお父さんがめざめたのは

家庭菜園でした。

きっかけはたまたま玄関脇にうえたパセリが元気に育ったので、

ちょっとサラダに載せたり、スープに浮かべたり、オムレツに入れたり、と便利に使って、

「家にこういうパセリがあるって便利だねえ〜。」

と私も珍しくお父さんのやったことを褒めてからだと思う。

疎開中に田舎で野菜を育てたことも思い出し、見る間になす、トマト、唐辛子、山椒、オクラ、じゃがいも

などを植えた鉢が玄関わきとリビングに所狭しと並んだ。

苗や鉢欲しさによろよろしながら一人で花屋に買いに行ったりしたようだ。

またころんだらどうする。懲りないな

 

でも、どんな状態になっても何かしらやることをみつけて、

楽しもうとする姿勢はお父さんの一番いいところだと思う。


痛々しくなっても性格は変わらん。

2017-05-26 22:57:49 | Weblog

さて、お父さんは、むくんでぱんぱんになっていた足がやせてきました。

むくみが引いてみると、全体的に激やせ!

あれは全部水だったのか?

赤ちゃんみたいに健康的に太ったカンジだった手足や体はやせ細り、

肘や背中は骨が浮き出し、足首はにぎれるくらい

体重はわずか2ヵ月の間に10kg近くやせています。

 

でも先生は腎臓病の患者さんに慣れているせいか、全然驚いていません。

むしろ「やっと薬が効いてきた。よかったよかった」

と喜んでいるのですが、見た目からしたら前のほうが健康的だった‥。

素人目にはどんどん痛々しくなっていくお父さん。

立ち上がるのも歩くのもやっとという感じですが、それでも気力を失っていないところは

さすがお父さん!というかんじです。

ただ、出かけたいところができると、思い立った日に行きたがり、

付き添い都合がつかなくても待てなくて、

一人でも行く!死んでも行く!どうしても行く!

とすぐ頑固に言い張るところはとても困る‥

どうしても自由に自分の思う通りにやりたいんだろう。

今までがずーっとそうだったからねえ


普通に助け合う世の中になるといいのに。

2017-05-07 11:38:57 | Weblog

普通に助け合う世の中になるといいのに。

と最近折につけ思うのは、助けられたい立場になっているからだろーか

今日の新聞で、介護殺人が載っていた。

ひとつは老老介護に疲れて夫を餓死させた妻。

ひとつはお母さんをなぐって殺してしまった息子。

私思うんだけど、先の見えない介護で

ずっと一人で看なければならない、誰も頼りにならない、

という環境がそうしてしまうところはあると思う。

私もお父さんに殺意を抱くこと数回、気持ちはわかる

もし、親戚や兄弟、ご近所さんみんなと仲が良くて、いろいろな人に相談したり、

できる範囲で助け合ったり、実際手は貸せなくても気遣いが感じられたり、

そういうことがあれば、そんなに追いつめられなかったんじゃないかなと思う。

 

自己責任て何でも言われすぎて、みんな自分の利益にならないことをやろうとしない。

それぞれ自分が幸せになることだけで必死だ。

だけど幸せって何よー!!

裕福な生活をして、自分に迷惑をかけそうにない人とだけつき合って、

自分を大切にすることが一番!

とか

家族(だけ)が大切です、家族愛(若い家族。妻子だけ。あるいはまだ健康な親と兄弟だけ)

とか言っていてもなんだかうそくさい。

 

でも、自分もずっと仲が良いつもりで気がついたら疎遠になっていた人たちも多い。

日々の忙しさや楽しいことの中でも周りの人に気を配り続ける、

ということはなかなか難しいことなのかもしれないけど。

そう思うと、ある程度時間に余裕のある、だから気持ちの余裕もある専業主婦の存在って

本当は世の中をまるくするためにすごく大切な存在なのかもしれない。

余裕がある人は心も優しいもんね。

でも、今は時間があれば、ボランティアよりパートにでかける主婦が多いかな。

あと、主婦ランチか、いいなあ〜

 

でも私はお父さんのことがすんだら、もっと周りの人を助けられるようになりたいと思った。

その為に私は力が足りなすぎるかもしれないけどさ。運転もできないし、料理もヘタだし、

役に立たないか。

でもでも。一人の人の少しの気持ちでも悲劇は避けられる場合も多いと思う。

 

‥と主婦の人に話したら鼻で笑われたけど。

甘いのかな


いくつになっても中学生気分。

2017-05-07 11:29:22 | Weblog

お父さんは今いやいやながら(あんな子供騙しみたいな老人クラブみたいなところ行ったってしようがない!)

とりあえず週2回、デイサービスに通ってくれている。

この間、中での様子を聞いたら、何となくグループになって話をしているという。

「男は男、女は女でそれぞれ5〜6人で固まって座って雑談をしている。

中にはいやらしい奴がいて男なのに女のグループに入りたがる奴がいるんだ。

この間、一緒にダンス旅行に行ったことのあるおばさんが来ていて

『あら、こっちの席にきてくださいよ』なんて声かけられたんだけど

オレは行かないんだ。男だからな!」

とへんなポリシー。

思春期か!

とつっこみそうになった

 


いくつになっても、人に頼られ、仕事をすると元気になる。

2017-05-05 01:02:17 | Weblog

この間お父さんが「どうしてもオレにしかわからない仕事」をしに兄をお供に

地元に帰った。(お父さんは昔、見よう見まねで有限会社をつくったのだー)

最近のお父さんは元気がなかった。

ぼーっと植木を見ていたり、めまぐるしくTVのチャンネルを回しながらも

全然内容がわかっていないようだったし、何もやる気がないようで、

こうやってどんどんぼけていくのをどうしようもできないのかなあ、

とお父さんの姿を見ると悲しい気分になっていた。

 

 

ところが地元で仕事がらみの会社を回って帰ってきたら、

昔のお父さんのように元気でちゃんとしているのだ。

疲れているはずなのに。

兄に聞くと、しみじみ言うことには

「あっちこっち回るたびに『あれ、お元気でしたか?』と声をかけられたり、

いろいろ動いているうちに生き生きしてきた。やっぱ仕事って大事なんだなあ〜。

おやじがどういう仕事を地元でしているかちょっとわかってよかった』

(謎の有限会社だった

だと。

 

それからしばらくたったある日のこと。

父のことで兄弟にムカつくことがあって、

がまんできなくて悪口言った。

 

黙っていると苦しくて体に毒が回りそうな気分

信頼していた人がそれほどでなかったときの苦しさは半端ない。

一回わかったはずなのに、毎回がっかりしてる私も私だけど、

たぶんあきらめきれてないんだろう

 

お父さんはほんとうに珍しいことに、黙って耳を傾けていた。

 

それでばーっと文句言ってから

「ごめんね、お父さんに文句言って。でも少し気が晴れた」

と言ったら、とてもうれしそうに

「そうか、気が晴れたか。よかった」

と言った。

 

歳を取ってじぶんはじぶんで変わっていないのに、回りの扱いがかわってくる。

デイでいくら親切にされても十把一絡げの老人としか見られていない。

オレはそんな老人とは違う!と思っていても

実際何事も思うようにできなくなってきて、もう終わった人みたいな扱い。

 

そりゃ元気もやる気もなくなるさ!と想像する

仕事場に戻って自分を知っている人がいて、働いたり、

自分を頼って相談してくるひとがいたり、

そんなことがあると元の自分に戻って、生き生きとするんだと思う。

 

介護する人は介護することだけでせいいっぱいで、なかなかその人の生き甲斐に

つきあうことまではできない。

かといって、その人が勝手にやりたいように動くことは心配で

できるだけ安全にしていて欲しいと願う。

それは本人にとって牢獄のようなものかもしれないな、と思ったりする。

でもやっぱり家族としては自由にしてください、とはなかなか言えない。

だって、その後ひどくなっても、結局面倒見るのは私だもんね!

無理無理。(そこかい

 

 

 

といろいろ考えていた私に答えを出すような本を読んだよ。

「死すべき定め」(アトゥール ガバンテ)

 

やっぱり怪我しようが危なかろうが、最後まで自分でいたいんだなあ、と思った。

人によるかもしれないけどお父さんはそのタイプ。

あんな理想的な施設+病院が日本にもあればいいなあ。

(あるかもしれないけど多分富裕層しか入れないカンジだろうな