お父さんが亡くなるのと前後して、ずーっとうちの近くにあった、お父さん行きつけの場所が
次々と閉鎖、閉店した。
お気に入りの古本屋さん。
英語教室に通っていた、老人会館。
たまにご馳走が食べたいとき、一緒によく食べに行ったチェーンのお寿司屋さん(ランチの幕内弁当がお気に入り!)。
常連さんだらけだった地元のスナック。
遠くに出かけられないようになってからは唯一の楽しみだった、コンビニまでがまさかの閉店!
お父さんとともにみんな逝ってしまったような気がする。
ただでさえ寂しいのに、思い出の場所までどんどんなくなってしまって、本当に心もとない。
でも、その街の風景が、そのままあの世のお父さんの住んでいるところに移動してくれてたらいいなと思う。
そうしたらきっと大喜びするだろう。
回復したら行きたい!と言っていたところばかりだから。
「そうか、オレがもう行けなくなったから、そっちからきてくれたかー。」
と満面の笑顔で幕の内弁当を頬張り、酒を飲み、古本屋を物色して、下手な英語を披露して得意になっている。
「これがやりたかったんだ、ほんと、サイコーだな!」
そんなふうに楽しく暮らしていてくれたらいいな(妄想)。